子供の頃、誕生日パーティーと言えばイチゴのショートケーキが出てきた。
招待した他の子供は喜ぶ。
みんな口の周りをホイップクリームだらけにしながら、ケーキを頬張っていた。
私はこの生クリームが嫌いなのだ。
スポンジケーキも余程本格的な美味しいものしか好まない。
だけど子供はケーキが好きと言う大人の思い込みに対して、当時の私は逆らう気力を持てなかった。
よく考えれば、私はお菓子類もあまり好きではない。
時々強迫観念に駆られたようにポテチが食べたくなったりするが、お菓子を食べない日の方が圧倒的に多い。
ただこれは自分の意思で一日を過ごせた時の話だ。
バイト仲間が食べる?と言って差し出してくれたポッキーの箱。
いらないわとは言いづらく、結局2・3本つまむ。
今日ケーキ食べていかない?と誘われても断れない。
絶対に食べられないほど嫌いなわけではなく、中にはホントに美味しいケーキもある。
ホイップクリームたっぷりなものを避ければ。
そして何故だかわからないが、すごく嫌なことがあった日、私は自分でケーキを買って帰る。
この行動は自分でも理解しがたい。
ちょっと豪華な食事をしに行けばいいじゃないかと思う。
思うが、ちょっと豪華な食事は最低でも3000円くらいかかる。
ケーキは高くても500円ほどだ。
500円の贅沢。
帰宅してからコーヒーを入れ、普段は使わないカップとお皿を出してオヤツを頂く。
今日はブルーベリーパイ。もちろんホイップクリームは入っていない。
口に運ぶと、ちょっといい気分になったりする。
何の話だったっけ?
そうそう、私は本当にケーキが嫌いなんです。
2004・9・25