今、読書中の『オジいサン』の作品の中に、
(作品名は、「おじいさん」ではなく『オジいサン』なのだ)
老人に対する侮蔑的な視線という文章があった。
緩慢な動作に対する冷ややかな眼。
頑迷な思考や言動に対する嫌悪の眼。
古臭い服装などに向けられた蔑みの眼。
世間一般全てが、老人にこのような視線を向けているとは決して思わないが、
まるで、我が連れあいに向けられた言葉のようだ。
緩慢な動作、頑迷な思考、古臭い服装、連れあいにぴったり当てはまる。
連れあいは84歳。立派な老人だ。
主人公は72歳の老人、私と同年齢だ。
一週間の暮らしの中で、常に自らを分析しているようだ。
自問自答、行きつ戻りつ、まるで今の私と同じだ。
読んでいて、中々、前に進めない。
せっかちな私は、パラパラとページを捲り、先を読んでしまう。
主人公に合わせてじっくりと読み進めなければならないのに。
作者は京極夏彦氏、まだ50歳。
老人にはほど遠い。
72歳の老人の心情が心憎いほど分かっている。
作者の観察眼の鋭さに驚くばかりだ。
話は戻るが、我が連れあい、親方は若い頃からお洒落のセンスはゼロ
中学の教師だったが、いつも、書物を風呂敷で包んで抱えていた。
白い開襟シャツ姿にショルダーバッグを肩に掛けていた。
或る時、ポロシャツにネクタイを締めて、私を驚かせた
勿論、ポロシャツの裾はズボンの中に。
東京生まれの東京育ち。
どのような環境で育ったのだろう。
7人兄弟の真ん中。
不思議な人である。
服装に関しては、私が随分と教育して、少しはましになったと思っている。
頑固は若い頃からで、年を重ねるごとにますます磨きが掛かってきた
親方、いつも、予想外の事をやらかしてくれて驚かされる。
油断のならない老後の日々である。
11月に咲いていた木瓜の花が、また、たくさんの蕾を付けていた
昨年11月に撮影
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