『天外者』(てんがらもん)は、2020年12月11日に公開された日本映画。監督は田中光敏。
2020年7月18日に亡くなった三浦春馬の最後の主演映画でもある。
最近ではよく知られるようになった五代 友厚(ごだい ともあつ)の話。薩摩のひと。
五代 友厚(ごだい ともあつ、天保6年12月26日〈1836年2月12日〉 - 明治18年〈1885年〉9月25日)
西郷 隆盛(さいごう たかもり、 旧字体:西鄕 隆󠄁盛󠄁、1828年1月23日(文政10年12月7日)- 1877年(明治10年)9月24日
五代友厚は西鄕隆󠄁盛󠄁より12若いが
同じ享年49。
西郷も大久保も五代の才能は認めていたのだろうが
薩摩では”商(あきんど)の才はあると言うそれだけで人望には結びつきにくい。官尊民卑のお国柄。
西郷は五代をあまり重用はしなかったらしい。
五代が薩英戦争で捕虜になったことや、英国のスパイと疑われた経歴も聞き及んでいただろう。
西郷は征韓論で、五代は北海道の開拓使官有物払下げ事件で人気の旗色を悪くした。
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2022年10月17日 | 本と雑誌
幕末のこの時代は登場人物が多い。映画ではその人生を描くには急ぎ足にならざるを得ない。富国強兵、殖産興業の時代へ向けて西郷と五代との関係に絞ってみても、もう一つの映画ができそうだ。軍人と商人(あきんど)。公務員とビジネスマン。建前と金。論語と算盤。
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大阪商法会議所 初代会頭就任式
1878年(明治11年)大阪商法会議所設
場面は初代会頭五代の就任演説。
聴衆 お上の金で金儲けだ
岩崎弥太郎
あんたは小判から紙幣に代わるどさくさで財をなし、・・・肥え太ってきた、その裏では・・お国のためと見受けるが
聴衆 卑怯だ
聴衆 お国の力で金儲けだ。
岩崎弥太郎
その金をしこたま貯め込んで私腹をこやしているのはどこの誰じゃあい
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皆さんは私が私腹を肥やしていると言うが、はっきり言って儲けもだせんものを商人(あきんど)とは呼ばん!
俺には100年先の日本が見えておる。お家の利益だけを追求していては先が見えておる。
これからは商人が世界を・・・(まるで竜馬の言いぐさだが、岩崎弥太郎は「自信過剰」を取り戻した五代に、論破されにやりとして会場をあとにする。東の渋沢、西の五代友厚と言われる。が、土佐の地下浪人の長男、初代 三菱財閥総帥の岩崎弥太郎もまた私利私欲で巨大財閥を築いたわけではない。
薩摩の藩士たちにも、そして商人仲間からも理解されない五代。
時代を動かしたが
資産はなく、借金だけが残された。