…その1より続く
殺陣といえば多くの場合、刀を使った剣劇をさす。(例外も多いが…)
剣劇は大きく分けると斬られ役、(「からみ」という)と、勝ち役(「芯」という)の組み合わせで表現される。
この殺陣講座は天人でスタッフをしてくれているメンバーの仲間に頼まれて、開くことになったのだか、
養成所では教えない、もっと深い部分を知りたいとの要望から始まっている。
だから、この講座は普通のチャンバラを教える教室とは大分おもむきが違う。
僕は悩んだ末「殺陣という文化を日本の天然芸術として捉える試み」として考えて彼らの要望を受け入れる事にした。
日本刀を使った文化は日本人が着物をきて帯を締めていたからこそ生まれた技術である。
日本刀という世界でも少ない両手で持つ刀は実際身体的に無理が多い。
しかし日本人は身体の方を発展させてしまった。
実はこれが縄文時代から培ってきた、縄文の身体運動学が着物を産み、日本刀に
あの独特の反りと形状を持たせた。
つまり刀を使える身体を要請することはスゴイ事なのだ。
日本という島国に生まれた類稀な身体術をマスターする近道であり、
僕は日本人を知り体現する有力な方法の一つだと考えている。
この身体は殺陣だけでなく、あらゆる分野に応用できる。
今日、武術のナンバ走りが陸上選手の間で持てはやされたり、古武術が見直されているのも、うなづける。
剣の動きをモノにする身体は、どんなスポーツでもアドバンテージになる。
数値で結果を出さない、ダンスやパントマイムなどの芸術分野でも、明らかに他と違う印象を与えられるし、
外国の方の目には何だかわからないけど不思議な感動を与えるようだ。
これは一種の進化だといえる。
今回の殺陣の教室4時間は休憩なしで行われたが、皆があっという間だと目を丸くしたようだ。
なにせ四つんばいで動物のように歩いたり、寝転がってグネグネ体をまわしたり、正座をしたまま歩いたり…、全く剣を振らない。
やっと木刀を持ったと思ったら、前後逆に持って刃を握って構えさせられたりと、およそ剣劇とは程遠く感じたのだろう。
そうとう、衝撃的だったらしい。
このクラスは日本の文化の剣を通してあらゆるパフォーマンス能力を進化さす事が目的なのだ。
だから我々が四足動物から進化して、猿をへて2足歩行をし、その過程で、日本人意識が日本列島という自然環境の中で、
どのように進化を受け止めて処理してきたか…それを知る事が大切なのだ。
何故、日本はこのような文化を産んだのか理由から体験し根本から身体を作る。
これは身体操法の歴史に新しい可能性をもたらす。(日本人にとっては、ある意味先祖に戻す行為なのかもしれないが…)
次回から参加者が皆で集まれる曜日を相談して随時決めていく事にし、今回の講座は無事終了した。
汗をかいて、ストレスを発散できる、チャンバラクラスを期待されている人には
全く向かないけど、こんな講座でも興味が湧いた人がいれば是非参加していただいて結構です。
よろしくお願いします。
(第一期生の募集はある程度人数がそろえば終了します。
途中入学はまったくついて来れなくなってしまうので興味のある方はお早めに!)
温故知新とはよく言ったもので、古きから「新しい」を産み、本物に育つ試み、これは僕自身の探求でもあります。
僕らで日本人が生み出した身体科学で世界に貢献できればこんな幸せなことはないじゃないですか!
少年よ大志を抱け!
あっスイマセン少年ではないですね (^へ^;)
JUNの日記
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