あろてあろあ日記

単なる日記です。特にテーマもありません。
目的地を定めない旅行もいいものです。

法曹三者

2006-05-16 | Weblog
今日は刑事弁護の即日起案がありました。これで,刑事系科目は刑事裁判・検察と合わせ,三者の立場から起案をしたことになります。


一般に,裁判官・検察官・弁護士の三者を法曹三者といいます。
民事事件は,国に対して訴えを提起する国家賠償訴訟を除いて,三者が裁判の場に出てくることはないのですが,刑事裁判では三者が対峙します。

当然三者の立場によって見方が変わり,講義もそれぞれの立場から行われ,ちょっと辛口にいうと,刑事弁護では検察の捜査を徹底的に批判し左翼チックであったり,検察は「日本の治安を守っているのはオレ達だ」みたいな体育会的なノリだったり,刑事裁判は「結局最後の判断をするのは我々であって検察の物語にはだまされない」みたいなエリート意識だったりします。

基本的に他者を批判する話は面白く,講義するほうは別にいいのでしょうが,我々修習生は混乱します。すなわち同じ刑事系科目であっても,刑事裁判・検察・刑事弁護で求められている答えが異なるからです。
これは大学や司法試験でやる刑法・刑事訴訟法の勉強とは大きく異なる点です。


今日の起案も,部外秘なので詳しいことは言えませんが,刑事弁護は原則として被告人の言い分を尊重しなくてはならないのに,先週やった刑事裁判・検察の頭で考えてしまい,被告人の言い分が無理っぽく思えてしまい,なかなか頭の中が整理できませんでした。

来週にはまた刑事裁判と検察の起案が入っており,頭を戻さなくてはならず,しばらく混乱が続くでしょう。