蓬 窓 閑 話

「休みのない海」を改題。初心に帰れで、
10年ほど前、gooブログを始めたときのタイトル。
蓬屋をもじったもの。

靖国神社こそ新興宗教

2020年08月15日 | 昭和とともに
 靖国神社は新興宗教である。
 靖国神社というのは、古代からの由緒ある神社だと思っていた。
 卑弥呼の時代とは言わないまでも、せめて平安時代ぐらいと、なんとなく思いこんでいた。
 ところがまるきり新しいのである。
 
 明治維新の際、多くの神官・宮司が尊皇側について戦った。
 富士浅間神社の宮司も、その一人だった。
 妹の夫は幕臣だったが、幕臣ゆえに殺している。
 維新が終わったとき、上記宮司たちが駿州や遠州で死んだ者を悼み、東京九段に招魂社が建立された。
 残された者たちが、新政府に迎えられた大村益次郎に訴えたのである。
 それもあって、靖国に大村益次郎の銅像が建立されているのだ。
 
 
 その後、日清・日露戦争あたりから、国のために戦った兵士たちが祀られるようになった。
 そもそもは尊皇側の死亡者だけであるから、上野で戦った幕府側の彰義隊は入っていない。
(なのに新選組が入っているのは、その人気ゆえに近々に入れた)
 
 靖国神社は富国強兵を信条とする新興宗教である。
 
 国にために戦った人を祀るのは、いいとしよう。参拝するのもけっこうだ。
 しかし、A級戦犯を入れ、政府要人が祭礼に参加するのは鈍感すぎる。
 A級戦犯を祀ることは、侵略された国にとっては、ヒトラーを崇めるようなものだから。
 政府要人の参拝が、近隣諸国からひんしゅくをかうのは当然である。

 10年ほどまえ、元首相が参拝し、「公人として行ったのではない、内政干渉だ」などと開き直っていたが、
 ほんとの信仰から参拝しているのなら、首相をやめても行くはずではないか。
 今は、たぶん行っていないはずだ。当時は、中国をなめていたから。
 あるいは、〇〇会議の強い要請があったのかもしれない。

 今年は、いつも参拝していた女性閣僚はどうするのだろう。現首相はどうだろう。
 南紗諸島や尖閣諸島沖で中国が脅しをかけているのは、恐いことだ。
 つまらぬ意地を張って、周辺諸国の機嫌をそこねないほうがいい。