ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「 アルテミスの涙 」  下村 敦史

2022-01-18 20:34:41 | 
          「 アルテミスの涙 」 下村 敦史 

              

昨年10月に新聞の広告で目にしました。 見出しに、閉じ込め症候群で寝たきりの患者が妊娠した。命の倫理に迫る衝撃の医療ミステリー。
どういうこと?と興味を引かれ、さっそく申し込んでいたのが、やっと届きました。 
私の後にも数人予約待ちが印字されているので、すぐに読みましたが、読みやすく2日で読めました。
~~~~~ネタバレあり
交通事故で、閉じ込め症候群( ロックドインシンドローム )になり、江花病院に入院している水瀬真理亜は、四肢が麻痺して意識があるが瞬き以外体は動かない。
なのに、或る日妊娠していることが判明。寝たきりの女性が一体誰に妊娠させられたのか?
1日目、読みかけて半分で妊娠させた犯人は予想出来ました。2日目で犯人が妊娠させた方法と理由が分かり、読み終えましたが、ツッコミどころ満載でした。

前にテレビで、体が動かず、瞬きしかできない患者さんが、医師の質問に、瞬きの回数でイエス・ノーと答えたり、文字盤を使って瞬きでコミュニケーションを取っているドキュメンタリー番組を観ました。
優秀な脳外科の先生なら、産婦人科の先生がこの方法で会話するまで知らぬはずがないと思いました。やっぱり、知っていたんですね。
事故は、交通事故でなく結婚を許してくれない親に反発しての心中事件で、相手も閉じ込め症候群になっていて同じ病院に入院中。 二人共、同じ閉じ込め症候群になるのは、どんな確率?
脳外科医の森高先生に協力を頼み、二人の意思で妊娠して、祖父母に育ててもらうつもりらしいが、あまりにも無謀すぎます。
20代の本人たちの親は50代、祖父母はたぶん70代。私の友人のように元気な70代もいるけれど、今、私がひ孫を育てることは、たぶんできないと思う。
数年はできたとしても、介護が必要な両親とすぐ介護が必要になる祖父母に育てられる子供が不憫です。最終的には両親が孫を育てるとは思うけれど。
森高先生は事件発覚後、レイプ犯の汚名をきて警察に逮捕されて沈黙。先生の過去にも同情はするが、中絶されてしまう危機があるのになぜ本人たちの意思だと伝えなかったのか?
障害のある人が子供を産む場合は、周りの万全のフォローが必要不可欠です。子供の幸せを考えて、みんなで助けてお手伝いできる体制でないと。

真理亜は祖父母が味方だと言っているけれど、それじゃあ、なぜ、心中する前にじっくり話をしなかったのかな? きっと助けてくれたはず。
子供を産むことが彼と彼女の生きる希望になったとしても、子供の人生を考えると、子供を産む事だけが愛だとは決められない。
これで良かったのか、モヤモヤが残る終わり方でした。


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