明日からまた会社ですね。
「短歌研究」5月号に、甲村秀雄さんのこんな歌があった。
壇蜜の横顔に見る限りなき憂ひの冬と言うて目を閉づ
佳品であろう。
私はあまりテレビを見ないほうなのだが、たまたま東京出張中にテレビを付けると、「壇蜜女学園」という深夜放送をやっていて、甲村秀雄さんが出ていらっしゃった。
壇蜜さんに百人一首の歌を解説するという企画で、甲村さんが歌の読みを述べて、壇蜜さんがそこから妄想をふくらますというものだったのだが、なかなか変な感じでほほえましかった。
私も壇蜜さんは好きである(とは言っても写真集とかは買っていませんが)。
恩師が亡くなったショックのために葬儀の学校に通っていたという話を聞いたことがある。
「いつかは死ぬ。死んだら終わり。」という、どこか虚無的な表情を漂わせることがあり、甲村さんの歌は、それをよく捉えているように思う。
壇蜜さんは、他人から自分がどのように見られているかを、かなり冷静に測っている感じがする。そして、その期待を裏切らないように、「壇蜜」を演じている気がするのである。まあ、それはどんな芸能人も同じなのだと思うけれど、特に自己を客観視する眼がシャープな印象を、私は受けたのだった。いまはバラエティ番組が中心みたいだけれど、女優として残っていってほしい人である。
いくつもの遺体に触れて来し指の壇蜜のゆび白く垂れおり
という歌を、今年の冬に作ったのだが、歌会ではあんまり評判はよくなかった。
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さほど色っぽさも感じないし、演技もさほどいいとは思わない。
みんなの期待する檀蜜像を演じているような気もするが、そちらにはマリリン・モンローや飯島愛が先達として存在していたから、さほどの新しさも感じない。
我ながら、困ったものである。
喧嘩や議論をふっかける気はさらさらないから、こんな意見もあると思って聞き流していただきたい。
それでは。
マリリン・モンローや飯島愛さんは、演じることがどこかで崩壊して、
早すぎる死につながったように思いますが、
壇蜜さんの場合は、演じている自己自体が、かなり虚無的な感じがして、
そこがおもしろいように思います。
本当はどうだか、わかりませんけど。