今日は、朝から天気がわるく。
天気が悪いと、認知症の患者さんの態度が悪化する傾向があるということは
介護施設の実習のときに経験したので、
「 さて、今日はどうかなぁ 」と思って、実習先へ出かけました。
まず、人員不足
派遣の人一人、研修中の新人看護師、そして私。
いやぁ、どうなるんだ?と思ったら案の定。
Jさんは朝早くおきてシャワー!と叫び
Bさんは、徘徊。Gさんはとにかく怒ってばかり。
そしてLさんは、ほぼ寝たきりの患者さんなのですが、せん妄のために
座っているリクライニングの椅子を叩いたり、椅子から脚を投げ出したり
うわごとを繰り返したり。
で、とにかくそわそわそわそわしています。
ので、実習生の私は、病棟のフロアに出っぱなしで4人を見守ることに。
朝食を食べたちょっと後まで良かったのですが、11時ころからみんな
薬を飲んで眠ってしまったLさん以外、そわそわがエスカレートしていくのが
分かりました。
Jさんは私の手を離さず、あちこちつれまわします。
そして、途中で突然泣き出したり。
Gさんが怒りながら「 退屈だ、反対側の病棟に開放病棟に連れて行け! 」
「 誰も話を聞いてくれない、お前も、俺が近づくと逃げていく! 」
「 お前の声が聞こえない、何言ってるんだ! 」と、私に怒りをぶつけてきます
その傍らでBさんが突然「 飛行機が着陸するのは、いつかな? 」
「 どこに着陸するのかな ? 」「 いったい何人の乗客が降りるのか? 何人だと思う? 」
「(ナースステーションにいる精神科医を観ながら)んー、こうやってパイロットがこの飛行機を
コントロールしているのを見るのは非常にいいねぇ。」
という、話をします。
で、飛行機の話かと思って対応していると、突然「 あぁ、今からここをでて、君の足に
ぴったりと合った靴をね、買いにでかけるといいよ。君たちにはそれが必要だ。」
と言い、私と徘徊するJさんの背中をポンポンと軽く叩きます。
わたしはそれこそ高額な看護師専用の革製のウォーキングシューズを履いていますし、
Jさんは 羊の皮でできたuggブーツを履いています。
で、彼はソックスのみ。
彼自身、シューズが欲しかったのかもしれません。
すると、私から離れないJさんが「そんなことを言ってくれるなんて....(その言葉に感動して)
うわぁぁぁぁ 」と嬉し泣き→UGGブーツ履いてるのに。
お昼の時間はとっくに過ぎて、私はおなかぺこぺこ。とはいえ、4人を放置して
そこを離れるわけに行かず。
いつもはこんなんじゃないのに今日は3人とも私のところに寄ってくるのです。
まったくかみ合わない3人が私を囲む光景はもう完全に非現実的でした。
私は頭の中で「 この風景を第三者が見たらどう見えるんだろう 」と思いつつ想像し...
失礼と思いつつ........ 必死に笑いをこらえるしかありませんでした。
これはもう、私も正気を取り戻さないといかんと思って、午後のスタッフとの引継ぎが終わって
すぐに開放病棟へJさんとGさんを連れて行くことに。
その時点で午後2時。
15分でご飯を食べて、開放病棟に戻ったら 「 帰宅前に二人を必ず閉鎖病棟に戻してね 」
といわれたので、二人を連れて開放病棟へ戻りました。(泣)
閉鎖病棟に戻ると、Lさんのご主人がアクティビティールームで寝たきりでほとんど
意識がないLさんのそばに座ってLと一緒の時間をすごしていました。
「 こんにちは.... 」と言って、お部屋に入っていくと
フランクシナトラの音楽が流れていました。Lさんのご主人の顔を覗き込むと
目から涙が.....
Lさんのご主人は86歳ですが、非常に聡明で、先日会ったときに色んなお話を
してくれたのですが、そのおじいさんが
「 この歌の歌詞を聴きながらね、昔のことをね、思い出していたんだ。
この歌は、第二次世界大戦中に流行った曲でね..... 」と言いながら
歌を口ずさんでくれました。
You'll never know just how much I love you,
You'll never know just how much I care.
And if I tried
I still couldn't hide
My love for you
You ought to know
For haven't I told you so
A million or more times?
You went away and my heart went with you
I speak your name in my every prayer
If there is some other way
To prove that I love you
I swear I don't know how
You'll never know if you don't know now.
誰が誰だか、わかるのか、分からないのか
とっくに亡くなった兄弟の名前を繰り返し、繰り返し口にするだけのLさん。
目は険しく、いつも「 NO! NO! Don't, Don't 」とつぶやき
椅子をたたき、職員の手をつかみ、食事や水分を拒絶します。
本当のところご主人のことも分かるのか、分からないのか、
私には分かりません。
でも、ご主人が注ぐ「愛情」は伝わっていると信じています。
You'll never know if you dont know now と、その曲は
締めくくられますが、おじいさんがそう歌った後に
「 でも、Lさんには伝わっていますよ 」と言い、
私が帰らなければならないこと、二人の時間を邪魔しちゃって
ごめんなさいねと告げると
「 いやいや、僕はね、彼女との色んな素敵な思い出をたくさん
思い出して幸せいっぱいなんだ。」と涙をこぼしながらも
精一杯の笑顔を見せてくれたご主人には悲壮感はなく、
むしろ輝いて見えたのでした。
天気が悪いと、認知症の患者さんの態度が悪化する傾向があるということは
介護施設の実習のときに経験したので、
「 さて、今日はどうかなぁ 」と思って、実習先へ出かけました。
まず、人員不足
派遣の人一人、研修中の新人看護師、そして私。
いやぁ、どうなるんだ?と思ったら案の定。
Jさんは朝早くおきてシャワー!と叫び
Bさんは、徘徊。Gさんはとにかく怒ってばかり。
そしてLさんは、ほぼ寝たきりの患者さんなのですが、せん妄のために
座っているリクライニングの椅子を叩いたり、椅子から脚を投げ出したり
うわごとを繰り返したり。
で、とにかくそわそわそわそわしています。
ので、実習生の私は、病棟のフロアに出っぱなしで4人を見守ることに。
朝食を食べたちょっと後まで良かったのですが、11時ころからみんな
薬を飲んで眠ってしまったLさん以外、そわそわがエスカレートしていくのが
分かりました。
Jさんは私の手を離さず、あちこちつれまわします。
そして、途中で突然泣き出したり。
Gさんが怒りながら「 退屈だ、反対側の病棟に開放病棟に連れて行け! 」
「 誰も話を聞いてくれない、お前も、俺が近づくと逃げていく! 」
「 お前の声が聞こえない、何言ってるんだ! 」と、私に怒りをぶつけてきます
その傍らでBさんが突然「 飛行機が着陸するのは、いつかな? 」
「 どこに着陸するのかな ? 」「 いったい何人の乗客が降りるのか? 何人だと思う? 」
「(ナースステーションにいる精神科医を観ながら)んー、こうやってパイロットがこの飛行機を
コントロールしているのを見るのは非常にいいねぇ。」
という、話をします。
で、飛行機の話かと思って対応していると、突然「 あぁ、今からここをでて、君の足に
ぴったりと合った靴をね、買いにでかけるといいよ。君たちにはそれが必要だ。」
と言い、私と徘徊するJさんの背中をポンポンと軽く叩きます。
わたしはそれこそ高額な看護師専用の革製のウォーキングシューズを履いていますし、
Jさんは 羊の皮でできたuggブーツを履いています。
で、彼はソックスのみ。
彼自身、シューズが欲しかったのかもしれません。
すると、私から離れないJさんが「そんなことを言ってくれるなんて....(その言葉に感動して)
うわぁぁぁぁ 」と嬉し泣き→UGGブーツ履いてるのに。
お昼の時間はとっくに過ぎて、私はおなかぺこぺこ。とはいえ、4人を放置して
そこを離れるわけに行かず。
いつもはこんなんじゃないのに今日は3人とも私のところに寄ってくるのです。
まったくかみ合わない3人が私を囲む光景はもう完全に非現実的でした。
私は頭の中で「 この風景を第三者が見たらどう見えるんだろう 」と思いつつ想像し...
失礼と思いつつ........ 必死に笑いをこらえるしかありませんでした。
これはもう、私も正気を取り戻さないといかんと思って、午後のスタッフとの引継ぎが終わって
すぐに開放病棟へJさんとGさんを連れて行くことに。
その時点で午後2時。
15分でご飯を食べて、開放病棟に戻ったら 「 帰宅前に二人を必ず閉鎖病棟に戻してね 」
といわれたので、二人を連れて開放病棟へ戻りました。(泣)
閉鎖病棟に戻ると、Lさんのご主人がアクティビティールームで寝たきりでほとんど
意識がないLさんのそばに座ってLと一緒の時間をすごしていました。
「 こんにちは.... 」と言って、お部屋に入っていくと
フランクシナトラの音楽が流れていました。Lさんのご主人の顔を覗き込むと
目から涙が.....
Lさんのご主人は86歳ですが、非常に聡明で、先日会ったときに色んなお話を
してくれたのですが、そのおじいさんが
「 この歌の歌詞を聴きながらね、昔のことをね、思い出していたんだ。
この歌は、第二次世界大戦中に流行った曲でね..... 」と言いながら
歌を口ずさんでくれました。
You'll never know just how much I love you,
You'll never know just how much I care.
And if I tried
I still couldn't hide
My love for you
You ought to know
For haven't I told you so
A million or more times?
You went away and my heart went with you
I speak your name in my every prayer
If there is some other way
To prove that I love you
I swear I don't know how
You'll never know if you don't know now.
誰が誰だか、わかるのか、分からないのか
とっくに亡くなった兄弟の名前を繰り返し、繰り返し口にするだけのLさん。
目は険しく、いつも「 NO! NO! Don't, Don't 」とつぶやき
椅子をたたき、職員の手をつかみ、食事や水分を拒絶します。
本当のところご主人のことも分かるのか、分からないのか、
私には分かりません。
でも、ご主人が注ぐ「愛情」は伝わっていると信じています。
You'll never know if you dont know now と、その曲は
締めくくられますが、おじいさんがそう歌った後に
「 でも、Lさんには伝わっていますよ 」と言い、
私が帰らなければならないこと、二人の時間を邪魔しちゃって
ごめんなさいねと告げると
「 いやいや、僕はね、彼女との色んな素敵な思い出をたくさん
思い出して幸せいっぱいなんだ。」と涙をこぼしながらも
精一杯の笑顔を見せてくれたご主人には悲壮感はなく、
むしろ輝いて見えたのでした。