<3回戦 鹿児島城西(鹿児島) 7-1 宇都宮白楊(栃木)>
3試合連続で2得点するなど今大会絶好調の鹿児島城西のFW大迫勇也
鹿児島城西(鹿児島城西)のFW大迫勇也が小さなステップでドリブルを始めたとき、次の光景は予測できなかった。左右で小さくボールを触ると、コンパクトなシュートモーションで左足から弾丸一閃。シュートを打つつもりなのだと気づいたときには、ボールがゴールネットに突き刺さっていた。J1鹿島アントラーズ入団が内定している超高校級プレーヤーの才能を見に来た観客は、きっと満足して帰ったに違いない。
2発目も強烈だった。左サイドの深い位置でボールを持つと、相手を背負った状態から一気にターンフェイントで宇都宮白楊(栃木)のマーカーを振り切ると、角度のないところから、GKが触れることのできない速さでファーサイドへ右足シュートをたたき込んだ。3試合連続2得点の通算6得点で、得点王争いの首位を走る。本人は「気にせずに1試合、1試合を戦っていきたい」と話すが、平山相太(FC東京)と石黒智久(カターレ富山)の持つ1大会最多得点記録(9点)の更新も狙える勢いだ。
■4アシストを含め全得点に絡む
鹿児島城西の大迫勇也は厳しいマークに受けながらもチャンスを確実に得点に結び付けている
試合会場の市原臨海競技場では、得点者のほかにアシストをした選手の名もアナウンスされる。この日、大迫勇の名がコールされたのは2得点4アシストで6回。それ以外でも攻撃の起点となり、チームの7得点すべてに絡む活躍を見せた。182センチの長身を支える足元のタッチは柔らかい。前線でボールを受け、相手の意識が背番号9に集中した瞬間、最終ラインの裏へふわりと柔らかいパスを通す場面も目立った。
鹿児島城西の小久保悟監督は、「まだ周囲を使うべき状況でパスを出さずに崩しに行っている場面がある。もっと周りを使えば、自分自身の得点機会も増えるはず」と厳しいが、ボールを持てばチャンスが生まれるという期待感にあふれるプレーだった。敵将・只木章広監督も、「ゴールに向かっていくスピードがあるし、日本人にはないようなシュート感覚を持っている。さらに、その状況から味方を使うこともできる。代表クラスの力を持っていると思う」と、賛辞を惜しまなかった。
■鬼門の準々決勝を乗り越えられるか
好調のエースに引っ張られ、チームの状態も上向きだ。小久保監督は、「今日は攻撃から守備の切り替えが遅かったし、まだ修正点はあるが、緊張感がほぐれて徐々に良くなっている。攻撃に連動性が生まれてきた。チームの出来は80から90点」と手応えを話す。
しかし今季、高校総体、高円宮杯ではともに準々決勝で敗退しており、次戦がひとつのヤマ場となる。小久保監督も「次に勝てば、乗ってくるのではないですかね」と、タイトル奪取への分岐点として見据えている。この日の試合終了間際、正GK神園優が決定機の阻止で一発退場となったため、次戦は出場停止。正念場で試練が訪れたが、圧倒的な破壊力は、その鬼門を打ち破るために磨かれてきたはずだ。(スポーツナビ)
3試合連続で2得点するなど今大会絶好調の鹿児島城西のFW大迫勇也
鹿児島城西(鹿児島城西)のFW大迫勇也が小さなステップでドリブルを始めたとき、次の光景は予測できなかった。左右で小さくボールを触ると、コンパクトなシュートモーションで左足から弾丸一閃。シュートを打つつもりなのだと気づいたときには、ボールがゴールネットに突き刺さっていた。J1鹿島アントラーズ入団が内定している超高校級プレーヤーの才能を見に来た観客は、きっと満足して帰ったに違いない。
2発目も強烈だった。左サイドの深い位置でボールを持つと、相手を背負った状態から一気にターンフェイントで宇都宮白楊(栃木)のマーカーを振り切ると、角度のないところから、GKが触れることのできない速さでファーサイドへ右足シュートをたたき込んだ。3試合連続2得点の通算6得点で、得点王争いの首位を走る。本人は「気にせずに1試合、1試合を戦っていきたい」と話すが、平山相太(FC東京)と石黒智久(カターレ富山)の持つ1大会最多得点記録(9点)の更新も狙える勢いだ。
■4アシストを含め全得点に絡む
鹿児島城西の大迫勇也は厳しいマークに受けながらもチャンスを確実に得点に結び付けている
試合会場の市原臨海競技場では、得点者のほかにアシストをした選手の名もアナウンスされる。この日、大迫勇の名がコールされたのは2得点4アシストで6回。それ以外でも攻撃の起点となり、チームの7得点すべてに絡む活躍を見せた。182センチの長身を支える足元のタッチは柔らかい。前線でボールを受け、相手の意識が背番号9に集中した瞬間、最終ラインの裏へふわりと柔らかいパスを通す場面も目立った。
鹿児島城西の小久保悟監督は、「まだ周囲を使うべき状況でパスを出さずに崩しに行っている場面がある。もっと周りを使えば、自分自身の得点機会も増えるはず」と厳しいが、ボールを持てばチャンスが生まれるという期待感にあふれるプレーだった。敵将・只木章広監督も、「ゴールに向かっていくスピードがあるし、日本人にはないようなシュート感覚を持っている。さらに、その状況から味方を使うこともできる。代表クラスの力を持っていると思う」と、賛辞を惜しまなかった。
■鬼門の準々決勝を乗り越えられるか
好調のエースに引っ張られ、チームの状態も上向きだ。小久保監督は、「今日は攻撃から守備の切り替えが遅かったし、まだ修正点はあるが、緊張感がほぐれて徐々に良くなっている。攻撃に連動性が生まれてきた。チームの出来は80から90点」と手応えを話す。
しかし今季、高校総体、高円宮杯ではともに準々決勝で敗退しており、次戦がひとつのヤマ場となる。小久保監督も「次に勝てば、乗ってくるのではないですかね」と、タイトル奪取への分岐点として見据えている。この日の試合終了間際、正GK神園優が決定機の阻止で一発退場となったため、次戦は出場停止。正念場で試練が訪れたが、圧倒的な破壊力は、その鬼門を打ち破るために磨かれてきたはずだ。(スポーツナビ)