オータムリーフの部屋

残された人生で一番若い今日を生きる。

女性極右4人組のオッサン思想

2014-09-28 | 政治

安倍首相は過去最多となる5名、党三役の政調会長を加えれば、6名の女性閣僚を誕生させた。
 6名のうち、高市早苗総務相、山谷えり子拉致問題担当相、有村治子女性活躍担当相、稲田朋美自民党政調会長は、ネトウヨとツーショット写真を撮りまくる年増アイドル極右4人組である。極右といっても改憲や軍備増強、人権制限、靖国参拝、従軍慰安婦を肯定しているだけなら、安倍政権の目玉なので、目くじらを立てることもない。この人選がとんでもないのは、「女性の活用」の象徴として登用されたにもかかわらず、4人とも女性の権利や自立、社会進出を阻む時代錯誤の政治家だということだ。

水井多賀子氏の「母乳強制、DV擁護、中絶禁止…安倍内閣・女性閣僚の「反女性」発言集」という記事が今、ネットで拡散中である。聞いたこともない無知蒙昧発言も多数収録されている。

 
山谷えり子
 山谷は2007年、教育再生担当として内閣総理大臣補佐官を務めていた頃、「親学に関する緊急提言」を出そうとした。「親学」というのは、「児童の2次障害は幼児期の愛着の形成に起因する」という教育理論を掲げるもので、子どもを産んだら傍にいて育てないと発達障害になるから家にいろと言う子育て論を展開する。障害者団体などから「障害者に対する差別を助長する」との批判を受けている。
 本ブログでも取り上げた親学推進議員連盟の会長はもちろん安倍晋三氏。科学的根拠を欠いた発達障害に関する主張と時代錯誤の家族観を掲げる「親学」はたびたび物議を醸してきた。事務局長は下村博文文部科学大臣、新入閣した山谷えり子拉致問題相と有村治子女性活躍担当相や入閣するはずだった橋本聖子氏も名を連ねている。
 議連は、親学を具現化する議員立法の提出を目指している。もし成立を許せば、女性の活躍どころではない。
「親学」の提唱者の高橋史郎氏は、2000年代の性教育バッシングやジェンダーフリー・バッシングで主導的な役割を果たした人物で、日本国憲法、女子差別撤廃条約、男女共同参画基本法の理念にも反対したことがある。夫婦別姓にも反対しているにもかかわらず、安倍政権の男女共同参画会議に起用されたことがあった。
 山谷は「結婚が女性の生き方として生物学的に理にかなっている。」と言い切るタイプの男尊女卑思考に染まったオッサン政治家で、その考え方は結婚しない女は生物学的に劣ると言う差別観につながる。(山谷はジェンダ―はオッサンではないが、内部思考がオッサンだ。)
 性教育に関する言動も無知蒙昧の類だ。
 
水井多賀子氏の記事によると、
 05年、山谷は安倍氏が座長である「過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム」の事務局長を務め、当時、一部の公立学校で行われていたオープンな性教育を徹底批判した。性教育を封印した結果、若年層の無知からくる望まない妊娠や性感染症が増加の一途をたどった。昨年放送された『ニッポンの性教育』(中京テレビ制作、第51回ギャラクシー賞優秀賞受賞作)の取材で、山谷は“性教育のあり方”について、次のような持論を展開している。
「ほんとうに子ども時代はですねえ、ちょうちょが飛んでいる姿、お花がキレイに咲く姿、昆虫が一生懸命歩いている姿、それで命の尊さというのは私達は十分学んできたんですよね」
 ──昆虫や植物を見て性を学べ。思わず呆然としてしまう回答だが、ディレクターが「具体的なことは教える必要はないということですか?」と質問すると、山谷は「結婚してからだと思いますね」と答えたのだ。性教育は結婚してから……この珍回答には「ちょうちょが飛んでるのは議員の頭の中であることに異論はあまり無いと思われる」と、ネット上で失笑を買う事態となった。

有村治子
 女性活躍担当相なのに、女性の社会進出や家庭との両立のための環境整備などについてこれまで語ったことがほとんどない。
 女性問題に無関心な一方で有村は夫婦別姓や人工中絶に反対している。人工中絶反対運動の団体「天使のほほえみ」主催の講演会で、下記のように語っている。
 
 私は「いのちの重み・家族の絆・国家の尊厳」をモットーに、政治に関わってきた。 国政の決断で迷いのある時など、一人で靖国神社にお詣りして、英霊にお尋ねする。
   私に二人目がようやく四年目に授かって、悪阻がひどい私を見て、娘が「お母さんがこんなに辛いのをこらえてお腹の赤ちゃんを大切に育てている事を、生まれてくる子に知らせたい。」と言ってくれた。自分のよく行く美容院の茶髪のヤンキーの美容師さんが、「僕の誕生日には、『僕を生んでくれてありがとう』と、母にプレゼントするのです。」と言っていた。
  私達がこうして生きて集えるのも、それぞれのご先祖たちが、どんな苦難のときにも、戦塵の中でも、子供を守ろうとがんばってきて下さったからだ。そのお陰で今の私達が存在している。直系のご先祖の一人でも欠けていたら、私達の命はなかった。この大切な命を次につなげていかなくてはと思う。
 「皆がお腹に赤ちゃんのいる妊婦さんを大切にする社会にしたい」と思い、関西地方で使われていたマタニティーマークを国政に取り上げた。全国共通の図柄にし、東京都下を始め、全国のJR・私鉄・地下鉄・バスを含め16社が、自らの費用で、それも生まれた赤ちゃんがなめて遊んでも身体に悪くない日本製のマークを作り、妊婦さんに無料で駅で分けて下さっている。
 「権威ある国」と言うのは、『感謝に満ちた国』であると思う。皆が起きる前から新聞を配達してくれる人、ゴミを集めてくれる人、トイレの掃除をしてくれる人など、殊に自らの命を顧みず国民のため働いてくださる自衛官・警察官・消防官を尊重する国にしたい。
  いつから日本は、「子供ができた・できない、作った・作らない、堕す・堕さない」などの言葉を使う国になってしまったのか。その頃から、子が親を殺し、親が子を殺す世相になってしまったのではないか。 これからは、『神様から、仏様から、天から、ご先祖から、子供が授かった』という言葉を使いたい。
  今日本では年間100万人の子供が生まれている。それに対し、中絶は報告されているだけで、25万人いる。この事を政府は一切言及していないのが、とても悔しい。
 
 明治以前の「間引き」という事象を知っての発言なのだろうか。間引きは産婆さんが出産後、産湯で溺れさせる、首を絞める、濡れた紙を顔に乗せて窒息させるのが一般的な方法だったと言う。障害を持って生まれた子にも適用されたそうだ。少子化対策は「産めや増やせや」と子どもの増産を迫っている節がある。戦争中は国を挙げての大合唱となった。21世紀の一見平和な日本において、なぜ「産めや増やせや」と国が音頭をとっているのか。それは少子化によって国力が衰えるからだと思われている。なぜ税収が減り、労働力が不足して国力が衰えると困るのか。それは富裕層や支配層の現状を保ちたい、もっと儲けたいと言う欲望があるからだ。富が偏在する世の中で人口を増やすことは不幸な人間を増やすことにつながる。非正規の労働者は4人に一人、年収は二百万円以下だと言う。公共事業で無駄使いし、余計な予算を組むことで将来へ膨大な借金を残し続けている。国土を考え、資源を考えたら、日本の適正人口は6000万人との説もある。国力がアップしても4%の富裕層がますます富むだけで、中間層が下層に転落し、90%の下層民が困窮する傾向はますます顕著になっていくだろう。
 

高市早苗
「先の戦争は侵略戦争ではなかった」「国会デモを取り締まれ」「福島原発で誰も死んでいない」などの発言で一躍有名になった高市早苗総務相。
夫婦別姓には反対の立場だが、本人は結婚後も旧姓を名乗っている。
 高市氏の場合はオッサンに気に入られようと、タカ派発言をしているだけで大した信念はないのかもしれない。
女性の社会進出については、一貫して「女性だからという理由で優遇されるのはおかしい。男と同じ条件で競争すべきだ」と主張している。安倍首相が打ち出した「2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%以上とする」という目標についても、数値目標をたてるのは女性というだけで優遇する逆差別だと反対している。
 日本は、先進国の中では男性優遇社会であるのだから、女性登用の機運があるのなら、それに乗っかって女性進出を推進するのが、女性閣僚としての務めだろう。
 自分がいかに男社会の中で、うまく媚びながら出世の階段を上がってきたかを顧みて、後進の女性が公正に競争できるような環境整備をしようという気持ちはさらさらないようだ。

 高市氏が感情を剥き出しにしたのが、昨年、最高裁で婚外子の遺産相続分を嫡出子の半分とする民法規定が違憲とされた判決だった。
 安倍首相を筆頭に、自民党には昔ながらの家族制度を守ることが重要だと考える保守派オッサンが多い。高市政調会長が最高裁の違憲判決を「ものすごく悔しい」と発言したのにはあきれたが、党本部で開かれた法務部会でも、婚外子の格差規定撤廃に反対する意見が相次いだ。漏れ聞こえてくる発言が凄まじい。
 「正妻の子と愛人の子を同等にしていいのか」
 「保守政党として家族を重視する姿勢を打ち出すべきだ」 
 「どうしても格差撤廃の法改正をするのなら、正妻への手当拡充とセットにすべきだ」
 耳を疑う発言だが、部会では拍手喝采。愛人だと“手当”がないから、相対的に婚外出産が減るという発想らしい。
 「司法の暴走だ」
 「最高裁が変な判断をしたら、国会議員が拒否しないといけない」
 「そもそも今の憲法が常識に欠けている」
 「だから憲法改正すべきなんだ」

 憲法を守り、決めた法律には従う。それが法治国家の基本なのに、三権分立のイロハもわかっていないような妄言だ。最高裁が違憲と判断したら、立法府が速やかに改正手続きに入るのは当然のことなのに、司法の暴走だとか、憲法が悪いと言うのだから馬鹿としか言いようがない。
 高市はネット上で「高市早苗『妾の子を差別できなくて悔しい!』発言」と揶揄されたが、愛人問題で苦労でもしたのかな?と勘繰りたくなる。

稲田朋美
水井多賀子氏の記事によると、
 稲田氏は男女共同参画社会基本法に対し、「女性の割合を上げるために能力が劣っていても登用するなどというのはクレージー以外の何ものでもない」、「働いているお母さんの方が、家で家事をしたり子育てしているお母さんより偉いという風潮はおかしいですね」と、社会進出する女性の足を引っ張るような発言をしている。
 稲田の発言で驚愕するのは、男性によるDVを擁護していることだ。「いまや「DV」といえばすべてが正当化される。DV=被害者=救済とインプットされて、それに少しでも疑いを挟むようなものは、無慈悲で人権感覚に乏しい人といわんばかりである。まさに、そこのけそこのけDV様のお通りだ、お犬さまのごとしである」「DVという言葉が不当に独り歩きすれば、家族の崩壊を招きかねない」
 さらに、稲田は 以下の理由で“尊属殺人規定を復活せよ!”という主張もしている。
「家族を特別視しない価値観が蔓延すれば、地域共同体、ひいては国家というものも軽んじるようになってしまいます。帰属意識というものが欠如して、バラバラの、自分勝手な個人だけが存在するようになるでしょう」(ケイアンドケイプレス「月刊日本」08年3月号)
 どうやら稲田は、家族の絆というよりも家父長制度の復活を願っているかのようだが、それもそのはず。稲田は父権思想の統一教会との関係も取り沙汰されており、統一教会の“偽装組織”である世界平和女性連合の集会にも参加している。この世界平和女性連合は、正体を隠して小中学校などで性教育の講師をつとめ、統一教会の“純潔教育”を布教したり、「つながりをつけた教師や父母を講演会に誘い、入信や霊感商法に誘導」(「しんぶん赤旗」08年5月5日号)したりしている組織だという。まさに主張も人脈もカルトだらけということだろうか。
 ちなみに、稲田は徴兵制にもご執心だ。「正論」11年3月号に掲載された元空将・佐藤守との対談では、「日本独自の核保有を、単なる議論や精神論ではなく国家戦略として検討すべき」と主張。徴兵制にも高い関心を示し、対談相手の佐藤が現状では必要ないと言っているにもかかわらず、「教育体験のような形で、若者全員に一度は自衛隊に触れてもらう制度はどうですか」と提案し、「「草食系」といわれる今の男子たちも背筋がビシッとするかもしれませんね」と締めくくっている。

徴兵制、DV擁護、尊属殺人罪の復活、親学の強制、非嫡出子の差別・・・・彼女たちが女性の社会進出にプラスになるとは到底考えられない。
安倍首相の「全ての女性が輝く社会」とは、人選を見る限り、前時代的な男女の役割分担がふたたび強化され、女性の権利や生きかたが制限される。しかも女性の手によって・・・・・
裕福な家庭の専業主婦に誰もがなれるのならそれもいいが、女性も子育てしながら働かなくては生きて行けない世の中である。子育てと低賃金の単純労働に命をすり減らし、子供にも見放される・・・・そんな哀れな構図が透けて見えるのに敢えて子供を産む不幸を背負うものはいないだろう。

 差別される側の女性であるのに、オッサン思考を率先して唱えてるというのは、オッサンに媚びることで、男性優位社会で出世を企んでいるのか?
 OECD加盟国での男女賃金格差がワースト2位、世界経済フォーラムの男女平等ランキングは対象国136ヵ国中105位という圧倒的な男性優位社会である日本の現状において、男性に気に入られることでしか出世の階段を登れないのは確かなことだろう。

 そもそも女性の活用という言葉をそんな気持ちがかけらもない安倍氏が使うのが気味悪い。ネオナチ4人組にオッサンの代弁をさせて女性の力を削いでいくわけだ。

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