ひさしぶりに帝国劇場。
『Mozart!』2014-12-06マチネを観てきました。
Mozart! 2014-12-06(昼)出演者:
ヴォルフガング・モーツァルト:井上芳雄
アマデ:日浦美菜子
ナンネール(モーツァルトの姉):花總まり
コンスタンツェ:ソニン
ヴァルトシュテッテン男爵夫人:春野寿美礼
コロレド大司教:山口祐一郎
レオポルト(モーツァルトの父):市村正親
久しぶりだったのは帝国劇場ではなく、そもそも観劇が久しぶりでした。
『モーツァルト!』は、作曲家モーツァルトの生涯を描いたウィーンのミュージカル。
脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ、音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイの作品で、『エリザベート』と同じく演出・訳詞が小池修一郎さんです。
好きなんですよ。この作品。
とにかく好き。
作曲家モーツァルトを人間・ヴォルフガングと、才能・アマデとに分けて描く作品です。
アマデは天才と呼ばれた幼い頃の姿のまま、ヴォルフガングとともに舞台上に存在します。
直接のセリフはひとつもなし。
「かつて天才であった者」につきつけられる現実を生きることに惑い苦しむヴォルフガングをよそに、今も「天才」であるアマデはとにかく音楽のことしか考えず、自らに与えられた至上の音楽を実現するためのもの以外は何もいらない。
ヴォルフガングが幸せだろうが、不幸せだろうが関係ないのです。
ヴォルフガングにとって、アマデの存在はおろしたくてもおろすことの許されない重荷。自分自身を切って捨てるわけにはいかないのですから。
さて、今回のヴォルフガングは井上さん。今回の公演をヴォルフガングを演じる最後とするのだそうです。
モーツァルトが亡くなった35歳と同じ年齢になったから。
なるほど、そういう理由もあったかと思います。
主要キャストの半分は初見でしたので、いろいろと思うところもありました。
単純に好き嫌いもありますし、好きな作品なので思い入れもありますから、とりあえずまずは良かった探しで。
花總まりさんのナンネールは、パパの訃報を携えて登場するところが良かったです。
コンスタンツェのソニンさんはとにかく声に余裕がありました。
春野寿美礼さんのヴァルトシュテッテン男爵夫人は姿が美しくて、ソフトな美声。
同じ演目を何度か観続けていると、やはり、俳優さんたちが状態をキープし続けるのは本当に大変なのだなとしみじみ思います。
経年変化を知ることは味わい深い体験です。
年月によって失われるもの、逆に獲得されるもの。
それを思う時、舞台を観ることのおもしろさを思います。
観られる機会は逃しちゃだめだなー、ほんと。
主演の井上さんのあいさつによると、昨日はモーツァルトの祥月命日で、明日は井上さん出演回数250回目の日。で、今日は何でもない日。
でも、「皆さんに観てもらえたことで特別な日になりました」と模範的な…。
というわけで、記念すべき249回目の井上ヴォルフガングを観た日となりました。
これ、けっこう忘れないかも。
なんといっても、井上ヴォルフガング、観納めですから。
DVD、どうしようかなぁ…。
「アマデの小箱(音楽の才能の源)入り」…気になる…。
ナンネールの高橋由美子さん、今回は出演されていませんでした。安定していて好きでしたので残念。
さて、佐々木丸美さんは独得の雰囲気をお持ちの作家さんですよね。一時、とりつかれたように読みました。今も時折思いだします。
『忘れな草』は未読なので、ぜひ今度。ご紹介ありがとうございます ^^