性懲りもなくまた観てしまいました。『阿修羅城の瞳』。2003年版です。
『メタル・マクベス』が届くまではまだまだ時間があるので、つい、何かを観たくなって。
しばらく、家庭内新感線祭が始まってしまいそうな雰囲気です。
『髑髏城の七人』でもいいんですけど、これは1本観ると、芋蔓式に3つのバージョンを観なくてはならなくなるので…。
それになんといっても、阿修羅役のゆりちゃん(天海祐希さんの愛称)がかっこいいので、ついつい…。
『メタル・マクベス』と一緒にこれもいかがですか?と言いたくなってしまいます。
ワタクシはもう持っているので、『吉原御免状』か『アテルイ』のどちらかにするつもりです。(1本しか買わないという選択肢はないのか?)
さて、『阿修羅城の瞳 BLOOD GETS IN YOUR EYES Version.2003』。
時は江戸時代。
活気に溢れる一方、度重なる飢饉、災厄に見舞われる市中には、いつの頃からか鬼が現れ、人を襲い、喰らうようになっていた。
鬼を狩る組織『鬼御門(おにみかど)』に身を置いていた過去を隠し、役者に身を窶す男、出門(いずも)。
そして、椿の簪以外、何も、己の過去すら持たぬ女盗賊つばき。
過去を消し去りたい出門と、過去を取り戻したいつばき。
奇しき縁で結ばれた二人が出会う時、因果の糸車は廻りはじめる。
『阿修羅王目覚める時、逆しまの天空に不落の城浮かび、現世(うつしよ)は魔界に還る―。』
鬼を救い、人を滅びに導くという伝説の王、阿修羅の復活。
阿修羅となったつばきと出門。
出門に異常なほど執着する、鬼御門の副長・邪空。
鬼御門を率いる13代目・安倍晴明。
阿修羅を待ち望む鬼たち。
芝居小屋の面々。
つばきと共に旅をしていた渡り巫女の5人。
多くの登場人物の縁が絡み合いながら物語は進んでいきます。
これは脚本も買いました。
もともとの脚本家のイメージはどうだったんだろうと気になりまして。
ト書きの部分がおもしろいです。
ああ、そうか、と思うところがたくさん。
頭の中のイメージを眼に見えるようにするということの難しさをつくづく思います。
制約がありますから。
新感線お得意のオモシロの部分は舞台にかかってこそ、ではあるのですが、セリフの調子がよいので、文字でもいけます。
特に決めのセリフ。
『茨木葛城悪路王(いばらぎ かつらぎ あくろおう)、紅葉土蜘蛛御将門(くれは つちぐも おんまさかど)、人に討ち滅ぼされしまつろわぬ者よ、我とともに来たりて魔の国を誘わん。』
これはつばきが宿業の果てに、阿修羅に転生して登場するときのセリフです。
稲光と桜吹雪とともに、奈落からせりあがってくる阿修羅の鮮やかなこと。
ゆりちゃんは阿修羅になってからが本領発揮。宝塚大劇場2,500席を埋めたのは伊達じゃないという感じです。
1幕は、オープニングの登場シーン以外はそれほど…。ダンスはどうみても男役だし。その代わり、オープニングはいいですよ~!そこだけ観たりするくらい。劇場で観たかったです。
阿修羅となったつばきがその想いを出門に語るセリフがまた…。
『人を恋する心で鬼になるのが我が定めなれば、恋が我が身を鬼に変えるのならば、我が身を、人を、鬼を、そして出門、あなたを呪おう。人も鬼も地獄に堕ちるがよい。』
『鬼と変わるこの姿、あなたにだけ見られるならば、まだ救いもあろうものを。この血の滾りを鬼どもにまで見られ、我が身を恥じる、我が血を呪う。が、それよりもなお、あなたのことを、恨みまするぞ、出門殿』
それに答える出門。
『恨むかよ、この俺を。呪うかよ、この出門を。上等だ。阿修羅に見込まれたとなれば、俺の色気も本物だ。男冥利につきるってもんだ。が、お前が鬼になったのならば、俺も指をくわえて見てるわけにはいかねえな。』
ここの染五郎の台詞回しは絶品。2人の睨み合いは見応えたっぷりです。
刀を構える出門に、長い袖を払うように両手を差し上げながら言い放つ阿修羅。
『もう一度、斬りますか、この私(わたくし)を。』
ああ、かっこいい。
皆に観せてまわりたいくらいなのですが、ワタクシの周りの皆さんは染五郎さんに拒否反応を示すので、却下されてます。
私ももともとそんなに贔屓なわけではないのですが、これを観ると、花道を走らせたら日本一!と思ってしまいます。
DVDの予告編はこちら → E!oshibai 阿修羅城の瞳
予告編のかっこよさは『メタル・マクベス』に負けているかもしれませんが、副音声もオモシロいんですよ。2つのバージョンがあって。
…こんなに長く書いてしまった…。

NAKASHIMA SELECTION Vol.9
阿修羅城の瞳 2003年版
脚本:中島かずき
演出:いのうえひでのり
発行:論創社
なるほどと思い、「吉原御免状」をメタマクと一緒に注文したのはむぎこです。
さて「阿修羅・・・」は映画のDVDをみました
で、メタマクをみて、なんとなく新感線で阿修羅のイメージが湧きました。
戦いの神・・・阿修羅は宮沢りえではちと弱いかな?
だから天海さんだと確かにかっこいいかも
ところで新感線せは「じゃくう」はどなたがされたのでしょう
あのなかだと「じゃくう」が一番すきだったりする
それと全然カンケイナイですが「阿修羅」というと「百億の昼と千億の夜」を自動的におもってしまうむぎこでした。
2000年は古田新太さん、2003年は伊原剛志さんでした。伊原さん、DVDで観てもでかかったです。聞くところによると鬘含めて2mとか。映画よりずっとカッコよくて、もっとカワイソウです。邪空。
ちなみに阿修羅の2000年は富田靖子さん。宮澤りえちゃん、綺麗でしたけど、阿修羅のシーンはちょっと…
趣きが全く違って見比べるとオモシロいですよ。2000年と2003年。でも1本だけなら2003年版がおススメです。
『吉原御免状』楽しみにしててくださいね。動く誠一郎さん。堤さんの殺陣はいいですよぉ。元JACは伊達じゃありません