昨日の夜は雨が降って、今日は朝から風が強くそして寒い。
子供たちに長袖フリースのジャケットを着せて学校へ送りました。
夏は12月からということなので、季節の変わり目だから気候が
不安定なのでしょうか?
さて、昨日の続きです。
Jさんが、「入って、入って!」とお家に招いてくださるので、
初対面なのにいいのだろうか...と思いつつ、お家へ入りました。
とってもキレイに整頓されていて、彼の几帳面な性格がうかがえます。
認知症で3年前に亡くなった奥さんの写真、お孫さん、娘さん、ひ孫さん
息子さん、などなど沢山の家族の写真が飾られておりました。
Jさんの思い出の中にお邪魔したかのような感じ。
「 妻はね、庭仕事が好きでね。この写真をみてごらん。前の庭も
彼女がいるときはきれいな花が沢山だったんだ。だから、花を鉢に植えてね
少しでもきれいにしたいと思っているんだ 」
玄関先にある、以前はきれいだった花壇は、高齢で手入れができないと
家族が判断したのでしょう。去年の終わりか今年の始めに、雑草が生えない
ように木のチップが一面に敷かれたのでした。
Jさんは、きっとそれが残念でしかたないに違いがありません。
気持ち的には奥さんがいたときのようにキレイにしたいと思っているの
でしょうが心臓を何度か手術したとおっしゃっていたので、きっと庭仕事の
ような重労働には耐えられないと思います。
でも、プラスチックの鉢を集めて、いつかきれいにしようと思っている
ようです。
奥さんが歌とダンスが好きな人で、いつも歌を口ずさんでいたんだよ..
こうしてね、一緒にねよく踊ったもんさ..とステップを披露してくださいました。
Jさんの昔話は延々と続きます。
奥様の写真の隣に男の子がオーストラリアンフットボールをしている引き伸ばされた
モノクロの写真がありまして。
「この写真はどなたですか?」
と聞くと、「 僕のね、孫の写真。こっちの写真を見て。」
ベットサイドに もう一つ男の子の写真がありました。それは、パジャマにニット帽を
被って、テディベアの人形を抱えたものでした。
Jさん「 この子ね、がんになってね....」
私「 もしかして、お亡くなりになったのかな?いやぁ、話が悪い方向に行っちゃうかなぁ 」
と心の中で焦っていたときに
突然「 君、宗教の話で不快にならない? 僕はカトリックで、妻はバプテストだった
んだけれどね....」
「 いえ、大丈夫ですよ 」という言葉をさえぎるかのように、Jさんが話しだしました。
「 この子はね、7歳のときにがんと診断されてね。抗がん剤治療を受けたんだ。だからね
このとき髪がないんだよ。だから帽子を被っているんだけれど。」
「 抗がん剤治療を受けていたんだけれど。ある日、彼を毛布で包んで、僕と、妻と、娘と一緒に
待合室に座っていたところにね。司祭が突然現れたんだ。そして、ぼくらに
近づいてきて『 この子は病気ですか? 』と聞くんだよ。「 はい 」と答えると「 お祈りさせて
もらっていいですか? 」っていうんだ。僕はカトリックだから問題ないけど、妻は
バプテストだからね、どういうかなぁと思っていたら、妻も娘も「 お願いします 」って
言ってね。そして、その司祭が祝福のお祈りを始めたんだ。上を見上げてね、口で祈りを
唱えながら... そして、立ち去っていった。」
「 そして次にね、お医者さんに診てももらうために会いにいったときにね、お医者さんが
『 良いお知らせがあります。お子さんの癌がすっかり消えています。どうしたんでしょう。
なにか自宅で特別なことでもしましたか? 』と言ったんだ。僕たちはびっくりして、
『 そういえば、この前、待合室にいたときに司祭さんが来てくださいまして。祝福のお祈り
をしてくださったんですよ。』とJさん。奥様も娘さんも『 そうそう 』と...
すると、お医者さんが「 残念ながら、この病院にチャプレンはおりませんよ。 」
一同絶句。
Jさんは事実を話してくれただけですが、司祭の姿をした天の使いが現れてお孫さんに奇跡を
起こしてくれたんだと、信じているようでした。
考えようによっては、抗がん剤治療が思いのほか効を奏したのと、誰かのお見舞いに来ていた
通りすがりの司祭様が祝福を下さったのが偶然重なってのことなのかもしれません。
よくわかりません。
今、そのお孫さんはアメリカにお住まいのようですが、最近の写真も見せていただいたんですけど
筋肉隆々のボディビルダーのような感じで写っておりました。Jさんも、筋肉すごいだろ??って
おっしゃってましたけど、本当にムッキムキでした。
不思議なお話はまだまだ続きます。