私たち(私とオジェのおじさん)は、ジャワ島のバトゥから山中を通ってマランの近くのラワンの近くの茶畑公園に行こうとしていた。そのとき私は茶畑公園が公園的な観光地だとは思わず純粋に茶栽培だけしている茶園だと思っていた。だから、茶園をめざしていると言われたら、仕事に行く以外は考えられなかったのである。
そういう私は茶畑に仕事に行くわけではなくて、単に茶園を見たいだけだったが。
参考/前の記事 ラワン近郊の茶畑公園のこと
Periplus Travel Map という、外国人観光客にはメジャーな立派な地図に(定価で1500円ぐらいする)、バトゥという高原の町から茶畑公園方面に向かう、幹線道路じゃない、山あいの村々を通っていく道が、くっきりと二本線で書かれていた。バトゥでオジェのおじさんに、その道を通って茶園まで行きたいとお願いした。私の目的は山の中の広大な茶園を見ることだけでなく、その道中の村々を見ることにあった。だから、バスの走っているような幹線道路を通ってもらっては困るのである。
けれど、オジェマンは、首をかしげながらひとしきり回りの人にいろいろ相談したり電話したあげく、そんな道はないと告げた。私は地図を見せ、ここに書いてあるんだからあるでしょう、どうしても行きたいと言い、押し問答の末、オジェマンは、「今日は行けません」と最終勧告をし、その日のツアー計画は消えてしまった。
けれど、ここはインドネシアだ。こんなことですごすごと諦めていては何も達成できない。それに、ここでは信じられることなんて何もない。茶園にたどり着けなくてもかまわないからとにかく行けるところまで行ってほしいとお願いして納得してもらい、なんとか出かけられる運びとなった。旅人は暇なので、暇がつぶせれば何でもいい。お出かけできればそれでいい。それにそのオジェマンはお金にギラギラしてない誠実ないい人で、一緒にいてさわやかな気分になれたからってこともある。
で、そのオジェマンさえも知らない道を、とってもいいバイクととってもいいヘルメットで茶園方面に向かった。いいバイクはともかくいいヘルメットに恵まれることはきわめて稀だ。
途中、オジェマンは要所要所でバイクを止め、人に道をたずねた。大きな通りからはずれると、高原の台地になった農園地帯になった。ブミアジ名物のりんご畑や落花生、トウモロコシ、ナス、ニンジンの畑など、見事な畑が広がり、家は全くない。とにかく畑、畑。インドネシアでほかに見たことがない景色だった。もちろん私が知らないだけだろうが。畑の間の道は石舗装してあって、とてもきれいだ。車が入るには舗装が必要だとはいえ、石舗装……カッコイイ!
続く
写真/ジャワ島バトゥのあたり(2012年)
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