東北アルパインスキー日誌 ブログ

東北南部の山での山スキー、山歩き、山釣りなどと共に、田舎暮らしなどの話を交えながら綴っています。

間伐にも良い季節

2006年10月02日 | 林業

先日、久しぶりの間伐作業をやってきた。樹齢40年くらいの杉林なのだが、以前は冬になると多くの杉の木が伐採(主伐)され、伐採業者がトラックで搬出して市場へ向かって行った。柔らかくて加工がし易くまた耐久性もあるので、当時は3寸角(9cm角)、3寸5分角(10.5cm角)として住宅用の柱材、梁用材に良く使われていたが、今となっては輸入材の米松、集整材にとって替わり、市場価値は下がり価格も低迷している。

現在では価格は米松と殆ど同じくらいかむしろ安い位だが、乾燥が不十分だと曲がって狂いが出やすく、効率と価格を最優先する今の建築市場には競争力があまりない。しかも流通量が少ない為供給量が不安定で、品質の整った安定した流通システムが出来ていない為に、次第に悪循環に陥っているのが現状です。

何でこんな事になったかというと安い外材の輸入が野放しになった事も一因だが、実は設備の整った乾燥施設も無く、流通システムも複雑で旧態依然としている事にも原因がある。業界全体が零細企業で利益の出る体質ではなく、品質の良い商品を安定的に供給しようとする、ビジネスとしては当たり前の自助努力が欠如している事に大きな原因が有った。30年位この状況が進行すると次第に事態は悪化し、どうやっても利益の出ないどころか赤字が累積する、産業としては成り立たない所まで追い込まれた。つまり見捨てられた産業と言える。

そんな理由で、今は40年ほどで主伐することは少なくなり、60~80年の長期伐期を目指した山林経営が主流となっている。しかし問題はそれまでの面倒を誰がどうやってみるのかという事だ。間伐、枝打ちにも僅かばかりの補助金が交付されるが、人件費、機材、油代等などを差し引くと実質赤字が当たり前。国有林、県有林などでは森林組合などが請け負い、山間地の活性化の為行われているが、民間の林でこれをやろうとする人は稀。国の補助金をもらって自分の財産を整備する事はどこかおかしいが、ポリシーが無くまた有効に機能しない国の政策が現実なのです。

今回は気晴らしを兼ねて25本程間伐したが、これはいわゆる「切捨て間伐」と言うやつで、活用のしようがない間伐材は枝を落とし、5m位に玉切ってそのまま放置した。中には坪木の冬囲い用に使える細木を何本か確保したが、林の中は直径20~30cmくらいのスギの木がゴロゴロ転がっているとい状態となる。林道から5m程しか離れていない場所だけに、ああもったいないと思いながら汗を流しておりました。


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