ゆっくりと世界が沈む水辺で

きしの字間漫遊記。読んでも読んでも、まだ読みたい。

下川裕治【格安エアラインで世界一周】

2015-02-22 | 新潮社

さほど旅行をするわけでもなく、パスポートも期限期限切れのままでいるくせに、時々旅行記を読みたくなります。
しかも、自分が絶対にしないような旅の。
この本はそういうもののうちの1冊です。

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 格安エアラインで世界一周

 著者:下川 裕治
 発行:新潮社
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世界一周。しかもLCCだけで。
LCCで日本を出て、LCCで日本に帰ってくる。
もともと優雅に観光地をめぐる旅など求めてもいない著者ですから、読む私としてもそれは期待していませんでしたが、この旅、けっこう大変です。
日本を発つときにあるのは次のチケットと、ほんとに最後の分の日本に帰ってくるための航空券だけ。
それ以外は、旅先で調達です。
一か所での滞在時間も乗り継ぎのための時間くらいで、その時間もチケットをとるために、PCに向かいっぱなし。
LCCで世界一周をしてみる。
ほんとにただそれだけの本です。
それができるようになったのは、この頃だったのねーと、半ば懐かしむようにして読むべき旅行記。
単行本が出た時ならばいざ知らず、今読んでも、きっとそれほど参考にはならないのだろうと思います。
もっと楽だったりするんじゃないかしら。

でも、How To本ではないので、それはまあ、いいのです。
著者のこれまでの旅が透けてみえるところが、たぶん、この本の読みどころ。
旅行記はそういうものですよね。
旅する人が何を思うかなのだろうと思います。結局は。



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