15歳のイザベルのおじいちゃんは、毎週水曜日の正午にやってきます。
そして、いつも30分だけいて、帰ります。
なんだか、それだけでもうちょっとせつないですな。なんとなく。
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水曜日のうそ
著者:クリスチャン・グルニエ
訳者:河野万里子
発行:講談社
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おじいちゃんはイザベルのお父さんのお父さん。
イザベル両親が住むマンションからすぐのところに住んでいます。
一緒に住んでいないのは、おじいちゃんが住みなれた古い家を出るのを嫌がったから。
イザベルのお父さんとおじいちゃんは、ものすごく仲が悪いわけではありませんけれど、お互いに妙な気の遣い方をしています。
でも、これ、わかる気がするのです。
嫌いなわけでも会いたくないわけでもないけれど、それは今じゃなければいけない?
そう心の隅っこで思う部分があるのだけれども、やっぱり、来るとわかっているおじいちゃんはちゃんと迎えたい。
このちょっとした葛藤が、イライラした気持ちを呼ぶのですよね。
そんな中、イザベル一家は引っ越さなければならなくなります。
さあ、おじいちゃんのことはどうする?
そこで『水曜日のうそ』。
イザベルの両親は、おじいちゃんには引っ越しの事実を隠すことにしました。
そして、この表紙のデザイン。
嘘は表裏一体。つく嘘はつかれる嘘なのです。
物語は15歳の少女イザベルの視点からおじいちゃんとの関係、変わっていく家族の形、大好きなボーイフレンドのことなどが描かれていきます。
じいちゃんがねぇ、いいんですよ。
イザベルも、ボーイフレンドもいい子でねぇ。
雰囲気はYA風にも思えますが、この『水曜日の嘘』のせつなさは「親孝行したい時には親はなし」という言葉が切実なものとして感じられる年齢で読むとひとしおです。
うっかりしていると泣かされてしまうかもしれません。
お年寄りが出てくる話に弱いので、
しっかりうるうるしました。w
この本、かもめさんの書評を読んでからずっと気になっていたのです。ご紹介ありがとうございました ^^