四小が生まれて一年がたちました。もうすっかり、この世界に慣れた四小は、
自分の所に通って来る子どもたちが、自分に気づくかどうか、試しに声をかけて
みていました。でも、子どもたちは誰も自分に気づいてくれません。四小は、
がっかりしてしまいました。
『あ~あ、生まれてから一年、ずーっと毎日、こうして子どもたちに声かけてるのに、
だーれも気づいてくれないの。つまんないの。だれか気づいてくれないかな。』
四小はそんなことを思いながら、それでも毎日あきらめずに、一所懸命
子どもたちに声をかけ続けていました。そんなある日、二小がやって来て、四小に
訊きました。
「四小、毎日、一所懸命何やってるの?」
「あ、姉さん、うん、あのね、子どもたちに声かけてるの。」
四小は、二小の方を向いて、ちょっとはにかみながら答えました。
「まあ、何で?」
二小は、意外だ、というような感じで、さらに四小に訊ねました。