工務店現場日誌

株式会社朝田工務店 代表取締役朝田満のブログ
現場での出来事や日々の出来事を綴ります。

困りました

2008-10-20 17:44:04 | Weblog
銀座の店舗は昨日、無事に開店しました。
ここのところ滞りがちでしたが、今日からはブログの更新をがんばります。


さて、ここから今日の記事になります。

都内の建築士さんからのご相談。

知り合いのお店の屋根が2年前から雨漏り。修理する費用が無いので我慢していたのだが、
とうとうどうにもならなくなったので、困って相談に来たとの事。

20万円のお金を用立てるので、それでどうにかしたいと言われたらしい。


現場を確認。

状態はかなり深刻。トタン葺きの屋根なのだが、全面的に錆が酷く、ところどころ
穴が開いている。棟の押さえがどういう訳か全く無くなり、一部の平葺きが剥がれ落ちて、
ブルーシートで補修をしている状態。しかしそれも朽ち果て野地板が丸出しになっている。

これでは屋根の意味をなしていない。少しの雨でも直接、部屋に雨が落ちてきてしまう。

正直、屋根の上に乗るのが怖い。野地板は腐っているだろうし、下手をすると垂木がやられている。
気を付けて歩かないと、腐った屋根を踏み抜いて下へ落ちてしまいます。

下から軒を覗くと、軒が一部分腐れ落ち空が見えている。

だんだん頭痛がしてまいりました。


直接、相談者へ事情を確認。

年齢60代後半、ご夫婦でご商売。近年は売り上げの低迷が続き生活するがやっとである。
年金は払っていなかったので、貰えていないが、商売を続けていけば自分達が食べるぐらいはなんとか稼いでいける。

しかし、この屋根の状態では住む事自体がつらくなってきている。

20万円は親戚に借りるので、なんとかして欲しい。


事態は非常に深刻である。しかし借りた20万円の返済はどうするのであろう。

そもそも20万円では修理不能であります。ざっと見ても50万以上かかる。

中途半端な工事は、現状ではすでに意味が無い。2年前ならば、野地板も垂木も無事だったから、
応急手当としてシートを打ち付ける事もできたであろう。
しかし現在の腐り具合だと一度の台風でシートがもっていかれそうである。
そんな工事を請け負う事はできない。

20万円の返済方法を尋ねると、返済は無理だとの答え。

それでは貰ってくるのと同じなのでは?

親戚に迷惑をかけるより、これを機会に、ご商売は諦めて土地建物を売却する事をお勧めしました。

しかし、借入金がある為、売却しても手取りは数百万円なってしまいそうです。

「じゃあ売り上げを伸ばすしかないでしょう!」と言ったら「無理だ!!」
と即答される始末。。。


なんとかご夫婦がリタイヤしないですむ方法を考えてくれないかと、建築士さんからお願いされたのですが、
私には売却以上の良策が思いつきません。

なにか良い方法があるのでしょうか。

読者の為になる記事を書こうとして始めたブログなのに、質問を書いてしまうぐらい困ってます。。。



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (健吉)
2008-10-20 20:58:21
切実ですね。

そして、そういった対応が誠実ですね。

売上を伸ばす気があれば力になれますが・・・

売却して後に年金ではなく、生活保護を受けるしかないかと・・・
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Unknown (せくすい)
2008-10-21 00:13:54
やさしいですね。

そういう難題は無理でしょうね。

答えになってないですね。
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健吉様 (管理人)
2008-10-21 20:08:33
私も全く同感です。地価が下落し始めているので早めの売却を薦めたいのですが。。。
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せくすいさん (管理人)
2008-10-21 20:09:58
難題です。
なにか違ったアプローチの仕方がないかなぁなんて・・・

ありませんよね。
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