OLMECA

今宵こやつをやらかしている最中。

まづは、ストレートで香りヨシ！を確認し、お次は「ショットガン」。気の利いたショットグラスもなくガラスのお猪口。
　うまく泡立つわけもなく直ぐに挫折し”ええーいめんどくさい”と、でかいグラスに１：１でソーダ割りを。2杯で就寝。

と、一時間後に起き出して本格的に楽しむぞと、教科書通りにストレートを胃に放り込んで塩を舐め、レモンをかじる。初めの一杯は脳天に利く。万が一のためチェイサーを準備。暑さのためヘッドフォンをはずしスピーカーからLOS　LOBOS、TRIO　LOS　PANCHOS、なにせ”LOS”がつけばメキシカンだと思っている。そのうち、アルゼンチンタンゴもスパニッシュもメキシコになってくる。この際英語じゃなけりゃなんでも有りか？と、フリオ・イグレシアス。

MARIACHISの数曲に入る。今夜は暑くしかも長くなる予感。OLMECAもいい感じで利いてきて手足には脱力感。これ、氷り入れたらまだまだやばそう。このまま飲ろう。

　男は今日も行きつけのバーへ。小さくシンプルに店名の書かれた扉を開ける。「いらっしゃいませ。」静かに流れるマイルスの中で、マスターがグラスを磨きながら迎える。（おや、今日は珍しく先客がいるようだ。）マスターのものとはちがうシガーの香り。薄暗いカウンターの端には女の客。ルージュに彩られた唇と、立ち上る紫煙がライトに浮かんでいる。
　「マスター、いつものやつ、ノーチェイサー。」注文してタバコに火を付ける。（バーボンをストレート、これがオレ流さ。）
　ライトに照らされた３服目の煙を目で追っている時にカウンターにグラスが置かれる。おもむろに一口。と、　（！！！しまった！女に気を取られ多目に飲んじゃったよ、うぅ、むせそうだ、みず、水がほしいのよぉ、だけどノーチェイサーって言っちゃったよぉ～。かっこわりぃ～よ～、あぁ、もうだめだ、咳こんじゃう・・・）って、その後思いっきり無様にあえぐ男に女もつられてカクテルを噴出す。かくしてこのバーは修羅場と化すのであった。所詮お笑い者の”バーフライ”でしかなっかた君らの美学とは・・・？

水ぐらいただだもの、もらっときゃよかったのに・・・と馬鹿な妄想に別れを告げてメキシコのたびは続く。
再びVaya　con　Dios（神と共にあられます様）さよなら。