東北アルパインスキー日誌 ブログ

東北南部の山での山スキー、山歩き、山釣りなどと共に、田舎暮らしなどの話を交えながら綴っています。

ウイリッシュの亡霊

2010年03月24日 | その他山関連
今、手元に知人から売却を依頼されたピッケルがある。
R.WILLISCH&Söhne銘の穴明きタイプ。ヘッド長29.5cm、全長75cm。このピッケルはウイリッシュ2代目3代目合作の穴明きタイプだが、実はいくらでも良いから売却して欲しいと、知人から依頼を受けた物だった。

この「いくらでも良いから」というのが実は曲者で、本音は4万円ほどの値踏みをした上での売却依頼だと思った。噂によればヤフーオークションで4万円の値が付いたという話も有るが、実際国産カドタのピッケルが2.5万の値が付いており、まんざらホラ話でも無い様にも思える。年代の古い山ノ内ピッケルには47万?の値が付いていた。(本当に買う人の顔を見たい)

このピッケルは仙台のYYKという某アウトドアショップで店ざらしにされていた物だが、不景気な仙台では誰も食指を動かす人など無く、まったく相手にされずに売れ残っていた。そうなったらやはりヤフオクしかない。

自分でヤフオクはやらないので知識は無いが、その道に詳しい知人がいるので転売の依頼はどうか?ノウハウが有れば4万どころか6万くらいにはなるかも?別に手間賃など要らないが、いくらで売れるのかが興味深い。

しかし、手にとって見たピッケルは未使用の美品で、ウッドシャフトはアマニ油で丹念に磨き上げたキズ無しの一品。ブレードは美しい曲線美と輝きを備え、貴婦人のような気品とステータスを感じさせ、国産のピッケルとは違った美術的価値が漂う。

現在でも鍛造で年間100本ほど生産されている様だが、現在の27.0cmブレードと比べ30.0cmと長く、1980年初め頃のやや古いピッケルだ。ちなみに好日山荘のweb shopでは新品で6.2万と表示されている。いったい誰が買うのか不思議ですが・・・。

もともと山道具については余りこだわりは無い方で、機能的で使い勝手が良く、長く使い続けられる物なら1アイテム1品で満足で、最先端の機能やブランドにこだわる方ではない。なおさら骨董的趣味は皆無だ。でも、手にして1週間も見続けていると不思議なもので、何となく手放したくなくなるのが自分でも意外だった。

古い話で恐縮ですが、実は以前いい加減な某登山用品の輸入商社に在籍していた事があり、ウダツの上がらない営業マンをやっていました。その会社はウイリッシュの輸入総代理店(と言っても年間15本程度)で、I○Iスポーツにせっせと納めていました。

しかし、シャフトのちょっとしたキズや変色で返品をくらい、5本のピッケルが不良在庫となって倉庫に残っていた。1年もするとなんと廃棄処分の対象とされ、若い営業のアンチャンがやって来て、思いっきり蹴りを入れてシャフトをへし折ってしまった。ちなみに彼はアウトドア大好き人間だが、登山にはまったく興味の無い輩でした。あの前に2~3本を営業マン在庫にしておけばと今でも悔やんでおります。

結局自分はその後退職し、6年後にはその会社も姿を消してしまいました。こんな会社では当然の末路だった。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする