不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

La forza che abbiamo

2011-03-12 21:43:47 | 日記・エッセイ・コラム
有り得ないシナリオが次々と紡ぎだされたこの2日間。
遠くイタリアにいて、
なす術もなく
ただ情報を追いかけ続けています。

11日の朝、Twitterをチェックしていたら
チェックしている目の前で
あっという間にタイムラインが
「地震」で埋まっていきました。

電話は回線を塞いでしまうだろうと思い、
その場で母の携帯にメールを打ち無事を確認。
とりあえず、両親の無事を確認して
一安心して仕事に出向いたものの
仕事なんて手につかずいろんなことを考えながら
動転したまま一日をやり過ごしました。

いろんな情報が駆け巡り、
いろんな思いが絡み合っていく1秒1秒。

家に帰っても気持ちは落ち着かず、
ずっとTwitterを追いかけ続け、
ネットで確認できるニュースソースを読み続け。

ただ、私は弱虫で恐がりだから
ずっと映像を見ることは避けてました。

海外在住日本人で常日頃から
日本のテレビ番組をいろんな形でチェックしている人たちは
今回の地震も映像付きで確認しているけれど、
私にはできなかった。
ラジオの耳からの情報と
ネットの字面と数枚の写真で
地震自体よりも
津波による被害の方が大きかったことは知っていたからこそ
津波の映像が怖くてみれなかった。

先ほど20時のイタリアのニュースで
津波と原発の水蒸気爆発の映像を初めて見ました。
日本ではいやというほど
繰り返し見せられている映像なのでしょうね。
今回の津波がどれほどの威力だったのかを
視覚からもいやというほど思い知らされました。

有史最大級という巨大な地震に遭いながら
被害が比較的少ないのも
原発震災という最悪の事態にあっても
なんとかギリギリで乗り越えようとしていることも
イタリアのメディアでは伝えられ
日本の地震に対する強さと
決して完璧ではないかもしれないけれど
きちんとオーガナイズされた災害事前対策は
高く評価されています。
そして何より日本民族のもつ、
しなやかな忍耐と
法遵守性の高さとマナーの良さ、
落ち着きぶりなどは
これぞ日本という感じで絶賛されています。

我々が受け継いできた精神性は
ともすれば海外では通用しないけれど、
やはり美徳なんだよね。
我々が胸を張って「日本人だ」といえる本質なんだよね。

これだけの規模の地震で耐えられたのも、
迷走した原発震災の経過も、
そして各インフラ復旧、物資救援準備の早さも
日本だからできること。
他の国で同じことが起きていれば事態はもっと悲惨だったはず。

今、日本は試されているのかもしれない。
日本の持つ底力を。
日本人の持つ精神力を。
最後にはぼろぼろでも
もう一度立ち上がった日本がそこにあることを
みんなが期待しているのかも。

そして、
今、世界は「日本にできること」を
じっと見つめている。
すべてが一段落したときに
この上ない賞賛を送るために、期待しながら。

不自由な被災地で救援にあたる人々、
自分の命を晒して原発を守る人々、
各地で一日でも早い復旧に努める人々。
すべての人に感謝を。

そして同じ思いを抱きながら
日本だけでなく世界中で日々の生活に邁進する人々にも。
いつもと同じ毎日を続けることで
日本の経済は支えられているのだから
遠慮せずに普通の生活ができることを謳歌するべき。
「時節柄いろんなことに自粛を」なんて言っていたら
弱っている日本はどんどんだめになってしまう。
いつもと同じ毎日が日本を牽引していることも忘れないで。


被災地で不安な暮らしを続けている人に勇気を!!

そして震災で命を落とされた多くの犠牲者の冥福を祈ります。