不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Palazzo Pitti e giardino di Boboli

2004-10-18 12:58:15 | 日記・エッセイ・コラム
ピッティ宮殿の後ろには広大な公園が広がっています。
ボボリ庭園。
1日のんびりしたい場所です。
immagine15.jpg
ここの高台からの
フィレンツェの眺めもけっこうよいモノです。
しかし、昔、メディチ家のこどもたちは
この庭で遊んで迷子になったりしなかったのだろうか…。
(よけいな心配)

ボボリ庭園の入り口から
ただひたすらまっすぐ緩やかな坂を昇る感じで
「フォルコーネの噴水」
(でっかいフォークみたいなモノをもっている彫像が
噴水のオブジェとしてついているので
フィレンツェ人にこう呼ばれているらしい)を通り過ぎ
豊穣の女神の像「アッボンダンツァ」まで辿り着いたら
そこで左に曲がって50メートルくらい行くと
ベルヴェデーレ要塞の壁と庭園が接している部分があります。

その壁の下にこんな門が残っています。
immagine9.jpg
その昔ボボリ庭園辺りでも採石されていた
Pietra Forte(ピエトラ・フォルテ)。
この褐色の丈夫な石を使ってフィレンツェ市内の
ルネッサンス時代の
大きな貴族の建物は建築されました。
例えば、ピッティ宮殿や
ストロッツィ宮殿、メディチ・リッカルディ宮殿など。
最近では景観を損なうのと危険なのとで
採石は行なわれていません。
需要も少なくなったようですし。
最後にボボリ庭園周辺の採石場が開けられたのは
第二次世界大戦で爆破された
トリニタ橋を再建するにあたり
オリジナルのデザインで
オリジナルに忠実にという要望を叶えるために
大量のピエトラ・フォルテが必要になったとき。
それ以降は閉山。

この写真の門は
その上の紋章と碑を見る限りでは
フェルディナンド一世の時代に作られたもののようですが
なぜか塞がれているのです。
案内してくれたおじさんは
これについて詳しいことをあまり知らなかったので、
確認ができなかったので
まだこれから調べが必要ですが、
門を塞いでいるものが
ピエトラ・フォルテの断層になっているように見えるので
もしかしたら採石の跡なのでは…という。
だとしたら面白いかなぁ。


L'ottavo giorno

2004-10-18 10:52:04 | 日記・エッセイ・コラム
Nella galleria Palatina
ピッティ宮殿内にはいくつもの美術館が入っていますが、
中でもパラティーナ美術館は
フィレンツェに来たら
ウフィツィ美術館やアカデミアと並んで
是非行きたい美術館の1つでもあります。

すっきり時代順に並んでいるウフィツィに比べると、
ごてごて感が否めないし、
確かに疲れてしまうのだけれど
別名を「ラファエロ美術館」というほどに
(あんまりいわない??)
ラファエロの作品が多いのも特徴。

今回取材したのは二点。
フィリッポ・リッピの「聖母子像」。
immagine7.jpg
これはいわゆる「Tondo Pitti (トンド・ピッティ)」
と呼ばれる作品。
この丸い額縁、
実は壁からの左右の角度が
自由に調節できるようになっているのですね。
光の加減とか色々考慮できるようになっているのでしょう。
今まで壁に対して
どうして不自然な角度に開いているのかと思っていたけど、
今回理由がわかりましたのよ。

もう一点はラファエロの「マッダレーナ・ドーニの肖像画」。
immagine1.jpg
アーニョロ・ドーニとマッダレーナ・ドーニの肖像画は
修復中にその裏側にもデッサンが残っていることが判明。
デッサンはラファエロの作品ではないのですが、
現在期間限定で両面が見られるように
部屋の真中に設置された
特製クリスタルケースの中に展示されています。
この特別展示が終わる(10月31日まで)と
2つの絵は元通り壁にかけられた額の中に戻されるので
裏面が見られるのも今のうちだけ。