スペインサラマンカ・あるばの日々

スペイン語留学の街、サラマンカより、地元情報とスペイン文化、歴史に関する笑えてためになるコラムをお届けしています。

謎の揚げ玉ピンチョが美味しい件

2019-03-20 11:12:19 | サラマンカのタベモノ・バル情報


「揚げ玉」などと勝手に名前をつけてしまいましたがw

今回はここ、サラマンカの美味しいピンチョを1つ2つご紹介。

(まあ…一生行かないトコのグルメ情報を聞いても…と
思う方もおられるでしょうが、そこは笑ってお納め下さいw)

スペインのバルというもの、何軒か行くと、どこも大体
定番の、万人受けするピンチョが並んでいるのが常…と知る。

そのうち、なるべくちょっと変わったものを…と物色
し始め、あちこちに訊き回り、
「あそこの○○が絶品」
「あの店のコロッケは先代からのレシピで…」
などの情報をゲットしようとする自分の情熱、炎の如し(爆)。

…ということで前出の「揚げ玉」
なぜ謎なのかというと…
「どっちもレシピを絶対教えてくれない」
から!
以下にご紹介。

(※注-私はどこのマワシモノでもありませんので…w)


● “プルガ”という名の謎の揚げ玉

場所は「ラ・カサ・デ・ラス プルガス」

サラマンカの中心となるマヨール広場から徒歩数分。
いくつかのレストランが並ぶあたりにある、
クラシックなレストランバル。



入り口すぐがバル部、になっており、まずは
ここカウンター当たりに座って位置確保をする。

目の前にきらめく出来立てのピンチョに目もくれず、

「プルガを下さい」

と静かに注文して待つ。

その間に“プルガって何て意味だっけ”と辞書で調べて
独りで怯えないこと。

ここでの意味は、“蚤(のみ)”じゃありません。
“ほんの小さな一口の”の意味合いで、他の地方では
プルガというと一口サイズのミニサンドが出てきたりしますが。

で、間もなくモノが出てくる。


揚げたて、アッツアツのものをしばしさまし、

中を開けて見ると、なんかパテ状の…なんだろう?

一口…美味しい。

まろやかでクセがなく、旨みが結構ある。
で…何でできているのか…

(ツナみたいな食感があるような…ないような)
(肉肉しくはないよな…)
結局分析しているうちにあっという間に終わる。

そしてこれの作り方も、原材料何かも教えてくれない。
“いや、決して怪しいもんじゃないですよ”というだけで、

「サラマンカ南部にある○というバルの奥さんのオリジナルレシピ」
「知り合いが1ヶ月タダ働きするから教えてくれと請うても首を
縦に振らなかった」

と聞いた話にも益々神秘性が加わるというか…
まあそんな大げさなもんでもないけどw

お店の屋号にもなってるこの揚げ玉ピンチョ、誰か謎を解いてくだされ!


●ピミエントという謎の揚げ玉

もう一軒はやはりマヨール広場のすぐ隣にある老舗、
「プルス・ウルトラ」

サラマンカに残る、数少ない老舗中の老舗。
このネーミングといい(スペイン歴史好きの方ならはっ?!となるだろう)
古めかしい店内といい、いかにも昔のスペインバルだ。

 アニス酒のレトロ広告がなかなかいい。



数々美しく並べられた冷製ピンチョらも魅力的なのだけれど、
ここでもそれには目もくれず。

「ピミエントください」。

と常連のごときふりをして注文する。

客のほとんどが注文するゆえ、あつあつのそれが常に盛られた
銀皿から、2つほどを爪楊枝に刺してさっと出してくれる。

ここでも「ピミエントってピーマンじゃないの?」
とか思ってる暇はない。


開いて冷めるのをしばし待つ。

何かオレンジ色のクリームパテが入っている。

こちらは塩が効いててピリから。
ピーマンの味など一ミリもしないが、美味しい。
この滑らかさは、じゃがいもでもなし…ラードでもなし

何なんだろう…とやはり分析してるうちに食べ終わってしまう。

そしてやっぱりレシピは謎。
う~んどうしてもしっぽがつかめない。

誰か教えて~!

●そしておまけ、これは珍味揚げ玉

ついでにもう一つ、ピミエントと共に人気なのが
やはりこの揚げ玉。


これは謎ではなく、珍味
中身は豚の脳みそ

下拵えに非常に手間がかかり、最近では
なかなか家庭で作ることも少なくなったと聞くが、
レストランではしばしば見かける。

隣国フランスでも結構食されていると聞いてたけど、
実は私、今更ながら初挑戦で食べてみる…

…お…これは…

魚の白子?にすごく近い!

薄い塩味、たんぱくながらもクリーミーな舌溶け。
臭みはまったく無い。美味しい!

例えてみれば、待ち合わせにわんぱく男子が来ると思って構えていたら、
やってきたのは儚げで可憐なお嬢さん、みたいな(謎の例えw)

この突然のエレガントな味に満足し、
揚げ玉ツアーはクチビルをピカピカにして終了。

嬉しいのはどれも注文してから揚げてくれる、もしくは
揚げたてほやほやを出してくれること。

カリッとしてて、ほくほくで、味は謎。

機会があったらぜひお試しを~!

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“貧乏チョリソー”たちはウマいのか?

2018-11-21 22:28:57 | サラマンカのタベモノ・バル情報

生ハムじゃない。

チョリソーなんだ。

そもそも生ハム!生ハム!とやたらちやほやする昨今、
チョリソーの立ち位置は微妙、いつまでたっても庶民の味方感がある。

日本においては「ちょと味が違うウインナー」位の扱いで、
お安い居酒屋でも、“ピリ辛チョリソー鉄板焼”なんてのが出てんだけど。

ここスペインのチョリソーは
「豚肉などの食肉に、主にパプリカパウダーなどの香辛料を入れて腸詰にし、干したもの」
でこんな感じ↓

 

*以下、現地の呼称に従い、「チョリソー」じゃなくて「チョリソ」でいきます。

そのまま切っておつまみに、おやつに、
焼いてもよし、煮てもよしと、
八面六臂(はちめんろっぴ)の活躍をみせる、まさにスペイン庶民の味方の一つなんだろう。

このあとを引くしょっぱさは、実にパンにあう

個人的には「明太子とごはん」のコンビネーションに近く、
「パン、チョリソ、パン、チョリソ」のワンツーパンチで
永遠に食べ進めてしまうアイテム。

そして生ハムよりはお安い気軽さ。

「チョリソ、チーズ、パン」は三種の神器と呼ばれるw。

新鮮な肉など、普段手の届かぬ庶民の食卓を支え、
この国の胃袋を支えてきた立派なアイテムの一つといえよう。
チョリソたちのひしめき合うスーパーの棚。

●貧乏チョリソたちとは?

…さて、その庶民の味方の、更にもっと安価版?

ずばり「肉なし貧乏チョリソ」的なものが実は長年、
イベリア半島のあちこちでせっせと作られ、消費されていたという歴史あり。
そして今でも結構愛されている由。

肉なしの腸詰?
…じゃあ…何が入ってるの?

市場のぶらぶら歩きってのは、実に楽しい。

サラマンカの中央市場。内地らしく肉屋さんが競うようにあり、
それぞれの軒に生ハムだの、チョリソがワサワサとぶらさがり、
熟成臭をプンプン匂いをさせているのを眺める。

そこで見つけた3種の貧乏チョリソをを試食の上ご紹介~

★サラマンカ代表選手、「ファリナト」

原材料…豚ラード パン クミン アニス酒 小麦粉 パプリカパウダー
    たまねぎ ニンニク 塩

サラマンカ市から南西86キロ程、ポルトガルとの国境に
近いシウダ・ロドリゴの名産品。

チョリソと比べて色がオレンジがかっているのは香料のせいか。
これは基本「軽く押しながら焼いたものに目玉焼を添えて」食べる。
 
クミン、そして香り付けのアニス酒が利いており、味は“すごく濃厚なパテ”感。
これが熱いうちに卵の黄身をすくいあげ、パンに絡めて食べる。
想像以上にイケる。…が、数切れすでに満腹感が。恐ろし、ラード。

★じゃがいもベースの「モルシージャ デ パタテラ」

原材料…豚ラード じゃがいも 豚赤身肉少量 パプリカパウダー ニンニク 塩

イベリア半島西南、ポルトガルに隣接、過去数多くのアメリカ征服者(コンキスタドール)を
産んだエストレマドゥーラ地方で作られる、貧乏チョリソの一種。

「そのままパンに塗って食べる」のが主流とのこと。さっそく買ってきた
それを切って皮を剥き、無骨にちぎったパンに擦り付けて試食。

…うん、かなりチョリソに近い!少量でも肉が入ってるせいか、
割と固さがあり、ニンニクが結構効いてる。黙って食べさせられたら
チョリソと思うかも?ただこれもさっと炙った方が良いかと。

★かぼちゃと合わせた「モルシージャ デ カラバサ」

原材料…豚ラード かぼちゃ パプリカパウダー オレガノ
たまねぎ ニンニク 塩


こちらもエストレマドゥーラあたりでよく作られるとのこと。
前出のじゃがいものヤツより、かなり柔らかめ。味も少し優しめ。
これは…他に調理方法ないかと、豆料理に入れてみた。
しまった!溶けて無くなってるww
形状がチョリソにそっくりなので、つい鍋に入れて放置したところ、とけて崩壊(涙)
ただおかげで豆料理のお味がぐっと濃厚になり、おばあちゃんが作ってくれたあの味に!
うんま~い!そしてかぼちゃ風味はゼロw

3種試食の結果、

-軽く炙ってちょっと脂を出したアツアツのがベスト。
-いくら貧乏とはいえ、値段は一番お安いチョリソ位はする。
-数切れでお腹一杯になるので、ある意味コスパよし。
-なんだかんだいって、脂はウマい。

という、恐らく誰も要らない報告を独りまとめ、満足して残った
貧乏チョリソらを若い学生くんらに振舞った次第。
(きっと彼らはこのカロリーを瞬間で消費するであろう故)

●その起源、貧乏人のため…だけじゃなかった説あり

冬の寒さが厳しさが一番つのる頃、あちこちの農村で「マタンサ」
-飼育豚の屠殺が行われるのは、この国の長年の伝統だった。
生写真はグロいので中世画を挿入w

解体した豚を丁寧に処理し、ハムソーセージ、塩漬にして
大切な食料として保管される。

その際に出る大量のラードを無駄にするはずもなく、これを
利用して作られた副産物が、これら「貧乏チョリソ」なのだ。

ある地方は古くなったパン屑をふやかして、
他の場所では、じゃがいも、かぼちゃを混ぜ込み、
形、色味を整えてみると、なんとも本物そっくり。
それに本物より倍は作ることができ、日持ちし、なおかつ
熟成が早く、すぐ食べることができた。

これを暖炉の火で炙ったものをパンに挟んで貪り、
コーヒーと一杯の焼酎(アグアルディエンテ)をあおって
早朝の凍てつくカスティージャの野に黙々と出て行く。これが
スペインの労働者の日課だったとのこと。

市民戦争後の食糧難時にあっては、ハムその他、肉と名のつくものは
すべて売り払い、まさにこれら貧乏チョリソにすがって生き延びたという
話も聞く。

(ご高齢の方にこの種のチョリソの話を訊くと、笑いながら懐かしく話す方、
苦々しくいやな想い出を吐き出す方と、分かれることが興味深い)

これらの話は以前お話した「山レモン」レシピができるまで
の話を彷彿とさせる。

…そして…

“貧乏うんぬんだけが理由じゃない、もっと古い”説もあり。
1492年のレコンキスタ(キリスト教による国土再征服運動)以降頃の話。
異教徒追放運動の始まり。

例えばポルトガルとスペインの国境、特にシウダ・ロドリゴには
大きな改宗をしたユダヤ人コミュニティーがあり、その隣ポルトガルには
純ユダヤ人コミュニティーがあったとのこと。

このポルトガル側には「豚肉入ってない、鶏肉チョリソ」であるファリネイラ、アレイラなるものが
未だ残っている。名前、ファリナトと似てる…

ようは踏み絵踏みました~!みたいに
「私改宗しました!ユダヤ教違います!」「ほら豚肉食べてる!」アピ
に利用していたかもとの話。(でもラードは入ってたらしいが)

歴史の本で勉強したことと、市場でふと手に取ったものとつながる…とは
なんともわくわくするもんです。

●貧乏からデリカテッセンへ

 そして現代。

これらの貧乏チョリソが、実は全国区に向かいつつあるらしいw
フーディーズと最近では呼ばれる美食家達が、地方に隠れていた
名産グルメ発掘!とかでネットで評判を呼びつつある…とのことで。

また地方活性化ということで、いろいろバリエーションに富んだ
商品化、流通開発をはじめたとのことでいいじゃん!
過去のちょっとトラウマ的物品が、いわゆる村おこしになるとは、正に願ったりですな。

タベモノに罪はなし。

貧乏ならぬ、おいしい記憶を沢山産むタベモノとして記憶されていく
ことを願っております。



参考資料

Farinato, de chorizo de pobres a delicatessen

 

 



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「リモン・セラーノ」~山間村で生まれた、奇跡の“甘じょっぱ味”グルメ

2017-06-15 01:06:47 | サラマンカのタベモノ・バル情報

甘辛というのか、甘じょっぱ味というのか。

甘さとしょっぱさのコラボ。

賛否両論ありつつも、この麻薬的な味トーンに惑わされぬ人は無し。

我ら日本に至っては、そもそも伝統的に砂糖を調理に使うことから、
醤油+砂糖、味噌+砂糖からはじまる、目くるめく甘辛ワールドを広げている。
みたらし団子のたれ、田楽味噌…また照焼ソースに至っては海外にて、大人気を誇るジャパニーズソースとなった。
http://cdn4.cocinista.es/download/bancorecursos/productos/10435-salsa-teriyaki-y-yakitori-kikkoman-250-ml.jpg

世界あちこちのグルメワールドを見てみても、
この魔法の味は、どこにいっても愛されてる感あり。

米国なぞ、かのBBQソースの発明のみにとどまらず、ベーコン+ドーナツだの、
ワッフル+フライドチキンなど、破壊力満タンの甘辛味が人気と聞く。
…しまいにはお鮨に照焼ソースだの、うなぎのタレをぶっかけてうまい、うまい、という国なんだ。
↑この味蕾を爆撃するような、乱暴マリアージュ(?)流行も、まあそれらしいといえばそうだが…たはは…

●スペインの甘じょっぱ事情は?

この国においても、伝統的に愛された甘辛味、というのは多々ある。

ベーコンとなつめやしのピンチョ、というのは、昔“ちょっと気の効いたおつまみ”として
流行っていたような気がするが、最近あまりみない…すでに昭和のオカズになったのかな?

生ハム+メロンは未だに不動の人気。ここでは、メロンは季節になるとやっすい値段で出回るので、
実は日本ほど高級感なし。昼定食メニューにも出る、庶民の味方。

メンブリージョ(カリンの実)を煮詰めて作った固めのジャム+チーズは…
嫌いなスペイン人はいるんだろうか?という位の人気。

チーズの質もタイプも問わず、安物でよし。
この2つをグイっとパンに挟み込んだものを、オヤツとして渡された子供時代を懐かしむ人、多し。

 (プラスくるみもいけます!)

ナスのフライにさとうきびの糖蜜をかけまわしたもの、というマラガ付近南部の代表的甘辛オカズもあり。

あとはシビエ(狩猟による野生鳥獣の肉)の付け合せソースにベリーソース
なんてのは結構クラシックなレシピに入ると思われる。


思いつくままに上げてみたけど…
近年流行のヌエバ・コシナ(新創作スペイン料理)に辿り着くまでもなく、
甘辛味-主に果物の甘みを添えるものが多いが-は伝統料理の中にも結構あることがわかる。

●そして出遭う、謎のマリアージュ?(かき混ぜ)料理

サラマンカ市から南の方に下っていくと、イベリア半島中部を東西に走る、セントラル山系にぶつかる。
ここいらになると、乾いた平地とはうってかわり、緑豊かな山地が広がる。フランス山地(アスティアーラ峰1,735m)、
べハル山地(カンチャル・デ・ラ・セハ峰2,430m)が連なり、現在ではアウトドアスポーツ、狩猟で人気の地域。





この地方の村々は美しい。
石や粘板岩を重ねて素朴、しかし頑丈に作り上げた古い田舎屋が寄り添うように集結し、
山間に張り付くように、静かに沈んでいる。

…しかしながら、朝晩の寒暖の差は激しく、夏はまだしも、冬は骨身に染みる寒風が走り、
村間の距離も遠く、昔は相当に厳しい暮らしを強いられたかと思われる…

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/dd/La_Alberca_-_Plaza_Mayor.jpg/266px-La_Alberca_-_Plaza_Mayor.jpghttp://2.bp.blogspot.com/-2l3Fm0yB8XM/VXCLfTCBigI/AAAAAAAAUlU/rZ7EtrFgW9E/s1600/marcelino4.jpg1955年の名画「汚れなき悪戯」に“出演”のアルベルカ村

と、まあNHKなんとか紀行トーンで続けたいとこなんだけど、
ようは、厳しい暮らし→ゼイタクゼロ、食べ物にも困る→もうあるもんで頑張る!
という流れで生まれたと思われる逸品がここにはあるのだ。

それが「リモン・セラーノ」。直訳“山レモン”。
この地方の郷土料理のナンバーワン!

原材料

▼卵(ゆで卵もしくは目玉焼き。ここでどっちが正しいか、で激しく小一時間議論要)
▼レモン
▼オレンジ*果実は皮を剥いて輪切り、もしくは櫛切り
▼にんにくのみじんぎり
▼チョリソを軽くソテーしたもの。
▼生ハム(レベル不問、切残し歓迎)、その他に家に残る腸詰類、焼肉の残り等
▼塩、ワイン少々またオリーブオイルやビネガーなどはお好みで。

調理法
上記のものをボールに入れてわさわさ激しくかき混ぜる。
終了。
パンですくってガツガツ食べる。

もとは羊飼いのごはんだったという説もあるが…どうみても
「とりあえず手元にあったものを放り込んで混ぜたら奇跡の光が!」
的なレシピにしかみえない。(ワイン酒蔵にてわいわいする時に供されるともいう)

そこで笑ってるあなた。
特に酢豚にパインが入ってるのが許せないあなた(←自分)。
…気持ちはわかります。チョリソ、生ハムに柑橘類!

現地ネット民でさえ「いやないし!」「何が嬉しくて…」などとコメントする始末。
しかし食べた結果。

(まあこれはレストランのハイレベルの山レモンですが)

いやこれありです!
ううん~あれ?あれ?といううちに箸がすすむレベル。
いやほんとに美味しい!さっぱりしてて…でもいろんな味のコラボで…妙にあと引く!
サラダではない…野菜料理でもなし、肉でもなし、位置不明。
チョリソや肉類の塩味+オレンジの甘味+レモンのすっぱ味。

ようは、「甘味+辛味+酸っぱ味」の黄金比率を完璧に完成させているという…

なんなんだ?この完成度!

ちなみにTVE(スペイン国営放送)の番組はこの山レモンレポートを放映したのでココみてね。
(どーやっても貼れんかった…)

そしてこの山レモンなるもの、どこでも食べれます~というわけでは
ないんだけど…自分が美味しく頂いたお店はサラマンカ郊外の「トラスオゲロ」
薪火焼のお肉を提供するレストラン。

…まああまりにも郷土オカズ的なもんでもあり、どこかでいつも売ってるもんでもなし、
でもね、なんかこの「山レモン」のような黄金レシピというか、

「貧困極めて、無い所からひねり出したレシピ」
「もうこれしかないから、何とかできないか?からできたレシピ」
「でもやってみたらすごいのができて、今では誇る伝統料理」

というのが、自分が今住んでるスペインに多く散見される。
(もちろんスペインだけではないよ。日本の地方をみても同様)

有名パエリヤ、ガスパチョしかり、
にんにくスープ、
トリッパを始めとする数々のスペイン臓物料理。
名物ミガスなんぞ、“古パンとラードとかにんにくしかねぇ!”から生まれた極貧料理。

「貧しては鈍する」やってる場合じゃない!
「もう貧はわかったから、そっからなんか生み出すのっ!!」の情熱パワー。

私はこんな感じで生まれたこの国の伝統レシピをこよなく愛す。
…そんな感じでブログをこつこつ続けております~

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老舗バルに行きたくなる日~スペインバル雑感(1)

2017-05-31 23:18:22 | サラマンカのタベモノ・バル情報

「元祖チョイ飲み天国」なんだな、スペインは。

そもそもチョイ飲みだのという言葉が作られる前から、

おしゃれ立飲みなどができる前から、

ふっつーにバルなるものは市民生活にはかかせぬ存在だった。ここでは。

そして嬉しいのは
「バル≠酒場」、つまり“酒を飲まなきゃいけない所”ではないこと。
(これ結構誤解されてる方、多し)

基本的に老若男女問わず、飲酒あるなしを問わない。
緩い感じにて、各々のスタイルで飲食を楽しむ場所。

職場の飲み会のごとく、無理して飲む必要もなく、
後ろめたさを感じながら昼ビールをこっそり飲むこともなし。
飲む人にも、飲まない人にも優しい。いいね~



とにかくあちこちに、ある。
ここサラマンカにいたっては、住民一人に対するバル軒数が全国一を誇る。

地元情報発信基地であり、観光案内所であり、また簡易スペイン語レッスン場
にもなりと、ヘタなコンビニより便利だったりする、この愛すべき立ち寄りポイント。
これは一度でもこの国を訪れた方は実感されたことと思う。

…と語りたいことは多いのだが、近年、どうもこの現地バル関連に関して、「ぐぬぬ…」と腑に落ちない傾向がある。

ちょっとしたグチみたいなものを、少しだけ書いてみようか…
(もしかしてスペインバル指南を期待して読み始めた方、いきなり現状グチで失敬!)

● ガストロ・バルなるものの“ふんぞり感”

バルセロナ出身の料理人、フェラン・アドリア氏と、そのレストラン「エル・ブジ」。
まさに料理界の革命児としてその名は日本を含む世界に轟き、その栄光を極めること90年代後半から2000年前半。
彼が代表者のように語られる、同時代のスペイン国内のグルメブームは大きな社会的な動きであった。



食に対する人々の意識が目覚め、料理に携わる者の社会的立ち位置も変わり、「カリスマ・シェフ」なるものに憧れ、
この世界を目指す若者がぐっと増えた。-それはいい。

今までの土臭い、古臭い内装のバルに、変わり映えのしないタパスを並べたバル…なんてのに代わり、
「ガストロ・バル」なる、洒落た内装の店内にて、注文ごとに作る“創作タパス”をサーウする店、というのが増えた。
-それもいい。

しかし…流行りもんには、大量のアホが便乗する。

「ふっつーのオカズを小洒落たデカい皿に乗せて、倍以上の値段を取る。」
「焼いた肉片横に、既成のソースをアートな感じで散らして終了。」
…などというアホをする、エセ・ガストロバルの大量産出に至ってしまった。

それらは大抵どーでもいいレベルの味。
ドヤ顔でご大層に「Teriyakiソース添え」のうんちゃらを、ワイン1杯と共に供され、お会計がフルコース・
ランチメニューの金額だったと知った時の、私の疲れをまとった眩暈経験を想像して頂きたい。

もう最近では「ガストロ・バル」という看板を見るだけで(そして店内内装も、流す音楽もどこもすごい似てる)、ヒッとなる始末だ。

●フランチャイズ系バルの、地上げ屋的展開

いや、別に憎むとはいわない。
しかし…どの都市に行っても、中心街のどれかの道は、“彼ら”の店だらけ通りに成り果てている。
日本の繁華街がどこもファーストフード店で埋め尽くされてるのと同じ。



(おまけに隣の道は、あのZARAで知られるインディテックス・グループのブティックで占められている…)

そしてどのタパスをとっても“万人に受ける”、“おしゃれにみえる”、“でも味凡庸”なんだ。
ようは前出ガストロ・バルの、めちゃ安価版。コンビニのオカズみたい。

オーブンとフライヤーしかない厨房とか。
行く度に働いてる人が新人とか…。
でもビールだけは妙に安いとか(←ビール会社のチェーンだったりする)



なんか…悪くはないんだけど…なんなんだろう、この微妙なだまされた感。

●若い世代のバル離れ

最近スペイン人の大学生とバルに行って、“え?どうやって頼むの?”的なことを
初めて訊かれた時の衝撃といったらなかった。

留学生時代、小汚い学生御用達のバルに同行し、安くて山盛りのじゃがいもフライ
のブラバスソースかけを、これまた安いだけが取り柄のマズいビールやワインで流し込みながら、
大いに社会情勢についてのレクチャーをしてくれたのは、当時のビンボー大学生らだった。

しかしながら…現在の大学生はどうかというと。
週末ともなると、いそいそとデリバリーのピザとコカコーラを抱え込んで
友人宅に集い、ネットゲームに一晩中耽るというのが結構なスタンダードだ。

彼らが最後にバルに行ったのは、恐らく両親親戚との集まりの時と思われ。

自分が経験した、「カルチェ・ラタンでのカフェー談義体験」なぞは、もう過去のもの。
そんな談義なり、情報交換なんぞぜーんぶネットでできちゃうんだもの。
そもそも家から出る必要なし。

あぁもう次世代がいないんやな…となると、もうバル文化自体の将来が薄々見えてくる…

●そんな時に行ってしまうバルがある

 …なんだかここまで書いてしまうとジジイのグチ的に終わってしまいそうですがw

じゃあスペイン・バル文化が消滅の途にあるか?!
いや別にそんなことをワタシが憂いてどうするんですかねw
知らん。もう気持ちは行く川はなんとかうんたら…by鴨長明ですよ。


こういう遠い目をしたくなる時はもうね、なんか「ブレない」バルに行く。
クラッシックな感じの。微妙に方向が吉田類氏と同じなんだけどw
そのうちの一つがここ、「レストラン・バレンシア」のバルコーナー。



1954年創業。小さな飲み屋から始めて、今は代がかわりつつも、地元郷土料理を変わらぬ
美味しさ提供している、と定評のレストラン。
客のほとんどが地元民、常連客で占められ、観光客らしき人々は少ない。

ここのこじんまりしたバル内装が…外国人の自分からみたら正にベタな「ザ・スペインバル」!
闘牛界と強い繋がりを持つここ、サラマンカらしく、壁一面に闘牛士関係の写真が貼られている。
(かなりのお宝モノも多いらしい)

(TVでは常時闘牛番組が放映中)

(は~この聖人ブロマイドコレクション…)

隅に置かれたレトロな秤や、生ハム吊るし台なんかもいかにも~の雰囲気を醸し出す。



タパスも、別に飛び上がるほどの逸品があるわけではない。
安定の…わかりやすい…ふっつーのおつまみ、オカズ達なんだ。
決して「○○の××風味、季節の△△ソースを添えて」などの長い名前はついてない。



1つ、最近ではちょっと珍しいタパスがある。
「生サーディン(ヨーロッパマイワシ)のレモン風味」



イワシの生にニンニクをちらし、オリーブオイルとレモンを絞っただけという、
現地にてお肉食傷気味の、日本人の心を躍らせる一品。
実はクラッシックなタパスの一つなんだが、近年のアニサキス騒ぎで出すところがほとんどなくなってしまった。

しかしながらこの店では結構人気。随分鮮度にも気をかけてるんだろう。

ふっつーの食べ物、飲み物を。
あまりお財布が泣かないお値段で。
ゆったり自分のペースで楽しむ。

…簡単に聞こえるこんなことが、この国でも難しくなっていってるんだろうか?
何がそんなにさせるんだろう?
…まあそんな哲学的なことを、チラと考えつつ、せめて自分はこの今を楽しみたい…と次に行く店をいそいそと探しだすわけでw

コメント (4)
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Wagyuの向こうを張るサラマンカ産「モルーチャ牛」、うまし!

2017-02-14 00:11:07 | サラマンカのタベモノ・バル情報

グルメ界のブームだの流行ものの出現率、まさに怒涛のごとし。

やれパンケーキだ、キノアだ、チアシード、ココナッツオイル…次々出てきて
小うるさいことこの上ない。

そんな中、近年WAGYUなるものをちらほら聞くようになり、何かと思ったら和牛
アンガスビーフと並んで、やたらとこの国のメディアに出現するようになった。

ここサラマンカでも、「和牛フェアー!」なるものをやってるレストランも見かけた↓

https://www.hosteleriasalamanca.es/fotos/1478605957.2006.jpg

「こないだ食べたよ、ワギュー。旨いなあれ、フフ…」 などと、
ど-考えても“グルメに敏感なオレ”自慢にしか聞こえないコメントを仲間のおっさんにされ、
なんか憮然としてしまった自分だ。

(以前、シイタケがこっちの市場でも気軽に買えるようになった頃、八百屋のおっさんに
「このきのこはね、シイタキというんですよ!シ・イ・タ・キ!とレクチャー受けた時の
ムカ感と似ていた)

…まあいい。

しかしここサラマンカには地元の人はもちろんのこと、その品質の高さから、
全国的にその名を知られる地元原産牛種がある。それがモルーチャ(Morucha)牛だ。

1.モルーチャ種とは

ヨーロッパ、ここスペイン産野牛を原牛とする牛種。
サラマンカから南はカセレス付近、北はサモーラあたりにおいて、
のびのびと放牧されている。

がっしりとした肉付き、その灰色褐色肌から、モルーチャ
(=ムーア人/北西アフリカのイスラム教徒)と呼ばれるとのこと。



スペイン産の牛肉において、アビラ産、ガリシア産に並び、
原産地呼称保護指定(DOP)を受けている。

なんだか闘牛を思わせるりっぱな角といい、猛々しい感じ…
しかし現在は主に食用として飼育されている。さてお味の方は?

2.モルーチャ・デビューはここにて

さてこのビーフをちょいとお試ししてみたいと思うものの、いざ自分でステーキを焼く自信もなし、
レストランで頼んでみたら広辞苑サイズでてきました、というサプライズも欲しくない…

という方にお勧め、中心街にあるとあるレストラン「Aldabaアルダバ」



お店の名前の「アルダバ」とは扉のノッカーのこと。
店内にコレクションとしていくつも飾ってある。



1996年創業の非常にクラッシックな店内は割と小ぶり。
お客は常連っぽいミドルエイジの方多数のせいか、落ち着いた雰囲気。
それでも夜営業スタートの8時となるとサワサワとお客が増え、気がつくと満員。



お、モルーチャ・カレンダーまで掛けてあるww
これはやっぱり「試してみる?」的なこといわれてるのかね?w

…いうことでワインのお供として、「モルーチャの串焼きを注文」。



赤味、あっさり、味付け塩のみ。
…噛みしだく程にこぼれる肉汁!うまい具合にレアなので、柔らかい!
そしてうっすらとふくよかな肉の香り…
たちまち一本食べてしまって呆然とする。

「柔らかい、臭みがない=上等肉」という思い込みが自分から抜けていくのがわかる。
食感、香り共に適度に元気で、でもいやみがない。美味しい!
猛烈にお代わりしたくなるのを押さえ、他のタパスも注文



おばけマッシュルームの鉄板焼!
ほっくほくで歯ざわり最高、白ワインにぴったり~

小イカのフリッター。カリッカリ。口中のシャワシャワ感をうっとり楽しむ。

そしてこのレストラン、カウンターでタパスを楽しむ分には随分と
お財布に優しい。上等ワインにタパス1つがついて2.50ユーロ(2017年2月現在)。


お店の方もかなーり親切、てきぱき対応。
学生相手のカフェとは違うので、最初の一歩がちょっと勇気がいるけど、価値あり。

3.ガッツリからあっさりまで

で、話はモルーチャ牛に戻って。
1度「サーロインステーキ」で食べてみる。

筋ばってない上等肉を切ると、ここでは「バターのようにさくっと切れる」というが、まさにそれ。
生部分もまさに刺身の如し。なんで美味しいものはするする入っちゃうんだ…

あともう一つの食べ方はこれ↓カルパッチョ。

https://www.hosteleriasalamanca.es/contenidos/20nov/carpaccio275buena.jpg

上に黒胡椒、粉チーズ、オリーブオイルをかけてくれる。これこそあっさり、
さっぱり、まさに日本人向けの食べ方かな~

あとがっつりというか、どどーんという方にはこれ↓
https://www.hosteleriasalamanca.es/contenidos/20nov/milhoja300buena.jpg

モルーチャ牛、フォアグラとポルチーニ茸のミルフィーユ、
きのこクリームソース。店の看板。
同じ素材ながらあれこれ試してみるのもいいかも。

和牛もよし。
モルーチャ牛もよし。
お店でワインを傾けながら、お国自慢、文化比較論を現地の方
と広げるのもまた楽しいし。

 

コメント
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