ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「 カプグラの悪夢 」  逢坂 剛

2015-07-28 21:20:16 | 
   「 カプグラの悪夢 」  逢坂 剛

      

題名の「 カプグラ 」の意味が分からず、まず調べると、
家族、恋人、親友などが、瓜二つの替え玉に入れ替わっているという妄想を抱いてしまう精神疾患の一種で、カプグラ症候群のこと。フムフム

現代調査研究所の岡坂晋作が主人公の短編サスペンス5編。
時々、友人の弁護士・桂本忠昭が、厄介な問題を持ち込んでくる。

「 カプグラの悪夢 」
田所清吉から3年前に失踪した娘婿の納谷重昌を探して欲しいと依頼される。
よく似た男を見つけ会いに行くが、私は増尾昇だと言い張る。
途中でからくりが予想できるストーリーだが、娘のちづるがエレクトラ・コンプレックスの無游症で、
一応事件は解決したけれど、結末はすっきりしなかった。

「 暗い森の死 」
エスニック友好協会の発足パーティーでロシア人・ドムスキーとドイツ人・クルーゲが「 カティンの森の虐殺事件 」を巡って口論を始める。
桂本と岡坂は、日を改めて2人の話し合いの立ち合いを頼まれる。
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カティンの森の虐殺事件を知らなかったので調べました。

ナチス・ドイツと、ソ連の両国にポーランドが攻撃され、両国にたくさんの軍人、民間人が捕虜として連行され、
1943年カティン近くの森で、多数のソ連側の捕虜が、後ろ手に縛られ銃殺されて埋められているのが見つかりました。
遺体は3年以上経過していて、1940年春に銃殺された証拠が見つかり、NKVDの関与が疑われました。
将校のほかに、大学教授、医者、弁護士、技術者、教師、作家、ジャーナリスト、パイロットなど、
ポーランドを支配するのに邪魔な、ポーランドの柱となる知的エリートや知識階級の人々が殺害され、
ソ連はドイツの仕業と言い、ドイツはソ連の仕業だと言い、のちに調査団の声明が発表されました。
知らなかったとはいえ、悲しい戦争の爪痕、悲惨な戦争の歴史に唖然としました。
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「 転落のロンド 」
小山田セツコが、土手から線路に落ちて死亡しているのが発見された。
阿曽信吉が自首してきたが、調べるうちに息子をかばっているようで、実は息子は友人をかばっているようで、
二転三転、犯人はいったい誰なのか? 殺されたセツコの裏の顔が明らかになる。

「 宝を探す女 」
「 過ぎし日の恋 」
30年前に付き合っていた彼女の幸せを願う男の心温まる話。


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