大塚直哉さんはさいたま芸術劇場で「光の庭プロムナードコンサート」を続けていらっしゃるが、さい芸が改修中のため今回川越のジョイフルまでポジティフ・オルガンとともに出張いただいた。一緒にお出でになったのはソプラノの中山美紀さん。まことにありがたいことです。
終演後にはポジティフ・オルガンの中身を見せてもらい説明もあった。
外板を外すと、中はパイプ・オルガンと同じようにパイプが並んでいる。
右側の黒いレバーがストップで4つある。これでどのパイプが音を出すか選ぶ仕組み。
パイプに空気を送り込むふいごは、演奏台の椅子の中にあった。
椅子と楽器本体が接続されているのだが、聴衆からは見えないのでうまい作りである。
最初に演奏されたのは
バッハ:「平均律クラヴィーア曲集第2巻」の第1番ハ長調
この曲は10月1日にNANAWATAでも聴いた。数あるバッハの曲の中で同じ曲を1週間に2回実演で聴くとは不思議な偶然。
今年は平均律第2巻イヤーなのかな?
次もバッハで
インヴェンションの8番ヘ長調と4番ニ短調、シンフォニア3番ニ長調
インヴェンションはわたくしの数少ないレパートリーである。
オルガンと比べて、わたくしのアヤしいクラヴィコードも案外悪くないと思った。
ポジティフ・オルガンは持続音を出せるので和声は美しいが、1段鍵盤だから声部ごとに音色を弾き分けることはできない。
だから音色や強弱をひねって主題の入りを目立たせる、といった芸当は難しく、その点クラヴィコードやピアノは有利である。
このあとは本日のテーマ「涙」関連曲。
まずはスウェーリンク「涙のパヴァーヌ」でこんな曲。
江戸幕府が始まったころの曲を楽しめるのはステキ。
スウェーリンクはグールドがザルツブルクで「オルガンのための幻想曲」を弾いていた。
次はいよいよソプラノの美紀さんがご登場して、ヘンデルの歌劇「リナルド」より「涙の流れるままに」
こんな間近で美しい歌声を聴けるのは、かつての王侯貴族のような贅沢である。
この曲はコロナ禍の時に森麻季さんがオンライン配信していた。
コロナは収まったのかどうかよくわからないが、コンサートは普通にできるので良かった。
歌劇「リナルド」のことは全く知らなかったが、調べたらなんとヘンデルのイギリスデビュー曲だった。
過去の自作を使いまわしてわずか二週間で作曲し大成功を収めた、というからさすが生まれながらの劇場人ヘンデルである。
お次はオルガン独奏で、ヘンデル組曲第7番より「パッサカリアト短調」
組曲全体の説明と演奏がこちらの動画にあった。
パッサカリアというとバッハの曲を連想してしまうが、ヘンデルのはバッハに比べて明るくて軽い。
次は美紀さん再登場でヘンデルの歌劇「エジプトのジュリアス・シーザー」よりレチタティーヴォ「このように、ただ一日のうちに」とアリア「我がむごい運命に涙し」
この歌劇のストーリーははシーザーとクレオパトラがエジプト王(クレオパトラの弟)に勝利してクレオパトラが女王になるところまで。
アリアの場面は、クレオパトラがシーザーが死んだとの偽情報で涙しているところ。
前半はpiangeroとしおらしいが、中間部は悪女の本領発揮で激しい勢いを示す。
美紀さんは可愛らしくて演技なしで即ツェルリーナになれそうだが、クレオパトラも歌えてしまうのがスバラシイです。
最後は日本の歌で「小さい秋みつけた」
やっぱり歌詞がダイレクトに聴きとれるのはいいですな~
ロンドンの聴衆はヘンデルのイタリア語歌劇を聴き取れたのだから大したもんだ。
「小さい秋みつけた」の歌詞は3番まであり、それぞれの間にはオルガンの即興演奏があった。
歌の旋律の一部を使って即興するのが流儀だそう。
ラトリーも「七夕様」の一部を使って即興していたから、オルガニストの万国共通メソッドらしい。
終演後にはポジティフ・オルガンの中身を見せてもらい説明もあった。
外板を外すと、中はパイプ・オルガンと同じようにパイプが並んでいる。
右側の黒いレバーがストップで4つある。これでどのパイプが音を出すか選ぶ仕組み。
パイプに空気を送り込むふいごは、演奏台の椅子の中にあった。
椅子と楽器本体が接続されているのだが、聴衆からは見えないのでうまい作りである。
最初に演奏されたのは
バッハ:「平均律クラヴィーア曲集第2巻」の第1番ハ長調
この曲は10月1日にNANAWATAでも聴いた。数あるバッハの曲の中で同じ曲を1週間に2回実演で聴くとは不思議な偶然。
今年は平均律第2巻イヤーなのかな?
次もバッハで
インヴェンションの8番ヘ長調と4番ニ短調、シンフォニア3番ニ長調
インヴェンションはわたくしの数少ないレパートリーである。
オルガンと比べて、わたくしのアヤしいクラヴィコードも案外悪くないと思った。
ポジティフ・オルガンは持続音を出せるので和声は美しいが、1段鍵盤だから声部ごとに音色を弾き分けることはできない。
だから音色や強弱をひねって主題の入りを目立たせる、といった芸当は難しく、その点クラヴィコードやピアノは有利である。
このあとは本日のテーマ「涙」関連曲。
まずはスウェーリンク「涙のパヴァーヌ」でこんな曲。
江戸幕府が始まったころの曲を楽しめるのはステキ。
スウェーリンクはグールドがザルツブルクで「オルガンのための幻想曲」を弾いていた。
次はいよいよソプラノの美紀さんがご登場して、ヘンデルの歌劇「リナルド」より「涙の流れるままに」
こんな間近で美しい歌声を聴けるのは、かつての王侯貴族のような贅沢である。
この曲はコロナ禍の時に森麻季さんがオンライン配信していた。
コロナは収まったのかどうかよくわからないが、コンサートは普通にできるので良かった。
歌劇「リナルド」のことは全く知らなかったが、調べたらなんとヘンデルのイギリスデビュー曲だった。
過去の自作を使いまわしてわずか二週間で作曲し大成功を収めた、というからさすが生まれながらの劇場人ヘンデルである。
お次はオルガン独奏で、ヘンデル組曲第7番より「パッサカリアト短調」
組曲全体の説明と演奏がこちらの動画にあった。
パッサカリアというとバッハの曲を連想してしまうが、ヘンデルのはバッハに比べて明るくて軽い。
次は美紀さん再登場でヘンデルの歌劇「エジプトのジュリアス・シーザー」よりレチタティーヴォ「このように、ただ一日のうちに」とアリア「我がむごい運命に涙し」
この歌劇のストーリーははシーザーとクレオパトラがエジプト王(クレオパトラの弟)に勝利してクレオパトラが女王になるところまで。
アリアの場面は、クレオパトラがシーザーが死んだとの偽情報で涙しているところ。
前半はpiangeroとしおらしいが、中間部は悪女の本領発揮で激しい勢いを示す。
美紀さんは可愛らしくて演技なしで即ツェルリーナになれそうだが、クレオパトラも歌えてしまうのがスバラシイです。
最後は日本の歌で「小さい秋みつけた」
やっぱり歌詞がダイレクトに聴きとれるのはいいですな~
ロンドンの聴衆はヘンデルのイタリア語歌劇を聴き取れたのだから大したもんだ。
「小さい秋みつけた」の歌詞は3番まであり、それぞれの間にはオルガンの即興演奏があった。
歌の旋律の一部を使って即興するのが流儀だそう。
ラトリーも「七夕様」の一部を使って即興していたから、オルガニストの万国共通メソッドらしい。