シュガークイン日録3

吉川宏志のブログです。おもに短歌について書いています。

推理作家ポー 最期の5日間

2012年10月16日 | インポート

『推理作家ポー 最期の5日間』という映画を見に行った。
このようなレビューが出ていて、これは見に行かなければならないでしょう。
北村薫様、ほんとうにありがとうございます。
あの名作『空飛ぶ馬』の北村さんに取り上げてもらえるなんて、夢のようである。

さて、この映画は、ポーが『モルグ街の殺人』などを模倣する殺人事件に巻き込まれるというもの。かなりの残酷描写(人体切断とかあります)もあるが、19世紀のアメリカの街が、陰影深く再現されていて、雰囲気を楽しめる。
ポーの人物像も、私の先入観とはまったく違い、やや情けないが純真に恋を貫く中年男、という感じに造型されていてなかなかおもしろかった。
恥ずかしながら『モルグ街の殺人』のバネの釘の窓は、小説を読んでもよくイメージできていなかったので、今回やっと、「ああ、こういうことだったのか」とわかった。(あの描写、日本人だとわかりにくいですよね?)

『赤き死の仮面』や『早すぎた埋葬』など、ポーの小説を踏まえてストーリーは進むので、最後は『ウィリアム・ウィルソン』で来るか、と思ったが、この予想はハズレ。
ラストは、ポーの晩年のエピソードを知らないと、うまく味わえないので、映画を見たあとに、ウィキペディアなどで確認するとよいと思う。それを知ると、うまいラストだなあ、と感心するはずである。


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