9月までウフィツィ美術館は毎週火曜日夜間開館中。
いつもは火曜日の夜は
私の大好きなR.I.S.の再放送中なので外出禁止(爆)。
しかし、今週は火曜日にサッカー中継が入り
R.I.S.の放送が月曜日に繰り上げになっていたので
火曜日のウフィツィ夜間開館に行けたのです。
もうすっかりどこに何の作品が置かれているかも
ほぼ覚えてしまっているウフィツィ美術館ですが
久しぶりに行ったら展示場所が微妙に変わっていました。
今回特に見たかった作品は3点。
ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ(Gentile da Fabriano)の
「東方三博士の礼拝」と
ボッティチェッリ(Botticelli)の「東方三博士の礼拝」と
フィリッポ・リッピ(Filippo Lippi)の「聖母戴冠」。
色々調べたいことがあったのでその3点は必須。
それ以外には現在開催中の
メディチ家コレクションから抜粋された
1600年代のナポリ出身画家たちの作品展。
気になる調べもの系3作品を目指して突き進むので
実質的には1時間あれば十分だったのですが
それぞれ詳細部を確認したかったので
一点の確認に30分要するかも知れず。
それに通常はウフィツィに入ると
最低3時間は滞在したくなる私に果たして時間は足りるのか。
当日は仕事終えてからだったので
入場口にたどり着いたら既に20:20。
そして見ると空いていると思った夜間開館なのに、列あり!
まぁ、それは入り口にある金属探知機に引っかかる
観光客があまりに多いからなのですが。
外で待つこと約5分。チケット購入したのが20:30。
夜間開館22:00までですが21:35過ぎると追い立てられるので
実質的には見学時間は1時間ちょっと。
焦りながら大階段を一気に駆け上がってふらふらしました。
大作ではあるけれど、元々苦手なジョットもチマブエも無視して
ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノに激進。
金ぴかの成金趣味の作品に見入って確認箇所をチェック。
鷹確認。OK。
ストロッツィ家の依頼で作製された作品であることを示す標。
そして次。
フィリッピーノ・リッピの「聖母戴冠」へ進むと
なんとその部屋の中央部にピエロ・デッラ・フランチェスカの
ウルビーノ大公が移動させられていました。
そのほうが見やすくなったかもね。
「聖母戴冠」の右端に描かれた顔色の悪いおっさんに
天使が差し出す布帯にかかれた文字チェック。
これが依頼主を明らかにする標。
それから画面全体に描かれた人物の数を数えて58人。
これもちょっと知りたかったので、確認OK。
ボッティチェッリの間は人で溢れかえってました。
夜間開館が始まった当初はまだ知る人も少なかったので
かなり空いていたということですが
さすがに連休中でもあり、あちこちで宣伝されているので
日中の長蛇の列を避けた観光客も多くて結構な繁盛ぶり。
人垣のできている春もヴィーナス誕生も無視して
「東方三博士礼拝」へ。
描かれているメディチ家の人々を確認して、
更にボッティチェリ本人と依頼主もちゃんとチェック。
これで一安心。
まだ時間はあるので、マニエリスムの画家のコーナーまで
ひとっ飛びしてチェックしようと思ったら
狭い空間に人だかり。
じっくりみていることもできなかったので断念。
出口に向かおうと思ったら、階段の手前に
ソドマの「サン・セバスティアーノ」発見。
いつからかパラティーナにいなくなったと思ったらこんなところに。
かなり感激して見入ってしまいました。
サルヴァトーレ・ローザやルカ・ジョルダーノの
作品を集めた特別展は
実は思っていたほど良質ではなくてちょっとがっかり。
もっと時間をかけてみたかった作品もあるのですが
とにかく時間に追われていて駆け足で全作品をチェック。
何とか時間内に出口までたどり着いて終了。
夜間開館ももう少し早く入れたらもっと楽しめたかなぁ。
ルネッサンス絵画の辺りは冷房も効いているのだけれど
後半(階下)のカラヴァッジェスキや特別展辺りは
ムシムシ暑くて絵画のためにも良くないし、
見ているほうも辛いなぁという感じ。
こんな感じは初めてだったけど、
もう就業時間だったから冷房を切られたのかしら?
やはりウフィツィは見るべき作品が多いので、
私には3時間は必要。
どうせ10ユーロ払うなら長くいたいしねぇ。
また今度ゆっくり行こう。
ところで、出口付近で係員を捕まえて
「彫刻はどこだ」と尋ねるイタリア人ファミリー発見。
よく聞いてみるとダヴィデを見たいと叫ぶオヤジ。
係員も困った顔で「ダヴィデはここにはありません」。
家族揃って驚愕の表情。「えぇぇぇぇ。」
世の中にはこういう人もいるのだなぁ。
係員のお姉さんに愚痴られました。
「未だにああいう人が多いのよ、特にイタリア人に。」
ふむ。
因みに「ダヴィデ」のいるアカデミア美術館は
9月まで毎週金曜日夜間開館実施中。