懸案だった仕事が、半分ほど片付き、ほっとしているところ。
ちょっと宣伝ですが、「NHK短歌」2月号(雑誌)に、「現代短歌アンソロジー 〈洋楽〉」というものを発表しています。これは、〈洋楽〉つまりビートルズやローリング・ストーンズなどを詠みこんだ歌を28首集めて、ちょっとした解説をしているものです。キング・クリムゾンやビーチ・ボーイズ、アヴリル・ラヴィーンまで、意外なアーチストを意外な歌人が詠んでいます。
洋楽が好きな人には、結構おもしろいと思います。ぜひ、一度読んでみてください。
ただ、洋楽を詠んだ歌は非常に少なくて、苦労しました。どのように探しているのですか、と聞かれるのですが、記憶を頼りにひたすら歌集を読み返すのみなのです。私は、あの歌集にあの歌があった、というのは割とよくおぼえているほうです。評論を書くことが多かったので、発達してきた能力であるように思います。
しかし、わかってきたことなのですが、いろいろな題材を歌っている歌人(素材の幅が広い歌人)はいるもので、そうした人の歌集からは見つけやすいですね。具体的に言うと、高野公彦・小池光・島田修三などは、いろんなテーマで歌っているので、見つけやすい。若い歌人では、大松達知などが幅が広い。素材の幅が広いのが必ずしも良い、ということにはならないでしょうが、アンソロジーに強い歌人、ということは言えるかもしれません。
日本では昔から、和歌のアンソロジーはよく作られてきましたから、きっとアンソロジーを作るときに便利な歌人はいたんじゃないか、と思います。
「竜田川の紅葉を詠んだ歌なかったっけ? 業平のはもう使われてしまったからなー」
「そういえば、〇〇がこの前作っていなかったっけ」
「あー、それ入れちまおう。そんなに悪くなかったし」
といった会話が、勅撰集製作委員会(嘘)の内部で交わされてたのではないか、と想像するのです。
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それでは。
このごろのいわゆる若手歌人には固有名詞を避ける傾向があるかもしれないとどこかで読んだところなのですが、そうなのですかねえ。