観て来ました。
今年から公演スケジュールが変わったので少し時期の遅い初舞台公演です。
いつもは花のみちの桜が咲く頃に初舞台公演があるのに、そうではなくなる
のは少しさびしい感じがしました。それにこの公演はタニのさよなら公演…。
もっと早くトップになると思っていて、やっとトップになったと思ったらもうやめる
なんて、この期に及んでもやめるには早すぎると思わずにいられません…。
お芝居は正塚作品。正塚作品はその作風ゆえ好みは分かれるところでしょうが
私は好みです(^ ^)。でもやはり、大人数を抱え、大きな舞台でやる大劇場公演
に向く作品かと問われるとそこは疑問です…。今回も使われている人は少なく、
舞台には大道具係か?と思えるほどいつものように(^_^;)セットを動かす生徒達
が大勢いました。
≪ネタバレ注意≫
お話はかなり大人の雰囲気が漂うラブストーリーでした。タニはその風貌ゆえ、
明るい若者の役をたくさんやっていましたが、ギャッツビーが好きというぐらい
ですから、きっとこういう役の方が好きなのではないかと思います。
正塚作品のさよなら公演を過去に2作記憶していますが、どちらも“二人”は別
れる結末でした。なのでなんとなく今回も悲恋なのかと思っていたら意外な展
開でホッとしました。そう言えば、過去2作はどちらもやめたのは男役のみで娘
役は残るのでそれも考慮したのかなと今さらながら(^_^;)思いました。
(ちなみに過去2作は『バロンの末裔』『愛するには短すぎる』)
幕開きは現代でタニはかっこ良く登場し、ウメとの再会場面から始まります。
それから出会いの7年前に飛ぶわけですが、ここからの早すぎる展開とタニの
多過ぎる早替わりにあっけに取られて話に入っていけませんでした(^_^;)。
現代に戻るまでの数十分の間に舞台上での2回を含めて4回?も衣装を変える
必要があるのでしょうか?その上、舞台上で衣装を変えながらセリフまで言う…。
着替えの方に気がいって仕方がありませんでした(^_^;)。現代に戻るとやっと話
も動き始めて落ち着いて観ることが出来ました。
とりあえず、タニはかっこいい。7年前が駆け足で、モノローグの多用がもったい
ないぐらいです。「ずっと好きだよ」なんてかわいく言っていたのに、再会後には
本心とは裏腹に家族のしがらみからためらうウメに「今日だけ忘れてくれ」とせ
まるタニの男っぽさはちょっと惚れました(笑)。タニは結局、ウメの家の窮状を
救うわけですが、そこの展開より、再会後に二人が語り合う「街路」の場面が一
番見応えのある印象的な場面でした。
ウメも現代の方が印象的でした。7年前の若い頃もそれはそれはかわいいけれ
ど、上記した“街路”の場面が良かったです。私はパラプリのようなウメより、バレ
ンシアの方が好きなので。ラストの船の上に佇むタニの後ろから来る人影がウメ
だとわかった時は嬉しかったなぁ(^ ^)。「一人じゃなかったら(船に)乗らないつも
りだった」家族を気にするタニに「いつか家族に初めてキスした人で世界でたった
一人愛している人だって話すわ」と(T_T)。二人で歌いながら銀橋を渡り、下手花
道に消えていくのをずっと目で追っていました。ハッピーエンド、バンザイ\(^o^)/。
ヴィクトール男爵のとむは飄々とした感じが良かったです。徐々にタニとの友情が
見えるかな~ぐらいな関係ですが、貴族の品もあって、コミカルな味もあって最後
には二人が結ばれるきっかけも作ってくれて最高です(笑)。正直、とむが次期で
いいのに…。
ほっくんはウメの弟役。特に話には絡まないけれど、私にはなくてはならない存在
です。ウメのソロかと思って始まった歌を途中からフォローに入るあたりの演出が
好きです(笑)。アリス(恋人)との絡みがかなり新鮮でした。
まちゃみはタニの恋人役。ただ別れるのではないところが正塚脚本。別れる理由
がただ単にウメではなく、家族やら現状に満足していないタニやら、きちんと納得
できる理由を言わせているのがさすがでした。こういうお芝居が出来る人がやめる
のはもったいない…。
ともちんは敵役。敵役を振られることが多いですね。まだ、素性がわかる前から
既に嫌らしい感じが出ていて、「あ、この人が悪いに違いない」と思わせてしまう
のはいいのか悪いのか(^_^;)。きっかけはどうあれ、ウメの事は本気かもとはちょっ
と思えなかったな。言葉は巧みだったけれど。
えりことまさこは正塚の好みにより(笑)、まさこの方が大きい役でした。えりこは
うめの家の会計士でタニに相談にくることが話のきっかけなのですが、場面とし
てはほぼそこだけなのが最後なのに残念。まさこはうめの家が傾くきっかけとなっ
た投資先の社長。タニにどやされる場面や“敵”に対抗する場面もありました。
タニにどやされているところはらしさが出ていました。
その他のメンバーは大勢で突然踊ったり(^_^;)、突然歌ったり(^_^;)(^_^;)と言った
感じでした。
・一夜と共にしたタニとウメを模した“抱擁の男”“抱擁の女”の春風&大海はか
なり見物。
・7年前のエピソードからどんなに厳格な両親かと思いきやかなりコミカルなうめ
の両親に驚き(@_@)。しかも今日は組長の髭がヒラヒラして(^_^;)コミカルな場面が
完全にコメディになってしまいました(^_^;)。
ショーは岡田先生のロマンティックレビュー。スピード感あるショーが主流の今にしては
かなりミディアムテンポの曲が多かったように思います。色の洪水の群舞はわりと
見慣れているのでそれほどの驚きはありませんでした。岡田先生のショーなら初演の
「ダンディズム」の幕開きのインパクトが一番でしょうね。
途中でトムが銀橋で歌う場面の手の動きに「ん?」と思うとどうやら手話のようでした。
何故、突然手話?と思いましたが何か意味があるのでしょう。
サヨナラにしてはフツーのショーだなと思うのは毎日サヨナラショー(^_^;)「ア ビヤント」の
見過ぎでしょうか(笑)。タニウメのデュエット、黒燕尾の群舞もしっかりありました。
エトワールはまちゃみでした。パレードの下手先頭を切ったのはトムでやはりウメのキャ
リアでは無理でしたか…。
今回、ウメの男前なダンスが復活しているのでその辺もまた注目したいと思います。
とりあえず、初見の感想はこんなところで…。