山本馬骨:たそがれジジイの呟きブログ

タイトルを変更して、これからは自分勝手なジジイの独り言を書くことにしました。

菜園を再開する喜び

2014-03-18 20:57:11 | 百姓回帰の話

 この春の4月1日から菜園を再開することにしました。3年前大地震があって、原発事故が起こって、何故か風向きが悪くて、守谷の地には他よりも濃い放射能物質が飛んできました。これは突然のショッキングな出来事で、それまで市から借りて作っていた小さな菜園を断念せざるをえませんでした。たとえ作り続けても家の中には誰も食べる者はおりませんし、そのようなものをご近所に配ろうとしたら、迷惑千万の犯罪的行為になるに違いありません。それで、やむなく、あと2年継続借用が残っていた菜園を返上することにしたのでした。

     

守谷市の貸出菜園の「土に親しむ農園」。この農園では、農具類も備わっており、不定期だけど、近郊の農家からの堆肥の提供も無料で為されている。

     

今回私が借りることになった予定地。今日行って見たら、今まで借りておられた方が既にきれいに耕しておられて、その始末に感動した。大事に作らなければと、改めて心に誓った。

 あれから3年が経って、多少は除染が効いたのか、市が発表している放射能計測値も安全圏に辿り着いたようです。その信憑性がどれほどのものなのか、必ずしも全面的に信用しているわけではありませんが、地元野菜の安全性もどうやら本物となってきているようなので、今年から菜園を再開しようと、市の菜園貸し出しに応募しました。最小単位の20㎥から始めようと考えての応募でしたが、いつもだとくじ引きでの抽選となるのですが、今年は偶々空いている場所と応募者数が一致していたため、外れることなく借り受けることが出来ました。4月1日からの使用開始なので、その時が来るのを逸る(はやる)心を抑えて待っています。本当は3月の今ごろがこの地でのジャガイモの植え付け時なので、ジャガイモ大好き人間の自分としては、今年は諦めなければならないのを残念に思ったりしています。

 私は兼業農家の出身です。元々サラリーマン技術者だった父は、戦争で一時仕事を止め、開拓地に入植して百姓を始めたのですが、その後職場復帰することになり、それ以降は母が農事を継続して行うことになり、自分たち子どもはその手伝いをしながら、農村環境で成長することとなりました。そのようなこともあって、農事には経験があり、父母の苦労も承知しています。農業は天候に左右される、大地を相手にする息の長い植物たちとの共生作業であり、人間の生きものとしての原点を教えてくれる仕事です。私自身は農業を職とはせず、虚業的な仕事をメインとするサラリーマンとなってしまいましたが、決して農業が嫌いだったわけではなく、当時の世相・風潮に便乗して、より広い世界で身を立てようと考えたのでした。それが間違っていたとは思いませんが、それらの仕事を退(の)いてからは、母のことなどを思い出す度に、自分ももう一度農事に関わってみたいと思ったのです。

現役をリタイア後、守谷市に移ってからは、早速市の菜園を借りて50㎡ほどの地に様々な季節の作物や花を作って楽しんできました。機械など一切使わず、耕すのも草取りも全て自らの手で汗を流すのをモットーとしてきました。野菜などを作って食べるというよりも、作ることそのものが楽しみであり、目的だったと思っています。今もその考えは変わらず、対象が以前に比べて半分以下の広さの土地となってしまいましたが、狭くなった分だけ存分に耕作や除草を楽しみたいと思っています。

このブログのカテゴリーの中に、敢えて「百姓回帰の話」を入れたのは、狭くはあっても大地を耕し、作物たちとの対話を楽しみ、その記録を残したいと考えたからなのです。専業農家の方から見れば、そのような農事は百姓などではないとのお叱りを受けることでしょうが、自分としては、小さな農事を通して植物や虫たちなど大自然に生きるものたちとの生命のせめぎ合いを見つめてみたいと思っています。

さて、間もなく耕作の開始がOKとなります。手始めに簡単な蔬菜類を作ることにしようと思っていますが、何にするか迷っています。畑の他に我が家の庭の中にも小さな畑が作ってあり、そことの兼ね合いを考えながら、作る作物を決めて行こうと考えています。このような迷いも又楽しいものですが、先ずしなければならないことは、畑を耕すことです。万能や鍬を使うのは、老人には結構疲れて厳しいことですが、じっくり時間をかけて耕し、いい土を作るべく、工夫をしてゆきたいと思っています。数十人の方たちが、同じ場所で、それぞれ思い思いに自分が借りた菜園を営んでいるわけですが、その中で野菜たちが一番活き活きと育っている畑を作ることを目指したいと思います。

     

我家の庭の中に、板で囲んで半坪ほどの小さな菜園を作っている。冬の寒さでなかなか伸びなかったホウレンソウたちが、今、ようやく生長を開始し始めているを見るのが嬉しい。

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿