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坂野嘉彦 只今仕事中!

Banno Yoshihiko , Work in progress!

下見と打ち合わせ、そして作曲

2008年05月08日 | Weblog
日曜日にやる「老人」セッションの現場を見に行く。普段はまず場所を見てから内容を決めるのだが、今回は急に決まった話であるのと、ちょっと出かけられない状況だったので後回しになってしまった。お店の人と打ち合わせ。調理場が一番面白そうな音が出せると思ったので無理を言ってキッチンを楽器として使わせてもらうことになった。
その後、「講義の音楽」という企画を野村幸弘さんと打ち合わせるために名古屋駅で落ち合う。焼酎を飲みながらああでもない、こうでもないと話す。これはかなり面白いものになりそうだ。仕事の進め方の関係でまだ作曲に取り掛かれないが残念。気分が高揚していたのか帰宅後、深夜にもかかわらずピアノでワルツを一曲作曲した。ピアノとクラリネットで演奏する6分ぐらいの小品。これは日曜日のセッションにも使えそうだ。やっぱり作曲は楽しいなぁ。


「大きな翼のある老人」ハイパーセッション

2008年05月07日 | Weblog
おっと、書かねばならない事がありました。ライブの告知です。

「大きな翼のある老人」

ガルシア・マルケス原作
語り:榊原忠美
音楽:坂野嘉彦
照明:吉戸俊祐

雨が降り出して三日。家の中に蟹がはいてきた。赤ん坊が高熱に苦しんだのは家の中で殺した蟹の悪臭のせいだと思った。そんな時、ひどく年をとった男が中庭で蠢いていた。それは翼を持った老人だった。
果てして彼は天使なのか?それとも・・・・
コロンビアのノーベル賞作家、マルケスの幻想に挑むハイパーセッション!

○日時:5月11日 夜 7:00 start
○場所:「The Vineyard Cafe」 ℡(052)936-0555
  JR・地下鉄 千種駅2番出口から線路沿いに北徒歩10分程
  名古屋市東区豊前町2-72(豊年橋西交差点の南西角)
○料金:1500円

友人で、劇団クセックの看板俳優の榊原忠美と僕、そして照明の達人、吉戸俊祐さんとマルケス作「大きな翼のある老人」を上演。榊原さんとはここ暫く、「源氏物語」、「袈裟と盛戸」とコンスタントに作品を作っている。福井での上演は僕の予定が合わず録音を使ってもらったので、本当の意味でのセッションは数ヶ月ぶり。この「大きな翼のある老人」は数年前、今はなき書肆「孤島」で初演された作品で、久しぶりの再演であります。前回の上演は楽器をわんさか使ったのだが、今回はクラリネット一本と現場の物(椅子やコップ、あるいは水道)で音楽を作る予定。多分歌もうたいます。乞うご期待!





「わたしは真悟」を読んで考えた

2008年05月06日 | Weblog
忙しい時に二階へ行ってはいけない。二階には本とか漫画とかとにかく書籍類をおいてあるのだが、ついふらふらと入ってしまったため楳図かずおの「わたしは真悟」を全巻読まなくてはならなくなってしまったのだ。別に絶対読まなければならない用事があったわけでなないのだが、チラリと手にとってめくってしまったため「ここでやめられるか」となってしまい結局最後まで読んでしまった。
雑誌連載中に読んだ「東京タワー」の場面は衝撃だった。立ち読みしていたのだが、いまだにその読んだ店、時間帯、周囲の風景を記憶しているぐらいなのだ。「わたしは真悟」というのは鬼才、天才、楳図かずおの最高傑作だと思うのだが意外と知られていないような感じだ。漫画でいえばもう少し後に発表された大友克洋の「童夢」「アキラ」のほうが圧倒的に知名度がある。しかし「アキラ」は「わたしは真悟」のぶっ飛んだ世界観がなければ作品としてまとめられなかったのではないかと思う。これは僕だけの意見ではなく、当時「アキラ」を読んでいた友人たちは「空母と同期しちゃうのって、あれって真悟だよね」「あ、俺もそう思った」と盛り上がっていたのだ。

ちょっと話はそれるが、作品というのはとにかくリアルタイムに接するのが一番だ。ビートルズは世代を超えて支持されるが、やっぱり後から知った僕らとは比べ物にならない感動をリアルタイムに聴いてきた人は味わっているはずだ。確かに後から総括的に接すれば情報も多いし、統計だって知ることが出来る。しかし絶対になにかが欠落してしまう。生演奏がMP-3のようになってしまうのだ。僕らの世代はインベーダーゲーム、YMO、武満、ケージ、そして「わたしは真悟」の等の新作を言葉では言い表せない高揚感を持って出会った。本当に幸せだったと思う。

あ、誤解を受けそうなので、書いておきますが、僕が言いたいのは「どうだ、いいだろう」という自慢話では断じてありませんよ。今作られている作品や文化を知るという事はどんなに素晴らしい事かという意味なのであります。

蛇足ではありますがリアルタイムで読めたことを幸せに感じる漫画は
楳図かずお「わたしは真悟」
大友克洋「童夢」
萩尾望都「マージナル」
かなぁ。考えればもっとありそうですがふと思いつくのはこれぐらい。


自作を語る1 残像のヴァリアンテIII (マンドリン四重奏のための)

2008年05月05日 | Weblog
というか、こういうところで記録に残すのもいいかなと思い、ブログ休載中に書いた作品のいくつかのメモを残しておくことにします。

残像のヴァリアンテIII
2007年11月作曲 同年アンサンブルフェスティバルで初演
中村直哉氏が主催するマンドリンアンサンブルのために同氏からの委嘱で作曲。
演奏時間(不定、初演時は約7分)。
編成:四人のマンドリン奏者
楽譜:手書き4ページ(ステージ配置、動き、照明等含)

四人のマンドリンを持った演奏者が動き、演技をしたりしながら音による様々なアプローチを行う。あらかじめ舞台に置かれた楽器を四人の人間が発見し叩いたり、ノイズを出したりしながら次第に和声やリズムを即興やゲーム的な約束で音や奏法を発展させてゆき、最終的にリーダーの掛け声のもと、簡素なモノディに移行し静かに収束、終息する。

作曲中ずっと頭にあったのは、ポリフォニーの限界とその次の段階は何かという事だった。音楽の進化は(物凄く乱暴な言い方をすれば)ポリフォニーの進化だったと思う。もちろん音楽史のいろいろな段階で複雑になったポリフォニーを整理する運動は必ずおきている。でもそれはあくまでもポリフォニーの整理であってポリフォニー自体の意味や使用の是非までは踏み込んでいなかったのではないだろうか。この作品を作曲した事は自分にとっても大きな意味があったと今になって実感できた。


坊主頭をたたいてみれば

2008年05月04日 | Weblog
あっ、と思ったら既に一年近く書いておらんではないか。とにかく時間がたつのは早い。
人間、数ヶ月で体の細胞はほぼ入れ替わって違うナニモノカに成るわけだが、残念ながら容姿は人為的に手を入れないと急激に変化しない。かくいう私はバッサリと断髪して坊主頭になった。徳の高い(感じの)坂野になったわけ。

リハビリなので今日はこのぐらいで。



「二笑亭構築」の作曲

2007年05月27日 | Weblog
今年の秋に初演する予定のピアノ独奏曲のタイトルを、「チラシの期限があるので教えて欲しい」とピアニストの藤本さんから連絡をうけあせる。なんとなく音楽の内容は決まっていて、それだけでは成立し得ない細かいシーケンスを即興的に組み合わせ、結果的に奇怪な建物のような音楽にする予定。いろいろ考え「二笑亭構築」とタイトルを決め連絡する。


ノノヤママナコ氏との打合せ

2007年05月22日 | Weblog
ノノヤママナコさんとランチを食べながら、今度一緒に仕事する舞台作品の音楽の打合せをする。大体の音響プランを聞き、僕が書くべきBGMを相談しながら決めた。ノノヤマさんは舞台音楽の経験が豊富な方なので、いろいろと知らない事を教えてもらい楽しかった。やっぱり現場は楽しいなぁ。

縄文うさぎ Co-mono Band ライブのリハ 

2007年05月22日 | Weblog
来月3日のコモノバンドのライブのリハーサルを午後からおこなう。片岡祐介さん、片岡由紀さん、嶋田達也君が来宅。
コモノバンドライブ 
午後の卓上音楽「演の章、奏の章」と二部構成のライブになる予定。「演の章」はパフォーマンスがあるもの。つまり演。「奏の章」は奏でる事が中心になる。とにかく段取りがややこしい「演」を中心にリハーサル。片岡祐介さんの「ギャング」を再演する事が急遽決定。

白石君のギター四重奏を聴いた

2007年05月19日 | Weblog
大阪から白石君が来宅。いろいろと作品を持ってきてくれて、それを聴きながらずっとお話をする。最後は天下一へ行ってラーメンを食べる。
彼はマンドリンのための作品を主に書いているのだが、マンドリン以外の楽器のための作品をもっと書いて欲しいなぁ。
ギター四重奏のための「骸(むくろ)」という作品はセンシティブでとてもきれいでした。