オータムリーフの部屋

残された人生で一番若い今日を生きる。

原発給付金、辞退者が倍増

2013-01-02 | 原発
 
明けましておめでとうございます。
いまだ名目上、独身の娘二人がおせち料理を食べにきた。二人ともお金がなくて結婚できない組である。家に帰ってくると持ち帰るものはないかと物色を始める。先日来たとき、手巻き寿司にウニがなくてご不満だったので海鮮丼にウニを飾った。喜んで携帯カメラでパチリ、片手の不思議な指使いであっという間にきれいに加工した写真が出来上がった。結構私もITには強いとは思うが、スマートフォンだけは使いこなせそうにないので、娘から譲り受けたフィーチャーフォンで我慢している。しかし、宝の持ち腐れでベーシックフォンの機能しか使いこなせていない。
 本年もボケ防止のために徒然なるままに書き続けますのでよろしくお願いします。
 
原発給付金なるものが、個人にも配られているのは知らなかった。国はあの手この手、住民を馬鹿にした手を使って、原発54基も建設してきたわけだ。
朝日新聞が調査した結果、その給付金の辞退者が増えていると言う。また、このようなはした金で原発誘致賛成になるとも思えないから、原発反対者のリストつくりに使っていたと見る向きも多い。
 
【大谷聡、白木琢歩】原発の近くで暮らす住民に現金を支給する国の「原子力立地給付金」制度で、受け取りの辞退件数が、2011年3月の東京電力福島第一原発事故を境に前年度の2倍近くに増えたことが朝日新聞の調べでわかった。給付金は「原発推進のための利益誘導」との批判があり、制度への抵抗感が立地住民の間で広がり始めている。
 原子力立地給付金は電気料金を原資に、国から原子力関連施設の立地、周辺自治体へ支払われる「電源三法交付金」の一部。給付事務を担う電力会社を介し、銀行振り込みや郵便為替で住民や企業に公金が直接渡るのが特徴だ。電気の契約形態にあわせて、家庭向け(電灯契約)と企業向け(電力契約)の2種類があり、金額は原発の発電能力などで決まる。
家庭向けに給付金を払う14道県に取材、情報公開請求し、給付状況を調べた。結果、給付対象は103万件で、11年度の給付実績は総額76億円。年間1件あたりの最高が青森県東通村の3万6千円、最低が茨城県茨城町と鉾田市(旧旭村地区)の2172円だった。11年度の辞退数は、集計していない福井県をのぞく13道県で171件。10年度の94件と比べ、1.8倍に増えた。09年度以前も80~90件台で推移しており、原発事故を機に辞退が急増した形だ。増加が目立つのは茨城、福島、青森の3県。茨城は前年度に4件だった辞退数が6倍超の25件になった。福島では原発事故の影響で11年度は7市町村で給付を見送ったが、実施した4市町村で比べると辞退数は前年度の2倍。青森でも8割近く増えた。給付金制度は1981年度に創設。原発への理解と協力を求めるため、立地地域の電気料金を事実上割り引くという趣旨で始まったが、当時、国会で「住民へのばらまき」「原発への協力を買い取る行為だ」と批判が出ていた。
 辞退者については、給付事務を担う電力会社が「反原発派」などと思想信条を記したリストをつくり、自治体側に渡していたことが02年に発覚。以降、自治体側は辞退理由を把握しないように対応を改めたとされる。しかし、辞退するには住民が電力会社に連絡し、書面を提出するなどの手続きが必要で、電力会社が住民の動向を把握できる仕組みは変わっていない。
      
 【白木琢歩】日本原子力発電の東海第二原発がある茨城県東海村。隣接する日立市に暮らす竹永尚義さん(65)は2011年秋、東京電力の営業所を訪ね、1年分の給付金4368円の受け取りを拒否する手続きをした。
 「原発を推進する名目で集めた金は受け取りたくない。原発はいらないという思いを東電に直接知らせたかった」。朝日新聞の取材に思いを打ち明けた。自宅は原発から9キロの近さ。だが、かつて勤めた電機メーカーは原子炉の製造も請け負い、「原発はあるのが当たり前。原子力に特別な関心はなかった」と言う。毎年振り込まれる給付金も意識せずに受け取ってきた。そんな考えが一変したのは福島の事故だ。放射線量を自宅の畑で調べると測定器が反応した。国や東電のずさんな安全管理が次々に明らかになり、怒りがこみあげた。「放射能にまみれた世界を子や孫に残すのはご免だ。今後も給付金は受け取らない」。竹永さんはそう決意する。
 
 中国電力島根原発(松江市)の増設反対活動にかかわってきた芦原康江さん(59)は逆に、「給付金は少額。『口止め料』の意味があるとは思えない」と言う。「わざわざ辞退するのは反原発への思いが強い人。誰がそうなのかを知る道具として使われてきたのでは」と疑う。
 国内で唯一稼働する関西電力大飯原発がある福井県おおい町。無職の男性(68)は再稼働を批判的に見てきたが、給付金は受け取り続けている。「もとは自分も払った電気料金だし、もらえるのは権利」と思う。一方で「心にずっとひっかかるものはある」と明かした。
 九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の周辺自治体にあたる唐津市。自営業の男性(55)も11年、自宅と店舗の2契約分、計9624円を受け取ったが、東日本大震災の義援金に全額を寄付した。給付金を「原発に反対するなという口止め料」と批判的にみているが「そもそも辞退できるものと知らなかった」と話す。
 東電柏崎刈羽原発に近い新潟県長岡市。脱原発団体で活動する女性(57)は年に数件、給付金について「気味が悪い」「返したい」と相談を受ける。「給付金を受け取ったからといって原発に賛成する必要はない。これは近くに原発があることの迷惑料。受け取っていい」。女性はそう助言している。

 【大谷聡、大高敦】「電気料金の一部を、国からの交付金として立地自治体に回すシステム。これがなければ(国内に)54基も原発ができることはなかった」。給付金制度をふくむ「電源三法交付金」について、旧通産省の事務次官経験者はこう話す。
 なかでも給付金制度では、立地自治体ではなく、住民の懐に直接現金が入る。関係者によると、その発想は、73年、当時の田中角栄首相が「地元に対し、恩恵を受けられるようなことは考える」と電気料金の割引を示唆したとされる国会での発言に由来するという。
 ただ、電気料金は電気事業法で公平性が義務づけられ、地域ごとの割引はできない。そのため、国や自治体、財団法人などを経て給付金が払われる複雑な仕組みが81年度にできあがった。
資源エネルギー庁幹部は「地域住民にもメリットを差し上げないと、なかなか電源立地の円滑な推進はできない」などと答弁。給付金制度は「臨時的な措置」とも述べた。しかし、制度は現在まで約30年間続いている。

 《全国市民オンブズマン連絡会議事務局長の新海聡弁護士の話》 給付金を受け取るかどうかで原発賛成派・反対派の色分けが一定程度なされる仕組みになっており、プライバシーの面からも問題だ。電力会社の現場で反対派を探るシステムとして使われてきた恐れもある。制度が続く限り、原発に反対する人たちは声を上げにくい。制度そのものをなくすべきだ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿