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豪州日記&よしなしごと Since 2005/6/16

フランクとその家族

2007-06-07 17:24:24 | よしなし日記
うちの会社の経理を担当しているフランクというおじさんがいる。
何かにつけて、かまってくれる気のいいイタリア系のおじさん(この前ふと「俺の両親はシチリア島出身なんだけどさぁ」と言った時にはちょっとびびった。映画の見すぎなんだが、シチリア島からの移民といったら、もろゴッドファーザーとか蒼々たるイタリア系マフィアの出身地。彼はオーストラリア生まれなんだけど、恐らく両親の影響で、イタリア系移民特有のアクセントがある)。

彼の口癖は「人生は金じゃない、家族だよ。君らはITの知識があるから、うまいことやれば将来ベンツやBMWに乗ってるかもしれないし、最近のオーストラリアは完全に金儲け主義だけど、大事なのは家族だって忘れないことだよ。仕事は二の次さ」で、いつもそう言ってる。
そして、とてもフレンドリーで気軽にいろいろな人に挨拶するので、ビル中に知り合いがいる。

そのフランクが新しいノートPCを買って、セットアップを手伝ってほしいというので、昨日仕事後に彼の家にお邪魔することになった。ついでにいらなくなったデスクトップPCを譲ってもらってLinuxマシンにしようと。
結構田舎にある家でメルボルンから30Kmくらいにあるんだが、超豪邸(俺らの感覚では)。まぁ田舎は土地代が安いからねぇ、と言っていたけど、今まで入ったなかで一番でかい家だったなぁ。

お邪魔すると、まず若作りな奥さん(学校の先生しながら、オペラ歌手!)が挨拶に出てきてコーヒーを作ってくれた。
で、PCセットアップ終わった後に夕飯も食べていったら?というのでご馳走になることに。二人の高校生の娘もでてきて5人で食事したんだけど、皆んな超礼儀は正しいし、フレンドリーだし、高校生とは思えないくらい大人っぽいこと言うし、出てきたパスタは超うまいわで、なんか「あー、これがこっちで言うところの健全な家族像なのかなー」と思ってしまった。
きっとこれはフランクの口癖に表れているように、彼と奥さんの長年の努力の賜物なんだろうなぁと。毎日8時に出社して4時半に帰る気持ちも分かる。

食事の後に娘さん達は皆の皿を下げ、明日試験があるから勉強するといって部屋に戻っていったので残った3人で話をした。
移民の話になり、奥さんもイタリア系なんだけど、「今はいろんな国からの移民がいて、自分の文化を尊重しながら生活できるわよね。でも私達の両親の世代はイタリア系移民は、どうにかしてオーストラリア人(恐らくイギリス系からの移民のことを指してると思われ)に同化しないと生活するのが難しかったのよ。」と。
あと、「例えばギリシャ人とかは移民した国で団結してギリシャ人コミュニティーを作るけど、イタリア人はそういう団結意識が低いからばらばらになるのよね。イタリア本国でも最近まで南北で分裂していたから、”シチリア島出身”というレベルでは団結意識はあっても、イタリアという国レベルでの団結意識がないんだと思う。そういうわけで私達の両親の時代から私達が小さかったころまで苦労があったのよ。人種差別までいかないけど、両親の時代はからかわれたりして苦労したみたい、特にメルボルンじゃなく田舎に住んでいたし。」とのこと。
へー、そうなんだ。とへー連続。
オーストラリアって今日でこそ他民族国家だけど、いろいろあったんだよなぁ。白豪政策とかも昔習ったような。
あと、ヨーロッパ系の移民ってすんなりオーストラリアの本流に溶け込んだのかと思ったけど、それはそれで苦労があったんだなぁ、と。

いろいろ勉強になった一日ですた。




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