たまに読みたくなるのが、星新一作品です。
いろいろをそぎ落としたショート・ショートの冴えはいわずもがなですが、これは著者には珍しい長編。しかも新聞の連載小説だったのだそうです。
気まぐれ指数
著者:星新一
発行:新潮社
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舞台は東京タワーがまだあって当たり前のものではなかった頃のお話です。
表紙イラストの雰囲気が時代を物語りますねぇ。
左から、化粧品のセールスレディ、レストランのオーナー、中央はびっくり箱プランナー、髭の人は神主、いちばん右の女性はとある未亡人。
さて、この脈絡のない人々を繋ぐのはいったい何か。
それは『犯罪』です。では、どうつながっていくのかが読みどころ。
まず、びっくり箱のアイディアを生みだすのが仕事、なんてところからしてもう「星新一」という気分にさせられてしまいます。
びっくり箱をつくるという仕事がある。
考えてみれば当然至極ですが、びっくり箱の実物を持った覚えがない私にはそれすら新鮮で、それだけで、浮世離れした話の流れを受け入れる態勢が出来てしまったようなものです。
場面はほとんど登場人物たちの会話だけで進んでいき、通常、読み慣れた小説というよりはテレビドラマを見ているよう。
『犯罪』絡みでありながら軽妙で、そくそくと読めてしまう物語は二転三転して、ある程度予想しながら読んでいっても、どこかではちょっと裏をかかれてしまいます。
当たった、はずされた、と思いながら読むのも楽しかったりして。
こういう楽しみは、一気に読んでいくからこそ増したものだと思います。
ほんとに新聞の連載として読んでいたら、私はちょっといらいらしたかも。
でも、まあ、新聞の連載に関してはいつもそうで、まとめて読めば起伏が豊かですが、一日分だと話が進んだのかどうか、すれすれのところで「つづく」になってしまうので。
この本だと、「良いお天気過ぎるとかえって不良くないことが起こる」という自説を語る未亡人のお話だけで終わってしまいそうです。
そういえば、星新一の本って、夏休みとか冬休みによく見かける気がします。
それでなのかしら。読みたくなるのは。
…本屋さんの思うつぼ?
次は、王道のショート・ショートにしようと思います。
読んでないもの、たくさんありますから。
ブログの世界にwelcome back!
星新一かぁ、確か高校の夏休みにたくさん読破したなぁと思いながら読み進んだら、きしさんも同じですか。
やはり本屋の陰謀だったのかもねww
お元気そうで何よりです(^^)
星新一って、たぶん日本人が一番最初に出会うSF小説なんじゃないかしら…と思う。教科書にも載ってるし。
面白いもんね~。
本屋さんの陰謀にはことごとく引っかかっている気がします。平台の誘惑には抗いがたく、ブログの更新はせずとも本はたまるという、いいカモです。つくづく。
宣言だけなら、もう、ひと月も前から復活でしたものね。
教科書にも載ってるし。
確かに出会いは教科書だった!日記を書くロボットの話だったきがする。ところで、るいちゃん、この本、読む?