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不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Personificazione della Luna

2011-03-22 18:15:54 | アート・文化

女性的で受動的な原理を表現するとされる月は
二つの矛盾する要素を抱有しています。

その表面の異様な様相から
Medusa(メデゥーサ)と重ねあわされることもありますし
黄泉の国への入り口だと考えられることもあります。

一方メソポタミア文明の時代から擬人化されて
各文明・宗教のなかで神としても祭られてきました。

メソポタミアのIshtarは満月を表し
肯定的な意味合いが強く、
ローマ神話のDiana(ギリシャ神話のArtemide)
は三日月を表し
天空の規律の守り神とされこれも肯定的な意味合い。
逆に新月を表すEcateは地獄の女王とされ
否定的な意味合いが強く、
二つの顔を持つJanaは天空と地獄の扉の守り神とされています。

ギリシャ神話ではSelene、
ローマ神話ではLunaと呼ばれる女神は
満月を擬人化したものです。
ギリシャ神話ではSelene(満月)、Artemide(三日月)、
Ecate(新月)が同一化されることもおおく
時に3つの顔を持つ魔力の持ち主とされることもあります。

Seleneはたいてい青白い顔の美女として描かれ
長く柔らかな白か銀色の衣服を纏い、
額に三日月の飾りをつけ、手には松明を持っています。

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Sebastian Ricci

ギリシャ神話にありがちですが、
SeleneもZeusと関係を持ち子供を二人もうけ、
また羊の毛皮に姿を変えたPanとも関係を持ち
子供を一人残しています。

そして、Elide(エリス)の王Endimioneに恋をして
彼が眠っている間に夜這いを繰り返していましたが、
毎晩会いに行くためにZeusに懇願して
彼に不老不死の永遠の眠りを与え、
50人もの子供を残したという話も言い伝えられています。

ギリシャ神話は複雑です。


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2011-03-22 18:00:24 | Tweet Log