不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Il pensiero per rialzarsi

2011-03-28 23:36:43 | 日記・エッセイ・コラム
東京で強い地震の揺れを体験し、
日常が瞬間に非日常に覆った惨事を
目の当たりにした友人が
フィレンツェに戻ってきて
彼女の自宅でランチ&アフタヌーンティ。

実際に被災していなくても、
各メディアから溢れ出る情報を浴び続け、
心のどこかに傷を負ってしまった在伊邦人。
少しでも時間と思いを共有できたらということで
10人ほどで料理を持ち寄って
雨のそぼ降る日曜日を過ごしてきました。
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他愛のない話と、時々地震当時の話、
そしてチャリティや義捐金活動の話、
原発の問題点、今後の日本のこと。
深刻になりすぎず、
時々笑うことも忘れずに
おいしいものと優しい仲間に囲まれた数時間。
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一人で考えているときよりも
誰かと言葉を交わすことで
どんどんアイデアが鮮明になっていく。
こういう時間が私にも必要だったのかも。

徒然なるままに、
まだ局所的に刻一刻と変わり続ける私の脳みその中身。


●原子力発電について。
原子力発電についてはもちろん賛否両論あるし、
現時点までの後手後手の対応、
安全対策の落ち度は徹底的に批判され検証されて
しかるべきだと思います。
放射能汚染についても
人体に即座に影響がないものであったとしても
長期的に見たらどういう影響があるのかは
国民として人類として知るべき権利が誰にもあると思うし。

でも、だからといってすぐに反原発というのも
極論ではないのかなと個人的には思う。

安全対策が100%でないのであれば、
厳重な安全対策を再検討するべきだし
将来的には徐々に依存度を減らしていく必要もあるし
その間にこれまで闇に葬られ続けた
代替エネルギーへの移行も
段階的にきちんと行われなくてはいけないでしょう。

一時的に不足する電力があるのだとすれば
それは国民の生活習慣を変えてでも
対応しなくちゃいけないだろうし、
でも、果たして便利さに慣れてしまった日本が
一種の後退になるそういう出来事を
ショックなしに受け入れることができるのかどうか。

日本にいるときには当然だったものも
イタリアに来てからは、
まったくなかったり不足したり、
それでも幸せな日々を送ることはできる。
満たされていないことでの工夫も生まれる。
日本だって昔はそんな時間を紡いでいたのだし
不便さも時にはありがたかったりするのだけど。


●義捐金の使いみちについて。
今、世界のあちこちで募られている義捐金も
これから先、正しく使われることへの国民の関心と
監視の目が絶対に必要。
自分の税金や募金がどのように使われるのかは
最後まできちんと見届けられるようなシステムを
この際に作らないと
ずっと不満がくすぶり続けるような気がする。


●東北地区復興について。
行政区ごと波に洗われてしまった地域は
元通りにするのはおそらく難しいでしょう。
そうだとすればまったくゼロからやり直すチャンス。
この際、更地にして、
地震&津波対策も万全にして、
更に独自のクリーンエネルギーで
電力自給できるシステムを導入して
一定期間の家賃無料とか税金一部免除とか優遇条件をつけて
被災した方はもちろん、
全国から入植者や新しい住民を募集して
世界の模範となる未来都市を構築したらよいのに。
そのために有効に義捐金が注ぎ込まれるべきだと思う。
もしそうなったら
私はすぐにでもチッチーノとレイラを連れて移住して
イチゴでも育てるよ(なぜイチゴ?)。



ランチ&アフタヌーンティのあと
帰り道、友人の家に立ち寄って
東海地方出身、
つまり地震の恐さを他のどこの地区の人よりも
幼い頃から刷り込まれて育ってきた二人で
震災のこと、今後の日本のことについて
熱く語り合いました。

そのときの眠気と闘いながらふたりでひねり出したたとえ話。
(脳みそ半分麻痺していたので、理詰めではないけどさ)
大黒柱のお父さん(東京/関東周辺)と
しっかり者のお母さん(西日本地区/北海道)は元気だけれど
お兄ちゃん(東北地方)が怪我をして働けなくなったら
一家のお財布(国家財政)は大ピンチ。
お兄ちゃんの収入が当てにならなくなったら
家計は厳しくなる一方。
家族が暮らしていくためにできることは節約すること。

これからの日本はまさにそういう状況になるわけで
国家財政をこれまでみたいに使途不明なまま
むやみに使われてはたまりません。
世界の善意の義捐金も同じく。
まずは家計見直して削減できるところは削減して
立て直しのために一番効果的なところにきちんと使う。
自分の家計と照らし合わせたら
きっとそんなに複雑なことじゃないのだけれど、
数字が大きくなるとなんだかよくわからなくなる。
でも日本の財政だって一家庭の家計と同じ理論だよね。
しっかり者のお母さんがいてきちんと節約できたら
お兄ちゃんが仕事に復帰するまでやりくりできる。

国の財政のやりくりを、
いくら国民が選んだとはいえ
今の無力な政府に任せっぱなしにするのは恐ろしすぎるので
国家システムも少し変えた方がいいんじゃないの?
というところまで話は発展したのだけれど。
でもこういう意見を持っている人は多いと思うんだよね。

ACのテレビコマーシャル、
震災後に新しいものを制作していますが、
「みんな元気を出して/力を合わせて」だけではなくて、
そろそろ次の段階に移行する準備もして
新しいコマーシャル作成してほしいな。
「これからこうしよう」
「新しい日本にするためにこんなことから始めよう」
という具体的なメッセージをね。
それぞれの世代にわかりやすく訴えかけるように。

脳みそのとろけた二人は
このコマーシャルのキャスティングまで考えちゃったもの。
(不可能に近いだろうけどね)
まず、子供たちにはアンパンマンからメッセージ
若年層にはジャニーズ系とかアイドル系とか
我々の世代には世界で活躍するスポーツ選手
団塊の世代よりも上の男性には吉永小百合
同じ世代の女性には韓流スターや氷川きよし
おじいちゃんおばあちゃんには天皇陛下とか。
ふざけてませんよ、眠かったけど。

今日本が変わるチャンスだと思えば、
これまでなかった手法だってありだよね、という一つの案です。
そういう意見がきちんと交わされて
正しい方向に進んでいってくれることを
本当に心の底から、
遠いイタリアの空の下で願い続けてるよ。


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2011-03-28 19:00:11 | Tweet Log