クラシック音楽徒然草

ほぼ40年一貫してフルトヴェングラーとグレン・グールドが好き、だが楽譜もろくに読めない音楽素人が思ったことを綴る

所沢バッハ・アカデミー ニューイヤーコンサート2024 ヘンデル「メサイア」HWV.56

2024-01-21 12:54:23 | 演奏会感想
所沢バッハ・アカデミーのニューイヤーコンサートはヘンデルの大曲「メサイア」。
しかしながら、会場は席数300程度のキューブ・ホール。
どういった演奏形態でやるのだろう?と思っていたのだが、なんとフル編成であった!
かように親密な空間で「メサイア」(ほぼ)全曲を聴けるとはジョージ2世も味わえなかったであろう至福!
まずは指揮・テノールの牧野成史氏はじめ演奏者の皆様に御礼申し上げます。

「ハレルヤ」はやっぱりすばらしい!!!
千変万化の音楽で、2時間を超す大曲でありながら過ぎ去る時間はあっという間。
例えば第2部のモーツァルトが「レクイエム」キリエに引用したAnd with his stripeの峻厳なフーガ

の次は一転してノー天気な群衆の合唱All we like sheep、

そのまま続けて静謐な祈りand the Lord hath laidと続く

のはまったく見事!!
またバスの激しいアリア
Why do the nations so furiously rage together,
and why do the people imagine a vain thing?

ここなど、もしわたくしがバス歌手だったら、メサイア初演後300年近くを経ていっこうに行いを改めない人類に対して怒りを爆発させて絶叫してしまいそうだ。
もちろん本日歌った井口和彦氏は温厚なお人柄がにじみ出て、そんな歌い方はしなかったが。
かように怒りがわいてきても、結局はハレルヤ・コーラスで心がすっきり晴れるのが「メサイア」の良いところだ。

所沢バッハ・アカデミーは来年の1月11日もキューブ・ホールを押さえていて、「メサイア」を演奏するかも、ということである。
「メサイア」はたしかに素晴らしく新年を祝うのにふさわしい。
が、毎年同じ曲を聴くのは”我々は何度も同じ童話を聴きたがる幼児”とアーノンクールに罵倒されていらい躊躇がある。
そこで1月はモーツァルトの誕生月なので、来年はモーツァルト生誕祝賀という趣向はいかがでしょう?
おっと、その前に今年7月には定期演奏会としてハイドンとシューベルトのミサ曲が予定されているので、たいへん楽しみです。










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