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シュガークイン日録3

吉川宏志のブログです。おもに短歌について書いています。

映画2題

2012年08月26日 | 映画

「プロメテウス」という映画を見に来ました。

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これは、配っていたウチワですね。

私は、こういった超古代ミステリーものがすごく好きで、

(インドの古典「マハバーラタ」に核戦争の様子が描かれている、

ピラミッドやナスカの地上絵は宇宙人と交信するために作られたといった話など。

まあ、いかがわしい話も多いのですが、魅力的ですよね)

期待して行ったのですが、なんかだいぶイメージが違う映画で、

びっくりしました。

「エイ〇〇ン・エピソードゼロ」いう題名のほうが内容に合っている。

かなりグロいホラーです。

まあ、私はホラー映画もたいへん好きなので、楽しかったのですが。(前向き)

最後のオチには、笑ってしまった。

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「ダークナイト・ライジング」にも行きました。

原題は「Dark knight rises」だそうですが、

たしかにバットマンが壁を登る話でした。

やっぱり、音響がすごく良くて、戦闘シーンにはひたすら痺れます。

あの黒光りのマシンが疾走するのを体感できれば、もう何も言うことはないでしょう。

キャットウーマンも綺麗すぎますね。

ところで、

ハワード・ジョーンズの近年のCDに、

オーディナリー・ヒーローズ

オーディナリー・ヒーローズ
価格:¥ 2,520(税込)
発売日:2010-04-21

というのがあるのですが、(佳曲が多いです)

「どこにでもヒーローはいる」という考え方は、最近の潮流のような気がします。

一人の英雄まかせにせず、一人一人が自分のできることをして、つないでいく。それが「正義」なのだ、というテーマは、この映画にも色濃く流れているように思います。

9・11以降、何が正しいのかわからなくなってきた状況の中で、手探りで表現している苦しさ、そしてその苦しさのおもしろさ、というのが、よく伝わってきて、充実感のある映画でした。

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蛇足。

むかし、「魁!男塾」という漫画で、

マントで空を飛ぶ特訓をすると、10万人に1人くらい、自由に空を飛べるものが現れる。

その者には十万人を抜け出たという意味で「抜十万(ばっとうまん)」という称号が与えられる、という話があったことが、最近よく思い出されます。


11・25 自決の日

2012年07月01日 | 映画

「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」という映画を観る。

http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id341168/

三島事件は、私が1歳のときに起きた。自分はこんな時代に生まれたんだな、と、感慨深い。(全然記憶はないけど)

映画は、思想を純粋化するために、行動が過激化していく悲劇を重厚な映像で描いていく。

アメリカに従属している日本が自立するために、自衛隊が国軍として決起しなければならないと、三島は考える。そしてその思想を目に見えるものにするために、自己の身体を犠牲にして、死を見せるしかない、というところに追い込まれていくのである。

三島に向かって、若い弟子である森田必勝が、「先生! いつ死ぬんですか」「僕もいっしょに死にます」と迫っていく。若者の純粋さに応えるために、切腹という壮絶な死に、三島は駆り立てられていく。三島役の井浦新と、森田役の満島真之介の表情の演技に迫力があり、「なぜ死ななければならなかったのか」が、高い説得力で伝わってきたようにおもう。

いま、アメリカと日本の関係の問題が、特に尖鋭化してきている(沖縄基地問題もそうだし、原発の問題にも深く関わっている)。三島の遺した問いは、今も鮮明なままである。

そうした思想を意識したとき、どのように行動するのか。また、身体を介在させなければ思想を伝えることはできないのではないか、というテーマが、すごく直接的に伝わってくる映画で、非常に考えさせられた。