探求☆散策記

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建物の補強方法の種類

2010年06月05日 20時12分00秒 | デザイン
 建物の地震および風揺れなどに対する補強方法には、現在では『耐震』『制震』『免震』といった3種類の建築的補強方法があります。まとめて”耐震”という言葉で括られる場合もありますが、意味は違います。以下に主に事務所ビルやマンションなどの不特定多数の人が使用する特定建築物を対象にて述べます。

(1)『耐震』は建物をガチガチに固めてハコの強度を増強し揺れに対応させる方法です。補強の方法は、事務所ビルやマンションでは、3種類の方法があります。
 ①柱や梁に炭素繊維やアラミド繊維などのシートを巻きつける。
 ②開口部に鉄骨ブレースを入れる。
 ③開口部にPC版やコンクリートブロックで壁を増設する。
代表的な工法として「PCaブレース(オリエンタル建設)」や「ピタコラム工法(矢作建設)」などがあります。

(2)『制震』は、建物に制震装置を取り付け、地震などのエネルギーを吸収して揺れを小さくする工法です。代表的な工法として「トグル制震構法(㈱E&CSなど)」「摩擦ダンパー(青木あすなろ建設)」、「KTブレース(JFEシビル)」、「アドバンス制震システム(川口金属工業)」などがあります。

(3)『免震』とは建物のある階を水平に切断し、水平方向に変位可能な装置(アイソレータ)を設置することで、地盤と建物の変位を絶縁する方法です。
 ①金属板とゴムを交互に重ねた積層ゴムアイソレータ設置する。
 ②二段式スライドレールなどで滑らかな移動を可能とする装置を設置する。
 ③空気圧を利用し建物全体を基礎の一部とともに浮かせるAIR免震装置を設置する。

 以上3種をコスト高で比較すると、かなり乱暴ですが、『耐震』≦『制震』<『免震』になります。

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