クラシック音楽徒然草

ほぼ40年一貫してフルトヴェングラーとグレン・グールドが好き、だが楽譜もろくに読めない音楽素人が思ったことを綴る

W.A.モーツァルト フルート四重奏曲全曲演奏会@2023.10.8 ウエスタ川越

2023-10-15 11:50:20 | 演奏会感想
本日はモーツァルトのフルート四重奏曲を全曲聴けるというモーツァルト好きにはまことにありがたい企画。
演奏は
 江田亮太(Fl),澤田和慶(Vn),民谷可奈子(Va),多田麗王(Vc)
の皆様。

最初の曲は弦楽だけでハイドン 弦楽三重奏 変ロ長調Hob V:8
初めて聴いた曲だが、室内楽らしい親密さにあふれている。
第1楽章アダージョは変奏曲で、第2変奏はこれ。

この変奏のヴァイオリンとヴィオラは若い男女が、ステキだわ~愛してるよ~とか言い合ったあげく最後はイチャイチャ。
横でチェロおやじは見て見ぬふり、としかわたくしには思えない。
だからヴィオラが麗しい可奈子さんで良かった~~~

お次はいよいよモーツァルトで以下の曲順でした。
 ①ハ長調 K.285b
 ②ト長調 K.285a
 ③イ長調 K.298
 ④ニ長調 K.285

これらの曲はパリ旅行の途中マンハイムでドゥ・ジャンという人の依頼で作られた、とされていたりするが実際はフクザツ。
まずイ長調 K.298はずっと後にウィーンで作曲されたのは明らか。
第3楽章の速度表記は
 Rondieaux - Allegretto grazioso, ma non troppo presto, pero non troppo adagio. cosi - cosi - molto garbo ed espressione
と明らかにふざけていて、他者からの依頼曲でモーツァルトがこんなふうに書くことは絶対にない。
身内(おそらくジャカン家)との楽しみのために作った曲だから、遊べるのである。

またハ長調 K.285bもウィーンの香りがする。
第2楽章はグラン・パルティータの焼き直しだし、第1楽章も展開部の充実や再現部のここらあたり

を聴いてもウィーン時代の曲のように思える。

そんなわけで、どうような機会に作られたのかよくわからないフルート四重奏曲たちであるが、みなスバラシイ!
現代に残っていて良かった!








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