クラシック音楽徒然草

ほぼ40年一貫してフルトヴェングラーとグレン・グールドが好き、だが楽譜もろくに読めない音楽素人が思ったことを綴る

El Cielo 2020 情熱的挑発 LIVE@2023.9.30 ウエスタ川越

2023-10-01 08:00:29 | 演奏会感想
今回はピアソラのスペシャリスト集団El Cielo 2020によるオール・ピアソラ・プログラム。

前半はピアソラの中でもメジャーな曲で
Oblivion, Libertango, Decariimo, Retrato De Milton, Biyuya, Michelangelo '70, Adios Nonino
後半はより通好みの曲らしく
Lunfardo, La Camorra II, Escualo, Ave Maria, Imagens 676, Concierto pra quinteto
という内容。

El Cielo 2020はさすがピアソラのスペシャリスト集団を名乗るだけあって、「思い」が入った素晴らしい演奏でした。
面白いのは、本来だったらバンドネオンを弾くピアソラ本人がいるであろう真ん中にいるのがコントラバス。
コントラバスという楽器はだいたい後ろの方でバスを支えている、というイメージだが、真ん中にいるのはやはり理由がある。

実は今回動画を観て予習していて、気に入ったのがAve Maria。

全然ピアソラらしくないが、とても美してシューベルトみたい。
この曲は演奏してほしいな~と思っていたら、期待どおりやってくれて良かった!

ピアソラはタンゴを踊りのための音楽から、音楽として独立したより普遍的なものにしようとガンバッた。
没後30年を経てはるか異国の地でこれほど頻繁に演奏されているのだから、天国のピアソラは喜んでいるだろう。
ふとピアソラはいつ来日したのか、と調べたら初来日は1983年の1月で、インタビュー記事があった。
これがなかなか面白い。
バッハについて
「少しは私の音楽の父だ。バッハの作品のたった1曲でも書くことができたら、私はすぐ死んでもいい」
モーツァルトについて
「いろいろな音楽すべての、少しずつ父だ。私はどんどん好きになる」
なんて言っている。
こんな質問をピアソラにしてくれたインタビュアー高場将美氏にも感謝。

なお、本演奏会の企画はあやクリニック歯科・皮ふ科で、歯ブラシ・歯磨きのお土産つき!
お口の健康だけでなく、心身ともに健康たることを目指してかような企画を実施されているとのこと。
演奏会のはじめには、先生自らラフマニノフをお弾きになる多才ぶりを発揮。
この国は演奏できる人は案外いっぱいいて、会場も意外とあったりするが、プロデューサー的な人が少ない感じがするので、あや先生みたいなパワフルな人はたいへん貴重で、今後も頑張ってほしいです。

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