4月から学校現場で使用されるという道徳教材『わたしたちの道徳』。文部科学省のホームページを見ると、小学校1・2年生用の教材に、何と「二宮金次郎」が出てくる。
「幼くして両親と死別した金次郎は、おじの家に引き取られた。読書好きの金次郎は夜遅くまで読書をしていたところ、菜種油を無駄遣いするなとおじに怒られた。そこで金次郎は自分で畑を耕して菜種を収穫して読書を続けて立派な人になった」というものだ。
米国教員・作家の冷泉彰彦氏によると、
「これは虐待被害の話です。児童が虐待の被害を受けた場合は、何よりも信頼できる大人を探してSOSを出すことを教えなくてはなりません。ですが、この教材は、その反対に「忍従」を教えています。これ自体に違法性を感じます。これは児童労働の話です。国連を中心に、現在の国際社会では児童労働を根絶するために大変な努力がされています。日本も多くの予算を負担し、実際に根絶のための活動に従事している日本人ボランティアも世界では活躍していると思います。ところが、この教材では児童労働を肯定的に扱っています。外務省と関係のNGOは厳重に抗議すべきだと思います。金次郎は幼くして漢籍の素養があり、中国の古代哲学をベースとした早熟な世界観を持っていた。この点を無視して、児童に「忍従」を強いるというのは単なる野蛮に過ぎません。」
「幼くして両親と死別した金次郎は、おじの家に引き取られた。読書好きの金次郎は夜遅くまで読書をしていたところ、菜種油を無駄遣いするなとおじに怒られた。そこで金次郎は自分で畑を耕して菜種を収穫して読書を続けて立派な人になった」というものだ。
米国教員・作家の冷泉彰彦氏によると、
「これは虐待被害の話です。児童が虐待の被害を受けた場合は、何よりも信頼できる大人を探してSOSを出すことを教えなくてはなりません。ですが、この教材は、その反対に「忍従」を教えています。これ自体に違法性を感じます。これは児童労働の話です。国連を中心に、現在の国際社会では児童労働を根絶するために大変な努力がされています。日本も多くの予算を負担し、実際に根絶のための活動に従事している日本人ボランティアも世界では活躍していると思います。ところが、この教材では児童労働を肯定的に扱っています。外務省と関係のNGOは厳重に抗議すべきだと思います。金次郎は幼くして漢籍の素養があり、中国の古代哲学をベースとした早熟な世界観を持っていた。この点を無視して、児童に「忍従」を強いるというのは単なる野蛮に過ぎません。」
「戦前の修身教育の復活だ。軍国主義の復活だ」というような意味のない批判は避けるべきだが、昔のおとぎ話的ファンタジーを教科書に載せ、子供に自助努力を迫るのはどう考えてもおかしい。むしろ問題があるのは親の方だ。子供の教育に関心のない親、育児放棄の親が増加している。更に言えば、経済的困窮から来る家庭崩壊が子供の虐待を助長しているようにも思える。
子供の虐待だけではなく、ブラック企業を見ると職場環境の劣化も甚だしい。パワハラとかいじめとかを通りこして従業員の虐待が蔓延している。
「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である。」二宮尊徳の名言である。
二宮尊徳は江戸時代の人だが、「商い」が、日本の道徳を醸成し、「道徳」に基づいた経営が、日本を経済大国に押し上げたと言っても過言ではない。
「いいことをすれば、商売がうまくいく!」実際、こんな社訓で日本独特の企業文化が確立され、経済が好循環で回っていた時代があった。
「日本で一番大切にしたい会社」で紹介されている会社にその日本の企業文化が受け継がれている。社員を大事にし、本業の傍ら、利益度外視で世のため人のための慈善プロジェクトを継続する。こんな中小企業会社がまだ日本にあるかと思うと、希望が持てる。大企業はグローバル化し、近頃は外資系でもないのに、買収されたわけでもないのに外国人が経営陣に登用されている。その結果、本業は赤字、積み上げてきた財産の切り売りで不況をしのいでいる始末だ。日本最大の製薬会社武田もこの4月から経営陣が外国人になる。日本企業の金融資産が狙われているのだ。
商人が働き蜂のごとく黙々と巣を大きくし、蜂蜜を貯め、道徳を規範とする企業文化をつくったのは世界的にみると奇跡的だ!
経営者・官僚・政治家に至るまで権力を握ると私利私欲に走るのが世界の一般常識である。
しかし、残念ながら日本は成熟国家であり、最先端の高付加価値産業で食べていくしかない。忍従の思想で訓練して生産性を上げれば、労働集約型の産業でも新興国に伍していけるなどというのは幻想に過ぎない。撤退戦しか選択肢はないと思う。
グローバル化が今後も進み、ブラック禿鷹企業でなければ生き残れない企業風土が世界に拡散する中、人口も経済も縮小する日本で撤退戦を戦う思想がこの二宮尊徳の名言なのかもしれない。
「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である。」
この名言を日本の経営者に周知徹底させる方がどれだけ、日本のためになることか?
かっては小学校の校庭に二宮金次郎の銅像があった。日本の大企業の本社ビルの広場に二宮尊徳の名言碑を建てるべきであろう。
グローバル化が今後も進み、ブラック禿鷹企業でなければ生き残れない企業風土が世界に拡散する中、人口も経済も縮小する日本で撤退戦を戦う思想がこの二宮尊徳の名言なのかもしれない。
「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である。」
この名言を日本の経営者に周知徹底させる方がどれだけ、日本のためになることか?
かっては小学校の校庭に二宮金次郎の銅像があった。日本の大企業の本社ビルの広場に二宮尊徳の名言碑を建てるべきであろう。
報徳思想は二宮尊徳が説き広めた思想であり、経済思想・経済学説である。経済と道徳の融和を訴え、私利私欲に走るのではなく社会に貢献すれば、いずれ自らに還元されると言う豊かに生きるための知恵である。
幕末の農民であった金次郎は農地改革や悪天候に強い作物を広め、藩の財政を建て直し、幾多の村づくりなどに尽力して、後に武士の身分を許された理論と実践の人なのである。
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