Three frogs which smile.

酒飲みは奴豆腐にさも似たり
初め四角であとは ぐずぐず

あなたが居る寂しさ

2006-08-03 | 日々の種
まだ梅雨も空けていなかった
蝉が一つ鳴いていた
7日で終わる恋
相手も居なければ寂しかろう
終わると知っているならできるだろうか


暑い陽射を浴びると今までの不満はどこ吹く風で涼しさを求めるわがまま。
求めたらもらえるとわかってしまった時から、
嬉しさも寂しさも味わうことになる。
分からないほうがいいのだろうか。

逢いたい人が増えたのは生きてきたご褒美だと思う。
逢いたい人にもう二度と逢えない事を納得するということは、なんて試練なのだろうと思う。
それがあたしに出来ると思ったからそうしたのですか?
そう聞きたくなるときがある。

触れることは出来なくても、もう一度泣きながら笑いながら呑みたい。
思い出すことしかあたしには出来ないから。

考えながら寝ているとたまに身体が固まる。
耳の中で声がして、下に引っ張られる。
小さい頃からなので気にしてないけれど、あまり気持ちのいいものではない。

(注)ここからは怖がりな人、一人暮らしな人、想像力が豊かな人は読まないほうがいいかもです。

実家に住んでいたときです。
夜中に物音で眼が覚めました。
まだぱぱんは生きていて、リビングでお酒を呑んでいる気配がしました。
歌を歌っていました。
うっすらと覚醒していく中間であたしは身体が固まりました。
耳の中にお経が聞こえてきています。
まただ。暫らくすれば治るだろう。
そう考えていると、お経と一緒に聞こえていた歌がどんどん大きくなっていきます。

よく、聞いてみました。
いや・・・・歌じゃない。

そして


                      ぱぱんじゃない。


もちろんままんでもなく、聞き覚えのない声でした。
足音もスリッパや素足の音ではなく、コルク張りの床を重たいものをゆっくりと引きずるようなそんな音。
ずる・・・ずる・・・    ずる・・・・      ずる・・・・
歌じゃないその声が何を言っているのか、お経が邪魔をしてよく聞こえない。
そして聞いてはいけない言葉を、ずっと抑揚をつけて繰り返している。
聞いてはいけない。聞いてはいけない。

   ろ     やる・・・・・


 こ ろ     やる・・・・・




ころしてやる・・・・・



聞こえた瞬間に、見えたのは
リビングで包丁を持って身体を引きずって歩いている浅黒い男の人。

ふすまは閉まっているのに。

多分、そのまま寝てしまったのでしょう。
気がついたらまたリビングで物音がしています。
ぱぱんがお酒を作っている音がします。
歌をうたっている。
足音も、物音も声もぱぱんだと直感したらほっとした。

と思ったらまた身体が固まった。
一日に何度お経を聞けばいいのだろう。
気持ちが悪くなってきて出ない声を振り絞って叫んだ。

「おとうさん、たすけて」

多分言えてなかったんだと思う。
気がついたら朝で、ぐったりして食卓についた。
起きてきたぱぱんが一言。

「お前・・・・寝言がうるさい」



ショック・・・・
夢を見ていたのだろうけれど、夢でもいいから助けて欲しかったよ。
ぱぱん。