バンビの独り言

バンビことけーちんの、あくまでも「独り言」デス☆

田中優さんメルマガ84号

2010-12-01 21:47:35 | 田中優&鎌仲ひとみ
■□■□◆◇◆◇■□■□◆◇◆◇■□■□◆◇◆◇

   
  田 中 優 の “持 続 す る 志”

   優さんメルマガ 第84号 2010.12.1

    http://tanakayu.blogspot.com/

■□■□◆◇◆◇■□■□◆◇◆◇■□■□◆◇◆◇



□◆ 田中 優 より ◇■□■□◆◇◆◇■□■□


全国にNPOバンクを広げよう
http://tanakayu.blogspot.com/2010/11/blog-post_29.html

NPOバンクが「新しい公共」のひとつに

先日国土交通省に頼まれて、「新しい公共」会議のヒアリングに招かれてプレゼンテーションしてきました。
NPOバンクを活用した地域経済の活性化という内容です。
ほんの少し前、NPOバンクに対する貸金業法の規制を心配していたのに、今度は「活用」ですから驚きます。
ぼくだけでなく、全国NPOバンク連絡会の小関さん(明大)も、そして女性市民コミュニティーバンクの向田さんは「新しい公共」の委員になりました。
なんで国土交通省かと思っていましたが、「3全総、4全総」と呼ばれる全国総合
開発計画の一つなのだそうです。
かつて田中角栄が日本列島改造論をぶち上げたあれの流れです。
変われば変わるものですね、列島改造論とは真逆の方向が進められるのですから。
国土交通省としては、出資者の出資金に税額控除をつけて、資金を地域に還流させる仕組みの一つにしたいそうです。

しかし私たちが求めるのは「NPOバンク法の制定」、最低でも「貸金業法の適用除外」です。
まだまだ予断は許されないのですが、うまくすれば除外されるかもしれません。
とは言っても何もせずに除外されるわけではありません。
こちらの主張が認められることと、多くの人たちの協力が必要です。

さて、なぜNPOバンクが地域経済の活性化に役立つのか、それを説明してみましょう。

地域活性化を実現する

ぼくはふと気づいたのです。
「地域経済の活性化策」なんて掃いて捨てるほどあるのに、それが成功している事例はほとんどない。
たいていはシンクタンクが助成金をたっぷり取って提案するのですが、それらはほとんど役立たない。
なぜなのだろうと考えた結果でした。

地域経済が活性化しているときのことを考えてみましょう。
地域経済が活性化している時というのは、その地域でモノやサービスが活発にやりとりされている時です。
でも考えてみると、その時には逆方向に循環しているものがあります。
それがカネです。
であるならば、地域活性化の程度というものは簡単に定義できます。
「地域の資金量×回転数」。
この簡単な計算式で地域経済の活性化の程度が決まるわけです。
そうならば、解決策は簡単です。
地域の資金を残して、回転数が高くなる方法を考えればいい。

地方ではその貯金は東京に集められ、資金の支出先の決定権がありません。
もし地域が自分たちのおカネを地域に投資したいとすれば、公共事業を持ってくる以外に方法がありませんでした。
ところが公共事業は、どれもこれも地域の環境を悪化させ、結局つぶれて地域に負債を残すものばかりでした。
でも考えてみてください。
そもそもは自分たちのカネです。
自分たちのところに貯金しておいたなら、自分たちの地域に投資することができます。
だからひとつ目の「地域の資金量を増やす」には、地域にカネを残せばいいのです。
沖縄で面白い話を聞きました。
「他の地域でおカネが下ろされると、どこの銀行かは分からないけれど銀行に戻ってくるのに、沖縄ではどこに消えるのか戻ってこない」というのです。
地域で資金は回り続けているのでしょう。
だからこそ沖縄は全国で最も所得が少なく、東京の半分以下しかないというのに豊かなままなのでしょう。
沖縄には今でも「もあい」が発達しています。
たとえば誰か10万円のおカネが必要になったとしましょう。
すると数人で「もあい」を組んで、毎月1万円ずつ払う約束をします。
その最初の一回目で集めたおカネをその人が受けるのです。
それ以降、本人の毎月払う1万円が返済になると同時に、次の人が10万円ずつ得られます。
貧しくてまとまったおカネの入らない沖縄の知恵です。
それに使われて戻ってこないのでしょう。

この「もあい」、法的には多少疑問が残る仕組みなのに、県庁職員すらこれなしに生活できないといわれます。
実際には「もあいの日の宴会が楽しみなのだ」とも聞きましたが。

だから各地に作られるNPOバンクが地域に資金循環させられれば、もちろん地域経済は豊かになるのです。
信金・信組もいいのですが、現時点では預貸率が低く、国債ばかり買ってしまっているので地域経済の活性化につながっていません。
これは以前の金融庁が監査を厳しくして、片っぱしから「不良債権が多い」として無理やりつぶしたり合併させたりした後遺症でもあるんですが。
でもNPOバンクなら、地域の小さなところにも融資できます。
非営利で顔の見える関係に貸すから、焦げつきもほとんどありません。

地域に資金を循環させる

今の金融機関は不良債権がかなりあります。
最低でも4%程度はあるでしょう。
そして人件費だって大きいのですから、健全経営には最低でも5%以上の金利が必要です。
ところがこの20年、経済成長率は平均1%しかないのです。
平均的な企業が1%しか成長しないのに、5%の金利でカネを借りたらつぶれてしまいます。
こうした低成長の時代には、非営利の金融機関こそ必要ではないかと思うのです。

よくNPOバンクも配当したらいいと言われるのですが、結局その分金利を高くしなければならなくなります。
借り手と貸し手のどっちかが損するのです。
非営利のNPOバンクでは、実際に汗水流して働いている社会的事業家を優先させたいのです。
こんな低成長の時代、高金利で経済を押しつぶすのは間違いだと思うのです。
幸い未来バンクではメンバー全員が手弁当なので、今の2%単利・固定という低金利が実現できているのです。

さて、最後の「資金の回転率」について考えてみましょう。
このとき回転するのはモノやサービスの回転の対価なので、実は「円」のような国家通貨である必要はありません。
そこで地域の商店街の共通商品券で考えてみましょう。
みなさんが共通商品券と同額の円を持っていたとしたら、どっちから先に使いますか?
地域でしか使えない共通商品券から先に使うでしょう。
すると回転率が高まります。
この共通商品券と地域通貨の違いは、再度使えるかどうかの違いしかありません。
二回以上使えるようにしたら、共通商品券は地域通貨になるのです。

これを実際にした例があります。足立区の連合商店街代表の田中さんは、足立区に申し入れてお年寄りに毎年配っていた敬老祝い金5000円を、地域の共通商品券に変えました。
しかも1割多くして5500円分にしたのです。
共通商品券は地域の小さな商店街でしか使えませんから、地域商店街を潤します。
なんと足立区合計では、毎年4億円になったというのです。
4億円が循環したら、地域商店街はもちろん活性化します。

でも1割多くしたら損しそうですね。
でも机や本棚を探せば、商品券やらビール券やらが何枚か見つかりそうです。
実は1割以上に死蔵してしまう人たちがいるのです。
それを身障手当、子ども手当、生活保護費などの自治体負担分にだけでも選択させたら、もっと多額の資金が地域を循環するでしょう。

こうして考えていくと、NPOバンクは知恵を生かす場なのですね。
NPOバンクが唯一絶対のものではない。
もっと頭を柔軟にして、自分の作りたい社会のために、どうおカネを活用するかを考えていく場なのだと思います。

私たちもNPOバンクを作りたい署名

さて、先日金沢に新たなNPOバンクが生まれて、これで全国に12団体のNPOバンクが活動することになりました。
しかし現時点では貸金業法取扱主任の国家試験や、登録料15万円、金融ADR加盟5万円など、たくさんの障壁とカネが必要です。これでは各地でどんどんNPOバンクが作れる環境ではありませんね。

でもそうした規制が解かれたらどうでしょう。
現時点では「NPOバンク法を作りたい」と言っても、「全国に12団体しかないんでしょう?」と言われてしまいます。
でもこうした規制が除外されたら、自分も地域にNPOバンクを作りたいと思う人は少なくないと思うのです。

そこで私たちは、「今現在NPOバンクを作っているわけではないが、もし規制が除外されるなら作りたい!」と思う人たちの声を集めたいと思うのです。
全国NPOバンク連絡会で署名を集めたいと思いますので、ぜひ声を寄せてください。

よろしくお願いします!


* * *

全国NPOバンク連絡会
http://www.npobank.net/

※ この署名については、詳細が決まり次第あらためてお知らせします。

□◆  ちょっといいニュース♪  ◆◇◆◇■□

ピープル・ツリーが「最優秀サステナブル・ブランド&リテーラー賞」を受賞!
http://tanakayu.blogspot.com/2010/11/blog-post_28.html

フェアトレードカンパニーさん、おめでとう!

2008年9月30日付けで特定担保提供融資として融資していた、「フェアトレードカンパニー代表取締役 美仁 サフィア」さんへの融資がきちんと返済されました。
その際に ご自分の出資を担保として提供してくださった皆さま、ありがとうございました。
返済により、皆さまの出資金に対する「留置権」は解除されました。
そして今度はそれとは別に新たな融資を実行しました。

そのフェアトレードカンパニーから、うれしい連絡がありました。
WGSN Global Fashion Awardsにて、ピープル・ツリーが「最優秀サステナブル・ブランド&リテーラー賞」を受賞! したそうです。

ぼくは一応、ここのアドバイザーをしています。
サフィアは聡明でとても明るい人なのですが、とても芯の強い方です。
それまでのフェアトレードが慈善事業であったために、デザインが優れず、しかも環境的に問題ある染色などをしていたのを、草木染めを中心に変え、一般のブティックにあっても十分競争できるデザインに変えていったのです。
ほとんど知られていないのですが、フェアトレードにデザイン性や環境配慮を導入させたのは、サフィアやピープルズ・ツリーの功績なのです。

だからぼくは受賞したと聞いてもうれしいものの、驚きませんでした。
そりゃ当然だと感じたのです。
ここに微力ながら貢献できたことをうれしく思います。
出資金担保を提供してくださった方々、ありがとうございました。
おかげさまで金利を安くすることができました。

                         田中 優

people tree
http://www.peopletree.co.jp/index.html

WGSNグローバル・ファッション・アワード2010にて
「最優秀サステナブル・ブランド&リテーラー賞」受賞!
http://blog.peopletree.co.jp/2010/11/wgsn2010.html


~~~~ 未来バンク事業組合ニュースより ~~~~~

□◆  注目イベント! ◇■□■□◆◇◆◇■□


<静岡県>

12月4日(土)18:00~20:00
『ワクワクする未来の創り方』
http://tanakayu.blogspot.com/2010/11/124.html
トークセッション「ワクワクする未来は私達が創る!?in静岡県!」
http://greendrop.sblo.jp/archives/20101114-1.html
福田農村環境改善センター(静岡県磐田市南島391-1)
1000円(高校生以下無料)
info@greendrop.jp
090-7684-0885 広報担当
http://greendrop.sblo.jp/
_______

12月5日(日)13:15~映画上映 15:00~講演
「流域で考える水の星」
http://tanakayu.blogspot.com/2010/11/blog-post_10.html
映画『ブルー・ゴールド』上映・田中優 講演『『水はなぜ不足するのか』~消費先から見直してみる~』
地域交流センター歩歩路 多目的室(島田市)
前売り券 大人1500円 中学生以下 500円
当日券 大人1700円 中学生以下 700円
ロマンず☆≡
http://hirakawa.eshizuoka.jp/
roman-zu@live.jp 090-1277-5732(平川) 
_______

<慶應義塾大学 9条の会> ☆彡入場無料!!

12月11日(土)14:00~16:00
非戦のための社会づくり~
私たちの貯金がイラクの人々の頭上に爆弾を降らせた~

慶應義塾大学日吉キャンパス
(東急東横線、横浜市営地下鉄線日吉駅)
入場無料 
KHC9条の会(慶應大学9条の会)
keio.9jo@gmail.com
_______

<早稲田大学>

12月12日(日)12:30~17:30
JST研究開発プログラム
「快適な天然素材住宅の生活と脱温暖化を『森と街』の直接連携で実現する」
木で暮らす  -木で稼ぎ、木で生きる-
http://tanakayu.blogspot.com/2010/11/1212.html

早稲田大学 西早稲田キャンパス 57-201教室
主催 埼玉大学 名古屋大学 早稲田大学 天然住宅 
NPOまちぽっと
申込: NPOまちぽっと 
morimachi1@gmail.com
03-5941-7948 (奥田)
定員300名、無料(事前申し込み制)
______

<世田谷区太子堂>

12月18日(土)14:30~16:30
トーク・セッション「たとえばエコロジーについて考えてみる」
田中 優(未来バンク代表)×上村 悠也(テーブル・フォー・ツー大学連合[TFT-UA]代表)

三軒茶屋・キャロットタワー4F(世田谷区太子堂4-1-1)
参加費:1,000円(ドリンク・おやつ付)
※高校生以下は500円割引、せたがやアーツカード持参で200円割引30名(先着)
申込:電話かメールで申込み。くわしくは
http://www.setagaya-ac.or.jp/ldc/modules/events/event_detail.php?id=312
生活工房/TFT-UA(テーブル・フォー・ツー大学連合)
03(5432)1543
ldc@setagaya-ac.or.jp
____________

<世田谷区北沢>

12月19日(日) 14:30開場
ワールドフォーラム創立30周年/第4弾
http://worldforum.jp/
<第一部>15:00~16:30 上映会+鎌仲ひとみ監督トーク
<第二部>17:00~19:30 田中優さん講演会+監督対談、Q&A
北沢タウンホール(北沢区民会館)
予約一般:3,000円(第一部+第二部)
当日一般:4,000円(第一部+第二部)
 ※どちらか一部のみご参加は、上記の半額です
学生:1,000円 (高校生以下、無料)
 ※特別会員:30周年特典で2回まで参加無料。(~2011.4月迄)
お申し込みはこちらから
http://www.worldforum.jp/cgi-bin/apply/


□◆ コミュ・ブログもよろしく♪  ◆◇◆◇■□

ソーシャル・ネットワーキングサイト mixi
http://mixi.jp/
に入ってらっしゃる方は「田中優コミュ二ティ」へ ぜひどうぞ♪

「田中優」コミュ二ティは、
http://mixi.jp/view_community.pl?id=2586238
現在1,262人です。
このメールマガジンは、今回2,186人の方々に配信しています。

できるだけリアルタイムで色んな情報を載せていきたいと思っていますので、ブログもどうぞご覧ください!
田中優のブログ ”持続する志”
http://tanakayu.blogspot.com/
※画面右側からメルマガが登録できます。



□◆  2010年12月の講演会予定   ◆◇■□■□


4日(土)福田農村環境改善センター(静岡県磐田市) 
5日(日)地域交流センター歩歩路(静岡県島田市)
11日 (土) 慶應義塾大学日吉キャンパス
12日(日)早稲田大学 西早稲田キャンパス
18日(土)三軒茶屋・キャロットタワー(東京都世田谷区)
19日(日)北沢タウンホール(東京都世田谷区)
23日(木・祝)northport モールB2F @横浜センター北
24日(金)桜美林大学
25・26日(土・日) 全国NPOバンク連絡会
31日(金)Naked Loft

定員に達していたり、非公開のイベントもございますので
詳しくは、こちらをご覧ください。
http://tanakayu.blogspot.com/2010/11/blog-post_30.html

◆◇◆◇■□■□◆◇◆◇■□■□◆◇◆◇■□■□

最後までお読みいただき、ありがとうございました<(_ _)>

先日から12月の優さんの講演予定を整理していましたら、どれもこれも、素敵なお仲間たち・若い人たちとのひと工夫された行きたくなっちゃうイベントばかりで、その真ん中でご機嫌な優さんを想像してにんまりしてしまいました。
今年も最後の月に突入!
皆さん、HAPPYに過ごされますように! (こはら)


◆◇発行責任者  田中優の“持続する志”メルマガ担当 小原
◆◇公式ブログ  http://tanakayu.blogspot.com/
◆◇お問い合わせ happykoara3@yahoo.co.jp
◆◇メルマガの登録・解除は、
    http://www.mag2.com/m/0000251633.html
◆◇このメルマガは転送歓迎です。

◎田中優の“持続する志”
のバックナンバー・配信停止はこちら
http://archive.mag2.com/0000251633/index.html

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« すぐに発送できる商品(22... | トップ | サンタクロースの話と、バン... »
最新の画像もっと見る

田中優&鎌仲ひとみ」カテゴリの最新記事