ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「 i 」 西 加奈子

2020-07-05 00:52:39 | 
          「 i 」 西 加奈子

                 

新聞広告で、「 続々重版!29万部突破! 」の文字に惹かれ図書館にリクエスト。
西加奈子さんの本は「 サラバ 」を読んで2冊目。確か、上下で長編だったな。
読み始めて、重いなと感じました。
~~~~~ネタバレ
主人公のワイルド曽田アイ。1988年生まれのシリア人。アメリカ人の父ダニエルと、日本人の母綾子の養子としてニューヨークへ迎えられる。
裕福な家庭で何不自由なく育っているが、常に、自分は選ばれて恵まれた環境にいるが、反面、選ばれずにシリアに残っている誰かに罪悪感を覚えている。
ノートに海外の大きな出来事の死者の数を書き留めている。 
ダニエルの仕事の都合で高校の時に日本に来るが、最初の数学の授業で先生に「 i 」には虚数という意味があって( この世界にはアイは存在しません )と習う。
その言葉が文中に何度も繰り返し出てくる。 アイは数学に魅了され、好成績で大学、院へと進む。
友人ミナに支えられ、原発反対のデモで知り合ったユウと結婚し、体外受精で子供を得ようとするが流産。 

アイは、突然、悟る。 不幸にも亡くなった人々すべてに「 生まれてきてくれてありがとう 」すべての命の誕生に祝福をするでしょう と。
自分の存在も確かにここにある。 「 この世界にアイは存在する 」と、確信する。 
~~~~~
ノーテンキに生きてる私には少々難しかった。数学が苦手で、算数で挫折している身としては。
世界で戦争や虐殺、テロや災害や事故で亡くなった人々のニュースは確かに新聞やテレビで知り、その時は心を痛めているけれど、しばらくすると日々の生活で記憶は薄れていく。
アイほど深くいつまでも書き記してまで思いつめ自分の生活にまで影を落とすこともなく。
アイは繊細な人で、シリアという祖国が悲惨なため、余計に自分だけ幸せでいいのだろうかとの葛藤が生まれるのだろう。
理解ある両親と、親友のミナ。やさしい夫のユウに囲まれ、これからは幸せに暮らせるでしょう。

外国では人種など関係なく裕福な家庭がアフリカやアジアやその他の国の孤児を養子に迎える事が多くあるが、日本は単一民族で外国人の養子に慣れていない。
アメリカで今問題になっているように一部で人種差別が横行していて、日本人もかなり差別されるそう。難しい問題です。

「 サラバ 」の感想を読み返してみると、読みずらい本で時間がかかったと書いていました。
書いていることはよく理解できるけれどそこまで自分を追い込まなくてもと思ってしまいます。レビューでは絶賛されていましたが、私は西加奈子さんは苦手かも。 

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