AManTo天然芸術研究所

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天人4周年の言葉 「願望達成」から「必然達成」の時代へ

2005年07月14日 | Weblog
「願望達成」から「必然達成」の時代へ
価値観パラダイムシフト

2001年7月26日マヤ暦の元旦に始まった中崎町実験ファイル‥
日本の古きよき時代を残す都会の田舎、中崎町に、
実験空間Salon de AManTO天人が誕生してはや4年になりました。
ここまでくるのに多くの人に支えられ助けられて天人はここまでこれました。
皆さんに改めて心より感謝を申し上げます。
本当にありがとうございました。

「空き家再生パフォーマンス」によりたった一人で始まったこの実験、
通りすがりの人々1127人を偶然に巻き込み、実験サロンカフェとして誕生し
今日に至っています。
その間、道は決して平坦なものではありませんでした。

皆さんの助けのおかげで天人は現在の所、大きく3本の柱で成り立っています。

1. 命が生きていくための「食」としてのCAFEプロジェクト
2. 様々な実験プロジェクトを含んだ、文化創造のためのイベントプロジェクト
3. 文化教室から発展し瀬戸内海に広がりつつあるCAFE大学プロジェクト…
です。

これら全てがお客さん主体による自主企画が元になっているのは天人ならでは
であり、その質の高さ、多様性、皆さんの熱意には、ただ驚かされるばかりです。
出会う人々による化学反応が新しい文化をつくる…という信念が、
さらに確信に深まった4年間でもありました。

私たち天人も、社会の一つの駒として何かお役に立てるのではないかという、
一つの使命感にもに似た希望が
持てるようになりました。

既存の社会システムに頼らず、自由な発想の基、自然発生した天人の運営スタイルは
自ずと非常にユニークで独自性にあふれたものです。
今では内外から数多くの問い合わせをいただけるようにまでなりました。

大半を占める天人のボランティアスタッフは、この空間を自分の場として、
天職を探したり、夢を実現するために相互扶助によって活動しています。
「和を以って尊しとす」の現代版です。
この現象は市民の市民によるカルチャーネットワークサービスとして
オルタナティブなスタイルを確立し始めています。

CAFEというサロン空間では、環境、福祉、国際交流、経済、教育などが
決して分けて語られるものではなく、有機的に連携し合います。
天人CAFEは、それらが私たちの意識活動を日常生活の根底で
支えている事を教えてくれます。

言い換えると、「場」自体が市民レベルの文化的現場を作っている
という単純な事実なのです。
夢をかなえるだけのネットワーク、
願望を満たすためだけのネットワークとは一線を隔した
継続維持可能なサスティナブルアートがココにあります。
子を産み、育て、働き、生活するというアートです。

このホリスティックな立場は、「yura-ism」とよばれ、
個人というミクロから、社会というマクロをも含んでしまいます。
各分野、専門家の日夜血のにじむような研究を取り込み、
笑いと、時間の豊かさに中で、それらはゆっくりと溶け合い、
生きるための実践的カルチャー(*1)を生み出していく…。

そして、天人で多くの時間を過ごす人々は、気づきます。
そのシステムが、どれもシンプルで、生命感に根ざした
「美」を兼ね備えていることに…。


この事実は、“2つの真実”を私たちに突きつけてきます。


一つは、この庶民のデザインする「美」が、自学自習である上に、
特定個人の自己主張を持ち合わせてはいない、という事実です。
有形より無形である場合が多く、所有するための「美」というより
まさにコミニティーの存在のための「美」なのです。

天人に多くの学者、大学、研究所の専門家が調査研究にこられるのは
それがまさにリアルな現場での最前線で起こっている事の証でしょう。

そして2つ目、人が、その協調や協力の和音の中で自分を教師とし、
各自が他との響きあいの中で環境、コミニティでの
生きる術を学んでいるという事実です(*2)。

天人では、この2つが生き生きと日常を彩っています。

もらい物と拾い物・廃材を使って作られた空間は、「和を以って尊しとす」と
並んで「足ることを知る」という天人の根本思想による
「幸せ」「満足」の新しい価値方向の提案でもありました。
そしてこの「小欲知足」生き方は、「美」を幸福の基準にした古くて新しい
東洋の知恵でもあります。

スローライフという言葉によって、
現在、この東洋の知恵の一部は表現され、現代に再提案され
一応の広がりと認知度を得ています。
しかし、スローライフという言葉にはこの大きな東洋の知恵の一部しか
表現されていないような気がします。
スローライフになった人々が「で、どうするのか」を問うたものが
天人でのライススタイル「yura-ism」なのです。

「願望達成」から「必然達成」の時代へ
価値観パラダイムシフトは確実にここから始まります。
その実践と実験の場として作られたのが、天人です。

その空間は人を癒し、そこに集う人を自分自身へと帰していくのです。
そして人がこの星で生き残るために何をしなければならないのか、
その必然という「美」のために各自が動きだすのです。

おそらくこれは、旧石器時代から変わらず続いている最もシンプルで伝統的
な破局回避のシステムなのでしょう。
度重なる氷河期、自然環境の変化、文明社会の変化をへて淘汰されてきた結果、
このシステムは確固たる美意識と誇りを持つに至りました。

天人は、縦軸に、子供からお年寄り。
横軸に全ての社会のカテゴリーと人種(引きこもりからビジネスマン、アーティストまで…)。
その両者がが同時にいられる場所「公園」というコンセプトで歩んできました。

この公園でこの古く新しいシステムが、再解凍され、起動しだす姿を見る事は、
予想されていたとはいえ、我々に爽やかな感動と自信を与えてくれます。
そして、我々の祖先の苦労が私たちの肉の中にDNAレベルで記憶されている
という安心感を与えてくれるものです。

勿論、変化についていけず、自己の主張を覆せない魂も存在するでしょう。
それも美ではありますが、今までのこの地球上の生命は、
価値観が全て通用しなくなるような激変を感知した時、
原点に戻ることによって生き延びてきました。

過去、生命は、<ソレ>を受け入れる事を選べた魂だけが
次世代に生き残ってきたのです。
私たちは恐竜に成り下がってしまうのか?
その真価が問われているように思われます。

この価値観の多極化した時代に、情報化による世界の縮小は
地球始まって以来の大変革をもたらしています。
価値観は交差し、融合、反発を繰り返し、
個の存在価値自体を問い直しているように思えます。

天人では縄文以前より黒潮文化によって培われてきた環太平洋的
文化共存と融合の精神性、「足ることを知る」「和をもって尊しとする」などの
東洋の知恵を統合し、ネット時代の現代人の生き方を再融合し
「美」を要とする「yura-ism」という生き方として価値観の再提案をしてきました。
これは混迷する世界の多くの地域で役立てるモノの一つだと信じています。

天人による実験は、まさに、この古代システムの
現代への摺り合わせ現象だといえるのです。

5年目を過ぎておそらく天人という現象は、
この大阪中崎町に始まったカフェサロンとしての名称から
天人という現象、ムーブメントとして社会に広がっていく予感を抱いています。

ソレが社会にとって良きものになれるよう、スタッフ一同、
今後も精一杯精進努力していきます。
これからもどうぞ皆さんのご協力とご理解、更なる御参加をいただけますよう
よろしくお願いいたします。

最後にこの天人にこれから出会う皆さん。
ココに結果や目的は存在しません。

貴方の参加によってココで起こる事と、
貴方自身が天人そのものである事を知ってください。

どうか一人でも多くの人が自分に出会い、天職に出会い、
より良い人生を歩む事ができますように…

天人が、そのお役に立てる事ができますように‥

これからも、地域社会に根ざした地に足の着いた活動を通して、
世界に新しい文化発信を続けていけますように…

そして、ここに関わる人すべてが、
それぞれの道で天下人(天人AManTo)となっていけますように‥
それが私の唯一の願いでもあります。


14JULY '05 (晴天) CAMDEN TOWN LONDON にて
天人オーナーJUN


*1 実践的カルチャー/天然芸術ともいい、
生きるために不特定多数により自然発生した目的の定め切れないカルチャー
⇔仮説的カルチャー(学問や、経済のためにデザインされ特定個人またはグループによって
人工的にシュミレーションされデザインされる特定の目的意図が存在するカルチャー)

*2 生きる術を自然に学んでいけるという事実です/
「響育」といわれ、トップの指揮による調和(ハーモニー)の対極に位置する、
響きあいの中のよる平均値的ハーモニーとして環太平洋地域に太古から存在した
融和の美意識「yura-ism」に支えられた現象。
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