工務店現場日誌

株式会社朝田工務店 代表取締役朝田満のブログ
現場での出来事や日々の出来事を綴ります。

木造住宅耐震診断について

2008-05-27 20:50:44 | 勉強会、講習会
昨日行われた川崎市木造住宅耐震診断委員会全体会議に参加し、
正式に川崎市木造住宅耐震診断士へ登録されました。来月より川崎市より
派遣され、実際に耐震診断を行う予定であります。

会議の中で、診断の方法について講義が行われたので、そちらについて
簡単の述べます。

まず、耐震診断は一般診断と精密診断の2段階にわかれます。

最初に一般診断を行い、現状の建物がどの程度大きな地震に耐えられるか、
上部構造評点を算出し判定します。この段階で、何処に補強が必要なのかがわかり、
概算の工事費も割り出せます。一般診断は川崎市の派遣事業なので無料となります。

次に精密診断で実際の補強計画を作成し、詳細の工事費を確定して工事に
取り掛かるといった流れになります。
ここからは実際に契約し、工事監理費用と工事費が発生しますが、
工事終了後に助成金の請求をする事で、助成金が交付されます。
助成金額は、工事管理費のかかった費用の1/2以内で最大で25万円、
改修工事費のかかった費用の1/2以内で最大50万円です。

上部構造評点の算出方法は(財)日本建築防災協会が作成した
「2004耐震診断と補強方法」に沿って算出するのですが、2000年の建築基準法
の改正基準が評点の基準の基となっている様です。

2000年の建築基準法改正は1995年の阪神淡路大震災をうけての改正ですので、
基準を満たせば同クラスの地震にも耐えうるといった思想です。
(現在では、Eディフェンス実験により実証されております。)

しかし、今回の診断事業対象である昭和56年以前の建物では2000年の基準
「継手・仕口金物が必須」を満たす建物が存在しない為、
(金物が製造され、使用され始めたのが昭和58年)
診断対象建物のほぼ全てがなんらかの補強が必要な事がはっきりとしております。

川崎市にお住まいで対象建物の方は、是非、耐震診断へお申し込みください。

なんども書きますが、川崎市の派遣事業の為、無料です。


川崎じゃないけど心配な方。メールにてご相談ください。
メールアドレスは↓
info@e-asd.co.jp
(できれば最寄の工務店、建築士事務所へご相談ください。
現場を見ずに耐震診断は不可能なので、お答えできる事が限られてしまいます。)

事情によりメールの相談ができない方。
せめて、屋根を軽くしてあげて下さい。
それだけでも耐震性に大きな違いがでます。

以上です。それではまた明日。

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (コンドウ(素人さんの為の不動産学校))
2008-05-27 23:56:42
今度、築30年のビルを買います。
心配だな~。
一応、竹中が建てた、かなり古いビルで頑丈そうですが、診断をやったら、補強必須だろうな~。
返信する
Unknown (恵比寿のI)
2008-05-28 04:42:22
ついつい目を背けがちなテーマでミミが痛いです。助成金も下りるのですね!保険とあわせてゆっくり向き合って見たいと思います。
返信する
コンドウ社長 (管理人)
2008-05-28 11:16:43
耐震診断は今の法基準に沿って行われるのですから、
基準がゆるい時の建物であれば、補強の診断がでるのが予想されます。
ただし、1981年の大改正程ではありませんが、1971年にも建築基準法の改正があり、鉄筋コンクリートの
柱のせん断補強筋規定が強化されてます。
ですから、それ以前の建物だと不安があります。

S造やRC造の場合、高層の建物や構造耐力上無理な計画の建物でないかぎり、甚大な被害がでるのは限定的な地域にとどまるのではないのかと個人的には思っています。
返信する
恵比寿のI様 (管理人)
2008-05-28 11:28:25
川崎市でも制度の発足当時程の申し込み件数が
ないのが実情の様です。
せめてブログでPRと思ったのですが、私の所にも相談メールすらありません。
古い木造程、危険性が高いのですが皆さんの関心が低いです。
返信する
Unknown (星輝)
2008-05-29 08:09:25
木造のみ心配しておけば大丈夫でしょうか?
鉄骨とかは何とか生き残ってくれるのでしょうか?
非常に気になります
返信する
星輝様 (管理人)
2008-05-29 13:01:28
震災時はいかに人命にかかわる被害や重症の被害を防ぐのかが最大の課題であります。
その点では、比較的新しい鉄骨造には問題ないと思います。
建物の多少の被害は保険でカバーできますので。
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