先日、山形平和劇場第28回公演で、故・井上ひさしさんの『水の手紙』を聞きながら、その中の『世界の水は日本の水。日本の水は世界の水。』という言葉に、ふと『宇宙の海はァ俺の海ィ♪』を連想(ほんとはそんなこと思いだしてる場合じゃない)してしまいました。
キャプテンハーロック。
実写ではないはずですが、これはどういうことでしょうか。
まるで実写であるかのようなポスターですねぇ。
でも、実写だったら絶対に行きませんが、そうでないハーロックには興味があります。
古田新太さんも声で出演されるそうなのでそれはかなりの魅力。む。それなら実写にも俄然魅力が…。
それにしても総製作費3000万ドル…どうしてドル?
なんだかもやもやします。何を隠したいんだろう?
監督は荒牧伸志さん、脚色は福井晴敏さん。
中身は新作。
映画館にはもうでっかい看板がありました。それをみたるいちゃんは、「こんなの、ハーロックじゃなーい。」と言ってました。
私もそう思います。
でもねー。3Dのアルカディア号がねー、ちょっと観たい…。
観るなら映画館だなー。
…観るならね。
などと、つらつら書いて、ほったらかしているうちに、すでに公開開始。(早い早いぞ、時間が経つのは。)
観てきました。
S・M夫人が「誰が観に行くんだろうね」と言っていましたが、灯台下暗し、それは和泉嬢を道連れにした私だったわけです。
お客様も結構おいででしたよ。年齢も幅広く。
ポスターを観て、かっこいいなぁと思ったくらいには、かっこいい画面だなぁと思って観てきました。
3Dで観てきましたが、驚くほどの3Dでもなかったですかね。
それともこれは私の3Dに対する過剰な期待のためでしょうか。
アルカディア号、ひそかに楽しみにしてたのに。
べらぼうな強さではありましたけれどもね。強いにもほどがあるだろ?と言いたくなるほどに。
で、ハーロックです。
100年生きてるんですって。
「ダークマター機関」のおかげで…というか、そのせいで死ねない体。
全体として、ふーん、そうなんだね、としか言いようのない、お話で…。
ところどころ非常にありがちで、それでいて、腑に落ちんところがいろいろあったりするわけですが、そういうモロモロをどうでもいいことに思わせてしまうほどハーロックそのものに違和感がありました。
100年生きてるのはいいのですよ、別に。どうでもね。設定やら何やらが違うのもいいんです。そもそもたいして知らないし。
でも、ハーロックは幻にすがりたくなる人だったり、過去に戻ってやり直そうとしたりするような人だったでしょうか。
それはダメだろと、思わずにいられません。
というか、こういうハーロックなら、いいよ、小栗旬くんだって誰だって、という気分。別に目くじら立てるほどヘタクソなわけでもないし、さほど当たるとも思えない作品にてこ入れする集客力を見込まれてのキャスティングなら、それはそれですごいじゃないの、と。
むしろ、井上真樹夫さんじゃなくて良かったです。
ただ、これはたぶん「あのハーロック」という感覚がなければ一向に差支えないことなのだと思います。たぶんね。
新鮮に観たらば、ああ、そうなのかーと思う、普通のダークヒーローだと思います。そもそも主役じゃないし。
主役じゃないといえば、ヤッタラン役の古田さんはみっちり声を作ってたようで、これ、ほんとに古田さん?と思うくらいでした。
「あ。今は間違いなくいつもの古田さんだ!」と思うと観に来た甲斐があるわと嬉しくなったりして。
なんなら、ハーロック役でよかったのに。
だってさ、君がぁ気に入ったなら~この船に乗れぇ、で始まるTVのEDテーマ、思い返すと、今回のハーロックはやっぱり違うでしょ。そもそも実写じゃないなら古田さんがハーロックで良いじゃんと思ってしまった私に語る資格があるのかとも思うけど。
>実写じゃないなら古田さんがハーロック
想像すると、なんだかすごいわ。マントをいちいちばさーっと翻す古田さん。ハーロックが時代物なら行けそうだなー。五右衛門、かっこよかったなあ…。
今は太巻さんなんだろうけど、それだけじゃないのよと、声を大にして言いたい。